お粥が好きである。
小学校1年生ですでに胃潰瘍と診断されたことのある不肖ヒロセ純。ゆえに小さき頃からお粥には縁がある。愛情込めて作っていただいたお粥が一番に決まっているが、近頃はコンビニなどで売っているお粥もなかなかイケル。事務所でも簡単にお粥を頂けるよき時代になった。
幼少の経験から、お粥は家で作ってもらうものという先入観があったが、昨年11月末に2泊3日で出張した台北では、ホテルの向かいにあるコンビニ(ファミマである。台北市内ではセブンとファミマがたくさんある。)の脇で早朝から屋台のお粥を販売していた。お粥は野外で売るものらしい。ちょっとしたカルチャーショック。
バイクに乗った方やサラリーマン風の方など、通勤途中と思しき方々が次々とお粥を買い求めている。同行の税理士Tさんの勧めもあって、私も一杯買ってホテルに戻り頂いた。
実にうまい。コメは日本のものとほとんど変わりはなく、トッピングは豚肉を煮込んだものらしいが、その味も日本人には馴染みやすいものであった。
価格は日本円で200円ちょっと。これで、十分におなかがふくれる。
ホテルの窓からもちらと屋台が見えるのだが、結構人気だ。ご夫婦らしいお粥屋のお二人の醸し出している味なのであろう。ここで商売初めてどれぐらいになられるのかなぁ、これまでどんな人生を歩んでこられたのだろう。お客さんは常連客が多いのかな…。一杯のお粥から妄想が膨らむ。台北に住む人々の日常にちょっぴり触れたような気分であった。
おふくろの味にはじまって、人生においてはいろいろな味の記憶が生まれるものであるが、幼いころの「食べられない」記憶のせいか、食べ物と幸福感が私の中で一体となることが多い。
人間はだれしもいつかは「食べられなくなる」日がくるもの。レトルトお粥のパッケージを眺めつつ、一瞬脳裏に台湾の味がよぎった。食べられるという当たり前に感謝をしつつ、また台湾で美味しいものを食べる機会に恵まれるようにと願った。
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