2019年3月14日木曜日

桜の花をめぐって

先週の土日は、七ヶ浜町のミュージカルグループNaNa5931の鎌倉公演に同行していました。3.11ALL鎌倉実行委員会様のお招きによるもので、市長さんはじめ多くの鎌倉の皆さん、そして近隣都県の皆さまにも鎌倉芸術館でミュージカル『ゴーヘ』をご覧いただき、翌日の野外イベントではアトラクションに参加させていただきました。
鎌倉の皆さまの暖かいお気持ちに大いに勇気づけられた2日間でした。

その野外のアトラクションが行われた鎌倉市役所前では、満開の桜の木を見つけ、「え!、もうこちらでは桜が咲いているんだぁ~!」と皆で感動しました。後にその桜の木は鎌倉生まれ鎌倉育ちで早咲きの品種「玉 縄 桜(たまなわざくら) 」という桜だったと教えていただきました。


そんなこともあったせいか、 昨日はふと思い立って東北大学片平キャンパスを散歩してみました。


それはまだ硬いつぼみでしたが、朝日を浴びて嬉しそうにも見えました。確実に開花に向かって成長しています。冬のあいだは、まったくその気配すらなく、まるで枯れているようにも見える枝だったのですが、まさに神秘の力!
この後は、きっと見事な花をつけてくれるに違いありません。ある意味「秘せずは花なるべからず」ですね。私の大好きな桜の季節です。
そして、その後は仙台が一番美しく見える新緑の季節へと向かいます。

一方、今月30日と31日に上演するSCS公演『忘れたい忘れない』のチラシに描かれているのは桜の花ですが、これは、東日本大震災から1カ月ほどした頃に、七ヶ浜町の海岸近くで見つけた桜です。恐らく町の方から津波で流されてきた桜の大木。松林で引っかかり、根っこは天を向いていたのに、それでもそこで花を咲かせていました。その桜の木にとって生涯最後の花です。


最後の最期まであきらめず生命を繋ごうとする姿に、当時私は涙を抑えつつ、せめて写真にと思いカメラに収めました。翌年はその花をモチーフに梶賀先生に台本を書いてもらい『sakura』というタイトルでミュージカルの舞台もつくりました。

今回は、その写真の桜をイラストにしていただき、チラシに載せました。
あの年以来、突然被災者となり、被災地に居る私たちは、様々な哀しみや希望の入り混じった複雑な想いを胸に、この3月を過ごします。

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