2021年11月22日月曜日

刹那の彩り

週に一度担当している郡山での講義を終えて、大学の敷地を出ようとしたとき、赤い色が目に留まりました。

手前が椿で奥が楓でしょうか。

若く瑞々しく、滾るエネルギーを感じる赤、一方、枯れて落ちようとしている赤、同じ赤でも立場の違う色合いに、しばし見入りました。

 


落葉樹は葉を落とさなければなりません。花は咲かなければ種子をつくれません。どちらも彼らにとっては大切な、いのちをつなぐ行為です。そして、それぞれの一生の、とある刹那に、それぞれに美しい彩りを見せてくれます。

これらの赤い色が見えなくなると、いよいよ本格的に冬がやってきます。言い換えれば春に向かう準備の季節です。

自然は偉大な、最高の先生です。


2021年11月17日水曜日

おかげさまで無事に

 七ヶ浜ミュージカルの20周年を記念して上演された『七つのはまのいき物語』
おかげさまで、無事に4回公演終了することが出来ました。


 

写真ではわかりにくいですが、客席通路に面した席は使用不可とし、さらに1席ずつ間隔を空けて客席をつくって、お客さまをお迎えしました。

換気は劇場の換気能力を3倍まで上げていただき、もちろん入場時の検温、毎回の客席消毒も。細やかで慎重な感染予防対策を施して頂いた主催者の皆さまのご尽力に心から感謝申し上げます。

さらにチケットはLINEチケットのシステムを活用していただき、販売から入場まで非接触型のチケット扱いが可能となりました。初めての経験でしたが、入場時の混乱などなくスムーズな入場をしていただくことが出来ました。 




これは見せ場のひとつ。ゲネプロ時に私が撮影したものです。演出的にはネタバレですが(笑)

写真のように、ホリゾント幕を開くと、美しい七ヶ浜の海が見えるという素敵な劇場。
震災前からずっと見ているこの角度からの町。
震災前、震災直後、そしてあれから10年を経た景色。

瞼の記憶も一度に飛び込んでくる感じがして、何だか涙が自然に出てくるのでありました。

たまたま当日県外から七ヶ浜国際村を訪れて面白そうとチケットを買って観たというお客さまから、帰りにとても感動して、泣けた。皆さんとてもお上手でびっくりしたとお声がけ頂き、20年間のNaNa 5931の皆さんの努力の果実を頂いたような気分になりました。

今回の公演においで頂いた全てのお客さまに、この場をお借りして心から御礼申し上げます。

2021年11月9日火曜日

いよいよ実現

 この一週間は、舞台を使わせてもらってのリハーサルが続いている。なんともぜいたくな環境である。

ミュージカル『七つのはまのいき物語』の舞台となる七ヶ浜国際村ホール。なんと舞台の奥、すなわちホリゾントの向こうにはこんな景色が広がっているのだ。さらにぜいたくな環境。



20年以上通っているこの場所とこの景色は、もうすっかり自分に馴染んで、実に癒される。 いつまでも眺めていたい。

しかし、10年前はこのアングルで、画面の左手には山があって、その向こうの海岸沿いはまだ瓦礫の山で茶色い光景が続いていた。

私は、そのことも同時に思い出す。

震災後、この町の人たちと劇場の灯火を復活させたように、コロナ禍でも負けずに、みんなの知恵と力を寄せあって、昨年実現出来なかった公演を、いよいよ今週末に実現させる。

皆の心は、この海の向こうの空のように晴れている。