2018年1月2日火曜日

月を見つめる

元日の夕刻。
実家で雪片付けなんか少しやっていたら、今年初めてのお月さまと対面した。


スコップを雪の山に突き刺して、しばし見惚れた。

ご来光もありがたい、しかし、見つめるには太陽はまぶしすぎる。
その点、月はいい。ずっと見続けていることができる。
特にこんな大きな月の晩には、見上げながらしばらくすると、
地球も宇宙空間に浮かんでいるんだと実感できてくる。
宇宙に浮かんでいる感覚になってくる。
時空まで超えられそうな気分だ。
けれども、「想像」は実際に見たものがベースになっている。
あの月の裏側を地球から肉眼で見ることはできない。
ふと、見えているものの危うさを想う。
本当は丸くないのかもしれない(笑)
などと妄想は膨らむ。

小学6年の時に聴いたピンクフロイドの『狂気』(The Dark Side of the Moon,1973)というアルバム1曲目(Speak to Me)のフレーズが浮かんできた。歌が入ってくるあの辺りのフレーズだ。
脳内に音が加わると連鎖的にいろんな想いがこみ上げて、頭蓋骨の中を交錯する。
生まれてから一番古い記憶から今までの、風景、匂い、ことば、声、体温…

考えてみれば「月の光」と思っているあれは、実は太陽の光を間接的に見ているのだ。
その光のなかに、もう会えなくなった人もいるのだろうか。

震災後、月を見つめる時間が長くなった自分に気がつく。


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