2013年8月12日月曜日

うつせみ

近頃の暑さのせいか、眠れぬ夜の睡眠薬に、未だに読みこなすことが出来ない源氏物語なんぞの頁をめくる。
頁をめくると言っても、近頃はiPadのバーチャルな頁めくりであるが(笑)。夜中に光る画面を見る読書。紫式部もビックリのスタイルだわな。
たまたま昨夜出くわしたのは空蟬のところ。
そういえば、先日の公演「繭姫」でも、うつせみって曲歌ったなぁ。とか、サンフランシスコでこの曲を録音しようとした時、蝉の抜け殻のことを説明するのにとっても苦労したっけ。(米国西海岸に蝉は居ない)
などと、思い出しつつ眠りに落ちた。

しかし、窓を全開で寝ていたが、やっぱり暑さで何度か目が覚めた。
そんな暑苦しい夜が明けて、
今日は、血税の支払日。
うつせみは現し身、生きてるということ。
生きてるだけで金がかかる。あぁ、それにしても税金も、社会保険料も高いなぁ!
…ぢゃなくて、オペラ集中稽古最終日。
さて、出かけたその大学敷地内の木から、
はっきりと蝉の声。
オペラは「こうもり」だが、その時の僕の興味は「セミ」。
そっと近づいてみた。

木陰に見つけた、声のヌシ。

さらに見つけた! こ、これは。

なんたる符号。


空蝉の 身を変へてける 木の元に
なほ人柄の 懐かしきかな
(光源氏) 

空蝉の 羽に置く露の 木がくれて
忍び忍びに 濡るる袖かな
(空蝉)

0 件のコメント: