2015年1月29日木曜日

「ヴェニスの商人」学生たちの表現

東北学院大学の教養学部に「俳優修業ゼミ」という一風変わったネーミングのゼミがあります。
今日は午前中から、そのゼミで上演する作品の稽古場にお邪魔していました。

何ゆえに大学の教養学部で俳優修業?と思われる方もいらっしゃるでしょう。私も不思議に思った一人でした。しかし、そんな私も今やこのゼミの芸術顧問を拝命し、学生諸君が仕上げに入る前など舞台制作を生業とする立場からのアドバイスをさせて頂いています。とにかく楽しい現場で、最初に関わった時からひきつけられるものがありました。

ここは、芸術大学や芸術学部とはちがって、特に演劇論や美学、またはスタニスラフスキーシステムなどを学んだり研究したりすることはありませんが、言語文化や、地域構想、人間科学などを研究している学生たちが、シェイクスピアの作品を自分たちなりに研究、解釈し、上演するところまで挑戦するという場です。
ゼミを主宰されているのは、シェイクスピアの専門家でもある下館和巳教授。下館先生の指導の下、学生諸君は、日々作品上演に向けての準備を進めていきます。そのプロセスの中で時折私のような者でもお役に立てることがある、というわけです。

普通の劇団でもありませんし、大学の演劇部でもありません。まして商業演劇とも違います。教養学部の各学科でそれぞれ専門的な知識を身に着けつつ、それらを生かしながら、シェイクスピアを読み解き、自分たちの身体で表現するところまでこぎつけます。若い頭脳が集結してアカデミズムのなかで練り上げられる内容は面白さ満載です。

今回は通し稽古を拝見しアドバイスするという作業でした。今日は、私もハッとするような新しい解釈や表現を見つけました。今回のゼミ生諸君が冒険と試行錯誤を繰り返しながら作り上げていることがよくわかり、またその真摯な取り組みに感動しました。

創りあげる過程では、協調性や意見交換能力、アイディアを組み合わせていくこと、厳しい条件下で課題をクリアしていくための発想力が培われていきます。
それらは、どれも社会生活においても非常に重要なものばかりです。そうしたことが、このゼミでは達成感とともに味わうことができます。

ご興味のある方は、ぜひ一般公開される上演の様子をご覧いただければ幸いです。
どなたでもご覧になれます。学生たちによる「ヴェニスの商人」。
フレッシュです。


(チラシはクリックで拡大できます)

尚、観覧ご希望の方は、ご希望の方は(客席に限りがございますので)チラシのメールアドレスまで、事前にご一報いただければ幸いです。


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