昨日G7が終了したとのニュースを見た。今回はその会場が英国「コーンウォール」と聞いていたので会期中は(私の家にTVは無いため)新聞やネットで触れるG7ニュースの「背景」が気になった。
なぜならコーンウォール地方は、数年前にまだ中学生であった娘を連れて「父親二人と娘が4人」という チームでレンタカーを借り旅をした地域である。盟友S教授の「純ちゃん、二人で英国にある小さなお城を借りてみない?」という突拍子もない発言が発端となった、ひと夏の愉快な旅であった。
G7のことは門外漢なのでわからないが写真や動画にうつるコーンウォール地方の背景映像は、あの夏の旅を思い出させた。2014年以来2年ごとに英国を訪れていた定期的な英国への旅は新型コロナウイエルスの影響で中断している。ワクチンが世界に行き渡るまで、もうあんな気楽な旅はできないであろう。
さて、今回のパンデミックにより、現代社会における政治面、経済面での脆弱性が世界中で露呈したことは言うまでもない。では、地域における芸術活動にどんな影響があったかと問われれば、経済活動も芸術活動も表裏一体の部分があるから、もちろん影響は大きい。しかし、ネガティブな面ばかりでもないのである。
そのひとつに(私も音楽家の端くれとの認めていただけるなら)長年音楽を一緒につくってきた先輩たちと音楽家同士としての「問答」をする時間が増えたということがある。例えば昨年春にはある先輩音楽家と「今我々にできること」という問答を、2か月近くにわたりZoomやGoogle Driveなどを利用して非接触状態で行った。二人の会話はとどまることなく続き、内容はあまりに巨大なプロジェクトとなったために一旦塩漬けにしてあるが(笑)、昨年二人で絞り出したアイディアたちは、いずれ日の目を見ることがあるのではという密かな期待感が続いている。塩漬けがおいしく頂ける時期を待とう。
また、年明けからは、七ヶ浜町の皆さんと「感染防止策を講じた舞台作品制作」という実験的な試みも進めることができた。多くの皆さまのご協力を得ながら進めてきた半年にわたるそのプロジェクトは、今月いよいよ最終段階に入った。
先週はそのポストプロダクションの一環である「声」を収録する作業を行ったが、個人的には、昨年春に一見非生産的とも思われる問答を繰り返した経験が無駄ではなかったことを実感する時間となった。
七ヶ浜町は大好きな町だ。しかしご承知のように10年前の東日本大震災では町の三分の一にあたる面積が津波被害を受けた場所。そしてその復興に際し地元のミュージカルグループが一定の役割を果たしてきたことは、このブログでも何度か触れてきているとおりである。ところがあれから10年経たずに今度はコロナ。
今回町の皆さんと取り組んだプロジェクト完了後の正式な発表は、来月7月中に町から出されると聞いている。その折には改めて皆様にもご紹介したい。
ともかく、太平洋に面した海辺の町にあるホールの災害復興期における芸術活動への挑戦は今なお続いているのである。
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