我が事務所にもほど近い「和さび」という鮨店にて。
「福小町」「秀よし」「新政」…彼の出身地にちなんだ利酒もいただいた。
青春のある時期に、食と住を共有した経験のなせる業か、あっという間に時空を超えての縦横無尽なる話題。いつしか場所は2軒目となり、ついには日付が変わるころまで、楽しく呑んでしまった。
現在は医学者となり、その分野の重鎮でもある彼は、出会った頃、量子力学に魅せられ確かその研究をやりたいと言っていた。かくいう私は、恥ずかしながら漠然と日本文学か哲学を研究したいと思っていた。 互いに二十歳前であった。もちろん、当時それぞれの未来など想像だにつかず。
人生とは魔訶不思議なものである。
そして、人のえにしもまた。
我々は、あの頃描いた未来に立ってしまっている。
こんな楽しい感覚は若者にはわかるまいと、
互いに笑った春のよい。
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