2013年8月22日木曜日

惜夏

やはり、存在しなかった。
そんな単語。
パソコンで変換候補に出て来ないなって、ググってみたら「惜夏」なんて単語は無いらしい。
「惜春」はあるのにね。

昨夜、仕事がらみの飲食の後、地下鉄に乗ろうとしたら、頭上の満月と目が合った。


「そうか、この夏最後の満月だな」

目があってしまったからには、一緒に歩くしかない。
東二番町をひたすら歩いた。
彼女は道に沿ってずっとついてくる。
そして、隠れもせずにずっとこちらを見つめ続けていた。


今朝は事務所近くの片平キャンパスを歩いた。
ミンミンゼミ、ツクツクホウシ、アブラゼミ…


セミが必死に鳴いている。
いや、しゃべっているように感じた。

「もう夏も終わりだな」

青い空と、灰色の雲が半分ずつの空を見上げて
そう思った。

昨夜から今朝にかけて
「惜夏」って気分だったのにそんな単語は無いのである。
だがそこに、何かステキな創造の源泉が隠れている。

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