今回は津波のお話ではなく、その陸前高田市に建つ、あの地震でも壊れることのなかった日本の伝統技術の話題。
訪れたのは気仙大工左官の匠の技を駆使した建物のある「伝承館」。
そのエピソードを聞いた時、震災後、もともと海岸に自生していたような植物は津波の塩水にひたっても枯れなかったという話を思い出しました。日本で生まれて日本で進化した工法には、起こりうる災害も想定した先人たちの知恵が息づいているのかもしれませんね。
屋内に入ると、縁側からの光の入り具合や、欄間の陰影など、実にうつくしく、電気が無かったころの日本家屋内部の陰影を想像し、その妙にしばし浸ったのでありました。
そして、茅葺き屋根の虫よけに焚かれていると思われる囲炉裏とその煙は、私に懐かしい記憶を運んできてくれました。
こうした建築や室内の調度品などの佇まいは、なぜか私をとても誇らしい気持ちにさせるのでした。
日本人としてのDNAが視覚や嗅覚、触角を刺激したのかもしれません。同時に日本のものを軸にした芸能や技は、私たちが舞台に関わるものづくりを行う際にも、心しておきたいものだと強く思ったのでありました。
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