七ヶ浜には夕方にお邪魔することが多い。
しかし今日は日中のレクチャー。天気も良かったので、大好きな菖蒲田(しょうぶた)浜に立ち寄れるチャンスだ。少し早めに事務所を出た。
予想通り、海はどこまでもおだやかで、
優しげな表情を見せていた。
浜辺ではカップルが子犬と遊び、若いグループがBBQの準備をしている。
まったくもって平和な光景。
しかし、少し目線を移せば、
津波で破壊され、応急処置が施された堤防。
震災前からあった「津波避難経路」のサインがしっかりと読める。
そして、道路と海岸の間には新しい堤防の建設が進んでいる。少し離れたところからでも見上げるほどの高さだ。
あの日の爪あとは、まだあちこちに見られる。
避難経路を示すたて看板は、折れたまま。
青空に突き刺さっているように見えた。
住宅密集地であったこのあたりは、青草が生い茂っている。
間もなく、この草たちも枯れて、茶色の景色となるのであろう。
被災地は三度目の秋を迎えようとしている。
そんな中で植物たちは、あたりまえのように営みを続け、
壊れた塀の間で、可憐な花を咲かせていた。
花を見ながら、どこまでも諦めない彼らの逞しさを感じていた。
大好きなこの町に、私の出来る範囲で、
少しずつだけれど、自分の時間と力を注いでいこう。
そう思った。
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