先月の約半分はロンドンに滞在していました。そしてそのうち約半分の1週間は宿を出ると地下鉄を使って、劇場までの道を連日通う日々でありました。
今回のロンドンでの劇場通いは、仙台を拠点に活動する「シェイクスピア・カンパニー」の『アイヌ・オセロ』上演に伴いボランティアスタッフとして関わったことによるものですが、私にとってのそれは、自己啓発と研修も兼ねるような、とても良い経験になりました。チャンスをくださった皆さますべてに感謝しています。
さて、ロンドンの地下鉄では、誰しもが目にする耳にする言葉があります。
’Mind the gap’
駅のホームと電車の間に隙間があるので気を付けて、という意味です。
僕たちが連日劇場を後にして、ウィンブルドンの駅からベイズウォーター目指して帰路につくとき、たいてい乗り込んだ地下鉄の車内はたいていガランとしていました。少し込み合う路線ももちろんありますが。ロンドンでは夜の地下鉄車内で日本のように酔客を見るようなことはほとんどありません。
Mind the Gap.かぁ…。
私は、ガランとした電車のシートに座ると、少し疲れた頭で社内を見渡しながらぼーっとしていましたが、とつぜん、電車内で見聞きするその言葉の中の「the gap」という言葉の意味が気になり始めました。
今回はシェイクスピア作品の翻案劇を本国で上演するというプロジェクトに関わらせていただいていることもあってか、東洋と西洋、日本語と英語、マジョリティとマイノリティ、17世紀と21世紀、男と女…、様々な2つの間にあるgapを考え始めたのでした。
私も自分の仕事としている舞台作品制作や音楽制作でも、何かいつもこの問題にぶちあったているような気がしてならなかったからかもしれません。
この「ギャップ」にはいつも気を付けていなくてはなりません。
MIND THE GAP :-)
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