2021年9月16日木曜日

しっかりと

最近気になる言葉が「しっかりと」。

特に政治に関わるような責任ある方の発言に目立つ。しかし、ご自分で「しっかりと」を多用される方ほど「しっかりとした具体策をもっていない」ように感じるのは私だけであろうか(笑)

さて、コロナ禍においてしっかりとやらなくちゃいけないのが、感染症対策。特にわれわれ舞台づくりや上演に関わる者としては、頭の痛いところである。

一昨年まで当たり前のようにやっていたことのすべてにおいて、ひと手間も二手間もかかってしまう。しかし、安全対策を施しながら舞台の灯を消さない努力を続けることも我々の使命のひとつであろう。

先日、仙台オペラ協会の作品を拝見した。弊社も僅かながら毎年協賛させていただき楽しみにしているこの公演も、昨年からのコロナの影響は大きい。しかしながら、久々に聴いた仙台フィルの演奏も、コロナで苦労しながらお稽古を重ねたであろう出演者の皆さんも最後まで素晴らしかった!特に侍女トリオの歌は印象的。演技もよかった。

 

 

実は、先月はじめに私は先方協会事務局長と感染対策で情報交換をしていた。7月に我々がやはり大ホールを使って素人が参加するミュージカルの上演を行っていたから、その時の感染対策方法などについても意見や感想を求められての電話会談であった。 お互いに最終的に無観客とか中止とか、先の読めない状況下での準備に不安を感じながら制作を進める立場であったので、会談はまた励みにもなった。

さて、今回公演当日、仙台オペラ協会様の出演者は全員PCR検査を行ってから舞台に臨んでいたそうでである、お客さまや関係者に対する感染症対策も、おそらく考えられることすべておやりになっていたのではないだろうか。

情報交換の際には「しっかり」という単語はお互いに使用していなかったが、今回のオペラ公演は、まさに「しっかり」とした感染症対策が施されていたと感じた。

ひょっとして「しっかりと」という言葉は、自分から言うのではなく「あの方の○○対策は実にしっかりとしている」などと、客観的な立場で使われてはじめてその言葉本来の意味を持つのかもしれない。

 

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