山形の郷土料理に「笹巻(ささまき)」というものがあります。
端午の節句の時期から初夏にかけて、母がよくつくっておやつの時間に出してくれたものでした。
今風に言えば、私にとってこの季節の最高の「スイーツ」です。
先日、舞台の合間に、劇場でスタッフと立ち話をしているときに、山形の話題になり、突然、強烈にそれが食べたくなりました。
ダメもとで、居合わせた山形出身の研究生のお母さん(と言っても私よりはるかに若い!)に、笹巻をつくれる人、どなたかご存じないかと問うてみました。すると、意外にも簡単に「私の母がつくれますよ、頼んでみましょうか」との応え。
数日後に事務所に届いたのがこれです。
山形に住む研究生のおばあちゃん(といっても私の年に近い!)が、早速ご近所に笹を取りに行ってくださったそうで、それともち米で「ささまき」こさえて送ってくださいました。
青い笹の葉っぱをそぉっと外して、きなこと黒蜜をつけていただく、この「ささまき」。
一気に少年時代が蘇ります。懐かしくて、うれしくて、涙が出そうです。
材料は全て地元です。そして完全なる手作り。
事務所の若い衆とともにいただきました。
それにしても、味の記憶は不思議です。
あっという間に、時空を駆け巡って、自分を当時の居場所まで連れて行ってくれます。
0 件のコメント:
コメントを投稿