2014年4月12日土曜日

40年以上前のギター

「純ちゃん、俺が高校生の頃買ったギター、安物なんだけっともっしゃ、もし良かったら貰ってけねすかや」
受話器の向こうは生粋の仙台弁で、元気な声。
日頃、お世話になっている先輩だ。
「もちろん、いいっすよ」
と、二つ返事でお応えした。
すると彼はなんと数時間後にわざわざ僕の事務所までそれを届けてくださった。

ソフトケースを開けてみると、出てきたのはヤマハ製のフォークギター。
30年ぐらい前までは、僕もヤマハのL6といういうギターを愛用していたゆえ(そういえば、あのギター、どこへ行ったんだろ)ヘッドやピックガードの形状に懐かしさを感じた。
それにしても、このギター、先輩の年齢から考えると、間違いなく40年以上経っている。
恐らく1970年前後に作られたものだろう。

ボディに痛みや汚れはあるものの、一見して致命傷となるような傷は見当たらない。早速ケースから取り出したギターを、手元のギターケア用品や工具で、自分なりにメンテナンスとクリーニングをはじめてみた。


サウンドホールを覗くと、
FG-180 と読める。ギターマニアにはよく知られた、通称赤ラベルだ。


サウンドホールの内側にも、塗装が施してあるのがわかる。当時の丁寧な作りの一端が垣間見えるようだ。

何とか応急メンテナンスとクリーニングを終えて、新しい弦を張ってみた。
弦高が高いのと、フレットの摩耗で、本格的な使用にはまだまだ調整が必要なのだが、この状態で、音を出してみると、想像以上に鳴りが良い。音だけでいえばまさにヴィンテージもの。
我が愛機Martin D28の音と、弾き比べてみたところ、音色は全く違うものの、出音の大きさはそれほど違わないように感じた。FG180のほうは、指弾きというより、ピックでかき鳴らしたくなるような音である。

それにしても、丁寧に作られたものは、ちゃんと年数経過しても、それなりの味を出してくれるもんなんですなぁ。


ライブなどで使用するには、修理や各所の調整に少々投資する必要がありそうだけれど、いずれ挑戦してみたい。

近ごろ、分解組み立てが好きだった少年時代の感覚が時折頭をもたげる。
今日は、楽しいギターいじりのきっかけを下さったS先輩に大感謝!

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