2011年11月13日日曜日

魔女伝説

大歓声の興奮から一夜開け、もう帰国の日です。
夕方、空港に向かうまでの時間、折角ドイツまで来たのだからと、超駆け足観光地巡りがスケジュールされていました。
もともとよっぽどの興味が最初からない限り、僕は観光や買い物は苦手であります。おまけに朝から風邪の様な症状。昨夜の任務完了でカラダは免疫力低下かな?
そんなカラダに鞭打ってライン川下り参加であります。団体行動ですから。写真の鉄道向こう側が僕らが乗った観光船とライン川。


しかし、ボーッとしながらも一カ所だけ僕が興味を持った場所。それは船から見えたローレライという岩です。

事前にバスの中でガイドさんに伺った話では、ローレライとは不実な恋人に絶望してライン川に身を投げた乙女であり、水の精となった彼女の声は漁師を誘惑し、破滅へと導くというもの、といった伝説の場所なのであります。昔このローレライの岩付近が航行の難所であったことが、ローレライにたたずむ金色の櫛を持った美しい少女に船頭が魅せられると船が川の渦の中に飲み込まれてしまう、という魔女伝説に変化したもの云々…


カラダが冷えないように、ホットワインを頂きました。ボーッとした頭で実際にこの大きな岩を見ながら「こんな女に誰がした」とか「そんな男は許せない」という声が聞こえてきそうな怖い話だ。ドイツ版お岩さん?雪女?いつも悪いのは男なのねぇ、などと考え込んでしまいました。
さらに、今回の交流事業のなかでも、出演者+実行委員会メンバーにより歌われた『ローレライ(Loreley)』ドイツ歌曲も思い出しました。美しい曲でありますが、こんな魔女の歌だったの?
ヒトラー時代も作詞者を伏せて歌い継がれたこの曲の歌詞は、ドイツの詩人ハインリッヒ・ハイネ(Christian Johann Heinrich Heine/1797-1856)、ユダヤ人であります。

ハイネはこの伝説に何を見ていたのでしょう。
まさか、凡人の僕のように無粋な発想はしておりますまい。

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