2014年1月4日土曜日

年賀お手紙

楽しみにしていた初舞台を翌日に控えた2011年3月11日。
SCSミュージカル研究所キッズクラスに所属していたあかねちゃん(9)は、東松島市で津波によって命を奪われた。

SCSミュージカル研究所の稽古始は明日からなのだが、事務所に出てポストを覗いてみると、他のはがきに交じって一通の封書があった。
早速開けてみると、あかねちゃんが小さいころに通っていたのびる幼稚園は、津波で流された園舎の「再建」に向かっているという明るい内容が記されていた。
そして、さらに手書きのメッセージが添えれていた。
幼稚園から仲良しだった親友の女の子のお母さんによるものだった。
 
その女の子は、
震災直後に偶然瓦礫の中から見つけた親友あかねちゃんの名札を、自分のランドセルに入れて、毎日学校へ通っていたという。
そしてこの春に小学校を卒業予定だと。
名札は卒業後にあかねちゃんのおかあさんにお返しするのだそうだ。


私の涙腺は崩壊した。


毎日、あかねちゃんのことを忘れずにいてくれたその子の優しい気持ちが嬉しくて、嬉しくて…
メッセージの最後は「あかねちゃん、ありがとう。という気持ちで今年も頑張りたいと思います。」で締めくくられていた。
私もまったく同じ気持ちである。そして、SCSミュージカル研究所のメンバーもきっと同じ。


あかねちゃん、
すっかり、あの日で時計は止まっていたけれど、
今年は、中学生になるんだね。
仲良しのお友達がずっと一緒に居てくれて、
ほんとによかったね。

あかねちゃん、
私たちも今年一年、あなたを忘れずに、
あなたの分もがんばって舞台をつくります。
あなたが立ちたがっていた舞台ですからね。
どうか見守っていてください。

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