2021年9月26日日曜日

劇場にて~予防策をとりながら

今日のニュースによれば、どうやら今月末で緊急事態宣言や蔓延防止重点措置などは解除されるような雰囲気になってきている。

しかし、油断禁物であることに変わりはない。 私たち舞台芸術に関わるものたちにとっては、感染防止と安全確保の策を、稽古場でも劇場でも常態化させる取り組みが必要であると感じている。

昨日から開始しているSCSミュージカル研究所の公演では、そうした対策を施した上でお客さまにミュージカルや舞踊劇、コンサートなどを楽しんで頂く挑戦を続けている。

検温や消毒は勿論のこと、万万が一のために半券の裏にご連絡先を記入いただいたり、アンケートはQRコードを読み取っていただきき記入する方法をとったり、少し寂しいですが、キャストへのプレゼントは辞退させて頂いたり、出演者によるお客さまお見送りを取りやめたり…お客さまへのお願い事やご負担も増え我々主催者側でも多くの条件や制限を設けて実施している。

それでも、手間や負担は増えても、舞台の灯を消さぬよう、子どもたちが踊ったり歌ったり演技したりできる場をなんとか繋いでいこうというのが我々の決意でもある。

子どもの成長は早い。この2年近くのマスクをつけた生活様式がどんな影響を及ぼすのか見当がつかないが、人生を謳歌するには、文字通り人間は歌ったり踊ったり時には演技を楽しみ、未来に向かっていくのだと、ミュージカルづくりという狭い範疇かもしれないが、明るく地道に伝えていきたいと考えている。

写真は、昨日公演前リハーサル時のスナップ。


 



公演の前後にはボランティアスタッフによる客席消毒作業などがその都度行われている。

 
私たちの世代も、こうしてお手伝いのボランティアをかって出てくださる子どもの親たちの世代も、想いはひとつである。
 
どんなに困難な時代でも、なんとか道を拓こうという姿を示していくことは、大人たちのミッションでもあると感じている。


 

2021年9月16日木曜日

しっかりと

最近気になる言葉が「しっかりと」。

特に政治に関わるような責任ある方の発言に目立つ。しかし、ご自分で「しっかりと」を多用される方ほど「しっかりとした具体策をもっていない」ように感じるのは私だけであろうか(笑)

さて、コロナ禍においてしっかりとやらなくちゃいけないのが、感染症対策。特にわれわれ舞台づくりや上演に関わる者としては、頭の痛いところである。

一昨年まで当たり前のようにやっていたことのすべてにおいて、ひと手間も二手間もかかってしまう。しかし、安全対策を施しながら舞台の灯を消さない努力を続けることも我々の使命のひとつであろう。

先日、仙台オペラ協会の作品を拝見した。弊社も僅かながら毎年協賛させていただき楽しみにしているこの公演も、昨年からのコロナの影響は大きい。しかしながら、久々に聴いた仙台フィルの演奏も、コロナで苦労しながらお稽古を重ねたであろう出演者の皆さんも最後まで素晴らしかった!特に侍女トリオの歌は印象的。演技もよかった。

 

 

実は、先月はじめに私は先方協会事務局長と感染対策で情報交換をしていた。7月に我々がやはり大ホールを使って素人が参加するミュージカルの上演を行っていたから、その時の感染対策方法などについても意見や感想を求められての電話会談であった。 お互いに最終的に無観客とか中止とか、先の読めない状況下での準備に不安を感じながら制作を進める立場であったので、会談はまた励みにもなった。

さて、今回公演当日、仙台オペラ協会様の出演者は全員PCR検査を行ってから舞台に臨んでいたそうでである、お客さまや関係者に対する感染症対策も、おそらく考えられることすべておやりになっていたのではないだろうか。

情報交換の際には「しっかり」という単語はお互いに使用していなかったが、今回のオペラ公演は、まさに「しっかり」とした感染症対策が施されていたと感じた。

ひょっとして「しっかりと」という言葉は、自分から言うのではなく「あの方の○○対策は実にしっかりとしている」などと、客観的な立場で使われてはじめてその言葉本来の意味を持つのかもしれない。

 

2021年9月9日木曜日

今週は月曜日から木曜日まで連日温泉に入るという幸運に恵まれました。

休みらしい休みを取ったのは今年は初めてかも。健康自己管理もたいせつということで久々の休暇、留守を預かってくれる優秀なスタッフの皆さんに支えられてコロナ禍のご時世を泳いでおります。

県内のとある温泉旅館に投宿しました。泳いでいると言えば、立派なお庭の池では外のコロナ騒ぎとは関係のないような立派な鯉がいらっしゃいました。私の故郷では鯉は食べ物ですがそれは養殖鯉(笑)

大きな鯉の美しい泳ぎにしばし見惚れて、お池というクローズな環境でも、堂々として悠々と泳ぎ生きるその姿は、世知辛いこの世に生きる私たちになんだかちょいとヒントを頂いた気も。



このお宿、お湯が良いので日中は日帰り客で大賑わいですがこの日泊まりは私ひとり。よって宿泊者のみ入れる時間に素晴らしいお湯を独り占めで堪能させていただくという、これまたラッキーな経験をいたしました。

この期間、パソコンや楽器も持参しておりましたが、やったことは締め切りが来ていた原稿を1本書いたのみで、基本的にボーっとして過ごしました。

意図的に作ったヒマ持て余して、友人に「♫みちのくsoloり旅〜」とメールしてみたらウケたので、私も親父ギャグを飛ばす立派な湯治客になったと自覚いたしました。


2021年9月1日水曜日

静かなキャンパス

コロナ禍の2021年も4分の3を過ぎて、9月に入ってしまいましたね。

昨日は所用で東北学院大学の泉キャンパスに出かけました。何と1年半ぶりの訪問です。



折しも宮城県は緊急事態宣言下。大学の感染対策レベルも上がっています。

夏休み中とはいえ、人影のない静かなキャンパスに立つと、一瞬異空間にいるような感覚に陥ります。学生の「気配」が無くなっています。

耳を澄ませば、遠くに夏の終わりを惜しむかのような蝉の声と、秋の始まりを告げる虫の声が混じり合って聴こえていました。

8年ほど前から担当している私の授業は人数の関係で、昨年も今年も毎週授業動画を制作しオンデマンドで実施しせざるを得ませんでした。

学ぶ側にも教える側にも、忍耐と工夫を強いる時代が続いています。