2016年8月5日金曜日

柔らかな移行

今月は、宮城県七ヶ浜町の小学校が開催する「芸術鑑賞会」において、同町のミュージカルグループ「NaNa5931」が出演したミュージカル『ゴーへ』という作品を上演することになっています。

『ゴーへ』は、東日本大震災で町の面積の3分の1に津波の被害があった同町で、同じ年の秋に、七ヶ浜国際村ホールで初演された作品です。

芸術鑑賞会でNaNa5931がパフォーマンスを行うことは初めてのことで、学校や町の関係者からの大きな期待が寄せられているだけに、出演者たちはいつも以上に緊張感のあるお稽古時間を過ごしています。
昨夜の稽古場を覗いたところ、梶賀先生が別件で不在にも関わらず、リーダーさんたちが、全体を効率よくまとめながら、作品の衣裳あわせや、場面ごとの確認や仕上げの作業を行っていました。


気がつけば、かつて私がプロデュースを仰せつかり、梶賀先生とともに、NaNa5931のレッスン、作品上演を開始してから15年の月日が流れ、震災からは5年の月日が流れているのでした。

15年前は幼稚園児だったメンバーも、今や立派な指導者に育っています。
ここでは、時の流れと共にあらゆる面でのゆるやかな移行が進行しています。

そして、この夏、『ゴーへ』の芸術鑑賞会採用には、町の人たちによる「震災の事実を風化させずに、いのちの大切さを見つめ直す」きっかけにして欲しいという、強い思いが込められています。

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