2012年6月24日日曜日

Reading Marathon!

ミュージカルの舞台作品を創り上げていく上で、役者、ダンサー、歌手の個人的な背景、バックボーンというものは、見逃せないものです。

そのあたりを、逆手にとって実に巧妙に作品のなかに織り込まれたのが、あの名作「コーラス・ライン」でしょう。
1970年代に、SCSミュージカル研究所主宰の梶賀千鶴子は、その作品の日本版をつくるため、原作者で振付・演出を行ったマイケル・ベネット氏から、NYで直接指導を受けていました。
梶賀氏の話によれば、マイケル氏は当時「柔軟な頭脳、筋肉に宿る知性」という言葉をよく用いたそうです。

さて、今日の日曜日のお稽古場。デスクワークの手を止めて、地下の稽古場に下りてみると、玉川遥先生の声楽(歌)レッスンが、行われておりました。


来月のミュージカル「sakura」公演に向けて、毎週稽古場のテンションが上がっていくのがわかります。
歌に対する先生のダメだしも厳しくなっていきます。


一方、稽古場を離れれば、彼らは普通の小中高の生徒、大学生、社会人、家庭人。週2回程度のレッスンで、先生方のダメ出しに反応する力をつけていくことはなかなか難しいものです。
台本や歌詞はもちろん、先生方の言葉や芸術的意図を理解するための感性も磨いていかなくてはなりません
そこで僕は、彼らの稽古場以外の時間の過ごし方に目をつけ、十数年前まで行っていた SCS Reading Marathon (SCS研究生読書量コンテスト)を復活させました。


今月から、12月までの半年間、いちばん本を読んだ研究生にご褒美をあげることにしました。
どんなきっかけでもよいから、特に幼い研究生たちには読書の楽しさを知るきっかけにして欲しいとも思っています。
この企画は自由参加なのですが、さっそく、今日、小学生の女の子が読後感想文を持ってきてくれました。うれしいなぁ。彼女は松尾芭蕉の伝記を読んだのだそうだ。何でも芭蕉は伊賀の生まれで…一生懸命書いてきてくれた鉛筆の文字に親しみを覚えます。
研究生の作文は、もちろん僕は全てに目を通します。僕自身もこどもたちの感性に大いに刺激されるからです。
そういえば「芭蕉忍者説」なんてことを耳にしたことがあるなぁ…邪念の入った僕の妄想はあらぬ方向へと発展します(笑)

経験上、芝居もダンスも歌も、全てに「読解力」が要求されます。ゆえに、各個人の読書量は稽古場の雰囲気や作品の質の向上に直結します。

SCS Readinng Marathon は、そのちょっとしたきっかけ。
先のマイケル氏のことば、「柔軟な頭脳、筋肉に宿る知性」をもって
これから先の新しい舞台づくりに、ひとりひとりの個性がきらめきますように


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