2014年9月8日月曜日

野外劇場〜ウエスト・エンドの断片(2)

7月の最終日、2人のパパと4人の娘たち、そして日本からいらした1組のお客さまが合流した8名のチームは、2台の車に分乗して滞在先のCastleを出発した。

目指したのはイギリスの西の果て、文字通りランズ・エンドと呼ばれる場所。
そこにあるのが「ミナック・シアター」。
劇場のホームページはこちら
一人のイギリス人女性がコツコツと石を運んで作り上げたという伝説の劇場であると同時に、いつも満席で当日券を入手するのはなかなか難しいという人気劇場だ。

その日は雨の予報に反して開演の頃にはピーカンになった。
この劇場へたどり着くまでの道は、日本では考えられないぐらいの細道。対向車が来ると何度もバックを余儀無くされた。そんな辺鄙な環境の岬の先端に、一体何処から集まって来たのだろうという大勢の客で客席はあっという間に埋め尽くされた。


皆の熱中症を気にしながら観劇したのは「プロデューサー」というブロードウェイミュージカル。


何がビックリしたって、袖も幕も照明も無い、石造りの野外劇場で「ミュージカル」をやってのけるという現実だ。



さらにビックリしたのは、圧倒的な役者の力量!一流の役者という印象は勿論、全員「歌って踊れるのが当然」ということを、全ての年齢層の役者達によって「当然のごとく」断続的に提示されてゆく。無いはずの照明効果や、舞台装置までも見えてくる。
そして、観客席はといえば「芝居を楽しもう」という自然な空気で溢れているた。それは、直射日光でギンギンにヒートアップした客席の私に、英国演劇の歴史の深さと分厚い観客層を実感させていた。


0 件のコメント: