先日ちょうど6歳ずつ歳の離れた3名での宴会があった。
一番年下の私が会場に大遅刻するという失敬をはたらいたのにも関わらず、2人の兄貴は、では、ペナルティとして、飲み代の割り勘の端数170円をヒロセ純が持て、ということで許してくださった。
こんな不肖の弟分に20年以上お付き合いくださっている、あったかい兄貴分である。
さて、その3人組のまんなかに位置する兄貴は下館和巳氏。東北の演劇界では一目置かれているシェイクスピア・カンパニーの主宰者である。
呑みながら、3人で「ほぼテーマの無い」話に花が咲くなか、いつしか下館氏が寿司屋で修行したという話に展開した。多少酔っていたせいか「寿司屋でリア王が…しかも東北弁で」などという発想に、引き込まれつつも、どんな舞台になるのか想像が出来ず、頭が痺れそうになった。
そういう話が、とにかく楽しい。
下館氏はシェイクスピア・カンパニーの次回作の脚本を執筆するにあたり、劇団員たちと実際に寿司屋に行って、寿司を握ったり、インタビューしたりと「取材」を敢行したそうである。リア王と寿司…突飛な取り合わせであるが、下館氏がどう握ってお客に差し出すのか、楽しみである。
一昨日はそのチラシを劇団員の2人がSCSの稽古場に持ってきてくださった。
シェイクスピア・カンパニーとSCSミュージカル研究所は、お互いにその創設時から協力関係にある。同じ東北を舞台としながらも、それぞれ違う立ち位置で創作舞台を発信し続けている。今回の3人組の一番上のS氏は、そうした私たちの活動をずっと見守ってくださっている。初めてお二人にお会いしたとき、まだ小生は20代。以降、この敬愛する兄貴たちから時折いただくアドバイスは、わが人生においても示唆に富む深い言葉がちりばめられていて、大変に有難い。
素敵な時間は、いつもあっという間だ。
お二人とも「今日はちょっと飲みすぎたかなぁ」などとおっしゃりながら、最後は大先輩S氏にタクシーで家まで送っていただいた。
ほんとは、小生がお送り申し上げる立場なのですが…いつまでたっても手間のかかる奴で申し訳ありません…と詫びつつも、なんだか、あったかく、嬉しい年の瀬の一夜。
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