先月末日、金沢を訪れる機会に恵まれました。
初めての金沢。「文学のまち」とも称されるこの町を巡った2日間は、感動の連続でありました。
そのひとつ。室生犀星が育ったお寺「雨宝院」では、幸運にもご住職自らのご案内にてお寺の中を拝見し、文豪の生きた時代に思いを馳せることができました。
お寺の裏手の縁側から見えるのは犀川(さいかわ)です。
犀星さんの名前はこの川にちなんでいると言われています。
昔は、このお庭がもっと奥まであって、川岸に直接降りることができたのだそうです。
雨宝院では、住職さんから室生犀星にちなんだ様々なエピソードをお聞きすることができました。
ご住職のお話に耳を傾けつつ「あの『抒情小曲集』も、この場所で書かれたのだなぁ」と、それを初めて読んだ「幼年時代の自分」を、ちらと思い出したり。
そんなわけで、仙台に戻ると、早速、室生犀星の『幼年時代』を読み直しました。すると、子どもの頃に読んだ印象とは全く違うものでした。ゆかりの地を訪ねたせいか、街並みや、そこへ降る雪のようすなど、描かれている場景が、文字から立ち上がって、鮮やかに眼前に広がるようでありました。
雨宝院の後には室生犀星記念館も訪ねましたが、そこで特に印象的だったのは、あの犀星さんの前にある火鉢に両手をかけてくつろぐ猫の写真。(ネットでも検索するとすぐに観られます)
猫好きの文豪は意外に多いですね。
それにしても、どうやら私は、どこに行っても「猫」とご縁があるようです。
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