2020年7月31日金曜日

湯舟と蝉の声

時間帯が良かったのだろうか。日中ちょっとリフレッシュに行った温泉旅館のかけ流しの湯舟は、貸し切り状態だった。ラッキーである。

肩までお湯に浸かって「ああ、もう7月も終わるなあ」と、独り言つ。
少し開いていた浴室の窓からはほんの少し緑の色がのぞいていて、殺風景な風呂場の景色にアクセントをつけている。

「ふう、気持ちいがいいな」と思った次の瞬間、その窓から蝉の声が盛大に風呂場へと侵入してきた。
アブラゼミとニイニイゼミが混じっているような音。

そういえば、今年は「春」がなかったような気もする。
そういえば、雪も降らず「冬」も知らないうちに過ぎていた。

人との距離を保つこと、人と接触しないこと。
これは、人の季節感をも危うくしてしまうのかもしれない。

西の方では少しづつ梅雨明けしているそうな。
短い東北の夏がはじまることを、蝉たちに教えられる。


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