男と女。
どきっとしました?
恋愛のお話ではありません。
今週観たお芝居のお話。
「芝居なんて観て優雅だなぁ」などとおっしゃらないでください。
これも、自分の職業上大切な事なのです。
まず、火曜日に観たのは宝塚月組の郡山での公演。
「愛するには短すぎる」と「Heart on Beat!」。
いわゆる2本立て。
「蓮つかさ」という芸名でSCS出身者が出演中です。
(残念ながら写真は掲載できませんが)
彼女の役どころは、いわゆる「男役」 。
宝塚音楽学校を卒業したばかり、
アンサンブルが中心でしたけれど、
立派に役どころを勤めていて、感動しました。
蓮つかささん、今後も益々の活躍を期待してます!
次に、木曜日。
東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)に出かけました。
観劇したのは「弁慶上使(べんけいじょうし)」という歌舞伎。
お目当ては「中村児太郎(なかむらこたろう)」さん。
実は、彼。今でこそ、りっぱな歌舞伎役者、
そして青山学院大学に通う大学生でありますが、
2003年の日生劇場40周年記念ミュージカル
「みどりのゆび」(梶賀千鶴子演出)において「チト」役で主演したことがありました。
当時、SCSからも8名の役者が参画した関係で、ご縁がありました。
当時はこんな感じ。(演出の梶賀センセとともに記者の取材に応じている様子)
まだ小学生だった児太郎くん。児太郎ちゃんとか言われて、皆から愛されてました。
あれから、9年…。
美しい女形を演じる役者に成長された児太郎くんの舞台に、僕は釘付けになっていました。
それもそのはず。昨年お亡くなりになられた人間国宝、
中村芝翫(しかん)さんのお孫さんでもある児太郎さん。
しっかりそのDNAは受け継がれていらっしゃるのですね。
写真は、日生劇場の楽屋口にて演出の梶賀と。
芝翫さんは、当時から児太郎さんをとても目にかけていらっしゃいました。
さて、9年ぶりの演出家との対面は、忙しい舞台の合間をぬった楽屋。
梶賀センセが「覚えてる?」と言えば、
「忘れる訳ありませんよ~!」と笑顔で、楽屋に招き入れてくれました。
僕が、写真はまずいよねぇ?と問いかけると、
「ぜんぜんかまいませんよ!どんどん撮って」と気さくな声。
しゃべりはじめると、9年前の変わらない、
彼独特のサービス精神旺盛な、はつらつとした空気感がよみがえってきました。
かつらや衣装をとれば(化粧はしているものの)、ごく普通の大学生との会話って感じでした。
短い時間でしたが、皆で懐かしい話に花が咲いたのち、我々は劇場を後にしたのでありました。
斯様に左様に、一週間のうちに、演目やスタイルは違えど、
舞台上で「男役」と「女形」両方を拝見。
それぞれに、美しく、感動的でした。
舞台ならではの贅沢な「非日常」のひとときを味わわせていただきました。
それにしても…
世の中を二分するニンゲンのオトコとオンナ。
現実世界に目を向ければ、強い女とか、逆に、美しい男が居たり、
ジェンダーフリーとか浅学の僕にとって訳のわからぬ論理を展開する者が居たり
そういえば「女々しい」って言葉はあっても「男々しい」って言葉はないなぁ、
一方、今じゃ男がエステに通う時代だとか。
…うーむ。
まことに、
摩訶不思議なオトコとオンナ。
で、あります。
しかし、今でも目に焼きついている、
指先まで神経のはった児太郎さんの女形の演技。
美しいものは、善いもの。
つくづくそう感じさせられた舞台でありました。
0 件のコメント:
コメントを投稿