2020年5月28日木曜日

北原白秋の「物理学教室裏」という詩に初めて触れたのは確か中学1年の頃、米沢市立図書館だったかと思う。
そこに並ぶ文字は難しく何がなんだか判らないというところに、物凄い引力を感じた。
朧げながら「陰鬱」という感覚をその時初めて文章で味わったような気がする。既に算数や数学が苦手と自覚し始めた自分が「物理」という単語からの連想で激しい理系への憧れも生じていたことは間違いない。
今思えば、自分を理系とか文系とか分けるのもナンセンスであるのだが。

その時、図書館で本を手にしながら、小学校に上がる時分とある病でひと月以上外出と食事に厳しい制限があった頃を思い出した。
何事にも表とウラはあるものだ。メビウスの輪であっても、その表面のある一点から見ればウラがある。
稚拙なアタマをフル回転させて考えてみる。
そう、暗い部分があるからこそ明るさを感じるということに間違いない。

みんな、暗い気持ちになるのは悪いことじゃないのだよ。


子どもの時の厳しい外出制限の気分にちょっと似ていたこのところの感覚。
全国緊急事態宣言が解かれた夜、
「裏」を見つけてそんなことをフと思った。

仙台駅屋上にて。

2020年5月24日日曜日

【30周年記念ミュージカル公演延期】のお知らせ


ブログ読者のみなさまへ

このブログをお読みいただいている皆さま、そして私たちSCSの活動を応援してくださっている皆さまにお知らせいたします。

 私たちはこのたび、SCS創立30周年を記念し昨年から準備をすすめてきたミュージカル『梵天丸』公演(電力ホールにて7月25日~26日上演予定していたもの)を、約1年ほど延期することといたしました。

 今年度最も大きな舞台作品として準備してまいりました公演を中止しなければならないのは大変つらく厳しいことですが、公演に関係する全ての皆さまの安全を最優先させるために決断せざるをえませんでした。準備にあたってくださっていた全ての皆様に対しても大変申し訳なく、この場をお借りして心よりお詫び申し上げます。

 3月以降こうしたお知らせを重ねなければいけないこの事態は誰もが経験のないことで打開策も手探りの状態ではありますが、これまで30年にわたる皆様からのご厚情とご協力に少しでもお応えできるよう、粘り強く活動再開の道を探ります。

 今私たちは、もう3か月近く会うことが出来ていない研究生たちや子どもたちがオンラインミーティングで時折見せてくれる「舞台が大好き」という表情に大いに励まされながら、お客さまと舞台をつないだあの美しくあたたかな時間を取り戻すべく、あらゆる手段を講じ活動再開への道を拓き続ける決意を新たにしています。

 再び劇場でお会いできる日まで、どうかみなさまにおかれましても安全お健やかな時を過ごされますようお祈り申し上げます。


一般財団法人
SCSミュージカル研究所
代表理事 廣瀬 純

2020年5月19日火曜日

R&Cシアターレッスン

SCSミュージカル研究所の稽古場では「オンラインレッスン」の試験運用が行われています。

インターネットでのオンライン会議システムで、どこまでミュージカルレッスンの効果を上げられるのか、誰も経験の無いことへの挑戦です。
ネット環境はもちろんのこと、指導プログラム試行錯誤の日々が続いています。


ミュージカルを通じて「子どもたちが笑顔でいられる場(ステージ)作り」をすることがSCSの目的の一つです。世界的に困難な状況ですが、画面越しでも久しぶりに友だちや指導スタッフの顔を見た子どもたちの笑顔の向こうに私たちは明らかな希望を見ています。

そこで、私たちはリアルなお稽古場とクラウド(ヴァーチャル)のお稽古場の2つを持つことになるので、それぞれの良いところを組み合わせて、新しいレッスンプログラムの開発も同時進行させていくことにしました。私はこれを「R&Cシアターレッスン」プログラムと呼んでいます。
SCSが30年かけて培ってきたノウハウを結集して、RealとCloudの稽古場で行われるレッスン全てに劇場へと向かうベクトルを持たせます。ベクトルの先にあるのは、もちろん劇場の舞台(ステージ)における表現ですが、研究生にとってはそれを人生のステージと読み代えることもできます。とにかく全ての事業が誰かの役に立ち、誰かの夢につながっていることが大切です。
このことについては、いずれまたこのブログでお話しできればと思います。

ところで、現在用いているオンラインレッスン用機材は、広角レンズを使っているwebカメラ以外の全てが、5年以上前から研究所に有った機材でした。主に音楽制作で使用してきたものです。意外にローコストでシステムを組めたのはラッキーでした。
機材のみならずさまざまな場面で、私たちは一見、新しいことをやっているような気がしても、先人の偉業や、自分たちが歩んできた道の延長線にいることに気がつく瞬間が多くあります。応用や転用から新しいシステムを組むことが出来たりします。

稽古場の先生方も、これまでの経験をもとに、知恵を絞って次々と立ちはだかる難問をまるで砕氷船の如く乗り越えていく様子は圧巻です。そして私たちは、時代をしっかり見つめながら未知なる大陸目指して前に進まなくてはなりません。
まるで「難局観測隊」のようです。

…おっと、おあとがよろしいようで。


2020年5月16日土曜日

考える、話す、歩く

相変わらずお稽古場は閉じたままではありますが、宮城県の緊急事態宣言が解除になったことを受けて、私たちはオンラインレッスンの試行錯誤を加速させ現実の世界とのハイブリッドシステムを模索しています。


このコロナ禍のあとには、新たな世界秩序が出現することでしょう。
大きな言い方をするならば、物質主義、資本主義の世界が崩れてしまうかもしれません。
きっと、その先にある「人生の意味」のようなものを見据えた仕事のスタイルが求められていくのではにかと感じています。
部屋にこもって本を読み、ネット上の世界をさまようのも嫌いではありませんが、リアルな世界があってこそそうした世界があることも忘れてはなりませんね。

今日は未来を描くために重要な友人2人と別々の時間に対談をしました。
ひとりは医師、もうひとりは音楽家。もう40年とか30年の長い付き合いのある、とても尊敬している友。
対談では、それぞれの専門分野で活躍してる立場から、多くの示唆に富んだ考え方や情報をお聞きすることができました。

そして、今日も少し歩きました。(写真は今週初めに撮った新緑の公園)


考え事には歩くのが一番ですね。
考える、話す、歩く。
なかなかに楽しい。

2020年5月12日火曜日

オンライン

友いわく、
「沈黙の春」。
確かに、そんな2020年です。

オンラインレッスンの試験運用中、突然乱入していただけるあちこちの「おうちネコちゃん」たち。


人間たちは、ステイ・ホームでストレスたまりまくりらしいけれど、最初からステイ・ホームな生活様式のおうちネコちゃんたちにしてみれば、お外のほうがストレス。その「自由なふるまい」に癒されます。

動物に学ぶこと、じつに多いですね。


2020年5月6日水曜日

【SCSミュージカル研究所名称変更のお知らせ】

 このたびSCSミュージカル研究所は「一般財団法人SCSミュージカル研究所」と名称が変わりました。
4月1日に登記し、5月1日に金融窓口の開設が完了、5月5日の子どもの日に、SCSフェイスブックページにてお知らせ致しました。
 これは、創立30周年の記念事業として準備してきたものですが、このパンデミックな状況により休業状態からの新たなスタートということになります。しかしもともとゼロからのスタートであった30年前の研究所設立時の初心を忘れず、さらに、東日本大震災後私たちの活動の軸に据えた「子どもたちの笑顔」が今こそ求められる時代に入ると確信し、新たな時代にふさわしい舞台芸術活動に夢を抱いております。
 この場をお借りして支えて下さっている関係の皆さまに感謝を込めてご報告いたしますとともに、今後も変わらぬご指導ならびにお力添えのほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。


一般財団法人SCSミュージカル研究所
代表理事  廣瀬 純


・・・という、発表をいたしました。
新型コロナウイルスという、私たちの命を脅かす思わぬ敵の出現により、先の見えない状況が続いていますが、不透明感が増すほどに、私たちは、耳を澄まして、心を澄まして、創作活動を続ける必要性を感じています。

ほんとうに多くの皆さまのお力添えによってここまで歩んでくることができました。
SCSミュージカル研究所が30年間一貫して作品の中に込めた思いは「いのちの大切さ」「生きることのすばらしさ」です。いままさに、いのちを守りながら新しい舞台芸術を生み出していく時代に入りました。

SCSミュージカル研究所は一般財団法人という法人格を持つことにより、これまで支えて下さった皆さまへの恩返しが少しでも出来るよう、より公益性の高い事業展開も視野に入れています。楽しく、希望に満ちた舞台づくりと作品の上演が、一日も早く訪れることを願いつつ、挑戦を続けていく必要があります。
私たちの挑戦が何かしらの形で皆様のお役に立てることを願って精進してまいります。
このブログ読者の皆様にもこの場をお借りしてお知らせいたしますとともに、引き続き変わらぬご声援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます!



2020年5月1日金曜日

ブルーライト・センダイ

カレンダーは5月になったのだが、この事態はまだ収束の目途がついていない模様。
そして、僕らの行く末も目途がつかない。

この困難な時代、いまこの瞬間も命を賭して医療に従事されている方々を励ますために、ロンドンで始まって、世界中に広がりをみせているのだそうだ。
Light it blue...


仙台の小中学校の休講が5月31日まで、再延長が発表された昨夜、
どうかみなさんが、必ず安全でありますように。
僕はブルーライトに染まったテレビ塔を眺めながら、そう祈った。


2020年4月27日月曜日

伊勢屋横丁

宮城県で最初にコロナウイルス感染者が出たことを受け3月1日から稽古を自粛。さらに現在は緊急事態宣言を受けた宮城県の休業要請に応じ忍耐の時間が過ぎていきます。まさか自分の人生において100年に一度のパンデミックに出会うとは…。
そんなか、外の空気が吸いたくて事務所の周囲を少し歩いたいた時(たまに通る道なのに)こんな表示があることを見つけました。
「伊勢屋横丁」。


ふと、興味がわいてスマホの仙台時間地図というアプリを使い現在地を確かめてみると、明治の時代にはまだしっかり地図にも名前が残っていたんですね。 (この地図のすごいところは、GPSを使って昔の地図上に現在位置が示される)しかもこの通りは監獄に面していました(^^;)
因みに第二高等学校というのはのちの東北帝国大学(現東北大学)です。


さて、この地図から連想するに、この通りは江戸時代に米沢に端を発した仙台藩御譜代町のひとつ「柳町」からちょいと入った横丁だったのでしょう。とするとこの辺りには伊勢屋さんという屋号のお茶屋さんか何かあったのかもしれませんね。
御譜代町は、私がプロデュースした『仙台ねこ』というミュージカルの中でも重要なキーワードになっていました。

短い散歩の途中、一瞬時間旅行をしているような感覚になり、色々と妄想しながら、ちょっぴり楽しい気分になりました。


2020年4月22日水曜日

夕暮れの時は

まだ世の中のことなど何一つ知らない中学生の時分に、はじめて堀口大學さんの『夕暮れの時はよい時』という詩を読んだ。
大正と昭和という時代の隔たりがそうさせたのか、ノスタルジックな味わいとともに、年を重ねていくことへの不思議なワクワク感がわいてきたことを今も覚えている。

さて、この2か月ほど、私の生活の中心はすっかり事務所デスクとなり、椅子に張り付いてばかりだが、意外にやることも多い。うっかりすると陽が傾きそうな時間となる。

今日もそうだ。
ふと思い出し、慌てて野暮用を済ませるべく事務所を飛び出した。


新緑が間近に迫るこの季節。やはり陽はすでに傾きかけていたが、もうすぐ街が新緑の街路樹たちで美しくなることを感じる。
あと半月もすれば一年で最も仙台の街が輝く季節だ。
けれども、令和2年、2020年大型連休直前の今日。ますます世の中がわからなくなっているが、行き交う人々の表情や景色が、私には晩秋のそれのようにうつる。まるで地球の軸が大きくずれたようだ。

せめて、空を見上げて、もうじき最高の青空をバックに若緑色を湛える街路樹たちのことを想像してみよう。
せめて、そんな木々のワクワクを私の身体に取り込もう。
と、思った。

夕ぐれの時はよい時、 かぎりなくやさしいひと時。 
それは季節にかかはらぬ、
(堀口大學)

2020年4月19日日曜日

ありもの活用

午後から私は事務所で会議のホスト役となり、ほかのメンバーはそれぞれ自宅などの場所からの参加して、いつもはみんなで一つの部屋に集まってやるSCSの「指導員会議」を今流行りのオンラインで行いました。

参加したのは役員、社員、指導員の10名。しかし会議のエンディングでは、画面を通して、赤ちゃん2名、ねこちゃん3びき、指導員の同居ご家族2名に参加していただき、思いがけず17のいのちたちが集う、たいへん楽しくにぎやかなミーティングとなりました。

一方、近頃は「にわか動画編集者」になっている私。出来るだけ出費は抑えありものを活用していこうということで、かつて音楽制作などで使っていた機材たちが動画編集でもデスクトップをにぎわしています。所詮映像は素人と開き直り手持ち機材を使って遊び感覚で楽しんでいます。
機材たちの潜在能力を知る機会にもなり、久々に引っ張り出された彼らも心なしか嬉しそう(と感じているのは私の気のせいだとは思うのですが)。


月並みながら、ありものや無料のサービスを利用して行う日々の作業を通じて、人と人とのコミュニケーションの重要性を改めて感じています。

ほんとうに大事なものごとの輪郭が、どんどんはっきりしてくる世の中になりました。