2018年1月31日水曜日

湯けむり

湯けむりの中に、
ぼーっと居ると、

頭が空になっていくのを感じます。


もともと容量の少ない頭ですから、
空になるのも早く、
そうすると、
何か詰めておかなくちゃ
という気にもなります。

これはきっと、
「リフレッシュした」という現象なのでしょう。

@沢乙温泉(宮城県利府町)にて。

2018年1月30日火曜日

映画館

映画館の思い出と言えば、生まれ故郷の米沢にあった映画館で、小学校の頃に観たいくつかの作品とそのポスター。
昭和40年代のころ。通学路にあったたばこ屋の軒下には市内の映画館ごとにポスターを張るスペースがあって、上演中のものや、次回封切のものなど、なかにはちょっとセクシーなポスターまで、ベタベタとノリで張り付けてありました。

今思えば、親が訝るのを横目に行った映画館の中は、薄暗いことはもちろん、いつもたばこの匂いと軽いアンモニア臭がありました。また、今のように入れ替え制ではなく、作品上映の途中入場OK。明らかに朝からずっといるような学生風の方や、腕組みしたカップル(アベックともいう)、映画ファンと思しきおっさんが、1本終わっても居眠りしていたり。決して健全な雰囲気ではありませんでしたが、その妖しさが子供心に、大人の世界を垣間見るような気持になったものでした。

さて、いまの私はと言えば、映画を見るのはもっぱらタブレットやPCの画面。いわゆる「銀幕」には少々疎遠になっておりました。せっかくの映画もPCで観ると単なる動画の一種と化してしまうようで、少々物足りなく感じてしまうものです。
しかし昨日、突然映画館で観る機会を得て、鑑賞したのが『祈りの幕が下りるとき』。
久々の大画面!


結論から言うと、不肖ヒロセ純、無防備な観客と化し、この作品の素晴らしさにただただ感動。久しぶりに、もう一度見たいと感じた実によい映画でした。
阿部寛さんの存在感と演技はいわずもがな、印象的だったのは、少女役で登場する桜田ひよりさんの演技。これは世の父親たちの心を鷲掴みにして涙の海へ沈めるのではないかと思わせるものでありました。
一方、阿部寛さんの父親役を演じた山崎努さんが、余命を悟った病室の窓に浮かぶ月をみて付き添いの看護師に「あの月になれば(のところへ行けば)息子のことををずっと見ていられる、しかし息子には内緒だ」というシーンがありました。

映画を見ながら私は、母が亡くなる数日前に「純、おかあちゃんはもうこのからだはいらないよ」と私に言ったことを思い出しました。
何となくその時私は、母はどこに行くのだろうと感じていたことを思い出しました。

もう故郷の米沢には街なかの映画館も母もありませんが、今夜あたり、月を見たら、いろいろと思い出してしまいそうであります。

2018年1月27日土曜日

牡蠣

門外漢ながら、今日は午後から「かきフォーラム・イン・仙台」(主催:一般財団法人かき研究所)というシンポジウムに参加して、牡蠣についてのお話を伺う機会がありました。

不肖ヒロセ純、内陸の山育ちですから、子供の頃に「牡蠣」は特別な食べ物でした。年に何度か(おそらく家計に少し余裕のあるような時)、母がカキフライと自家製のタルタルソースをつくってくれたことは未だに忘れられません。
大人になってから、即ち仙台に住み始めてからは、牡蠣はかなり身近なものに感じられるようになり、さほど特別なものとは思っておりませんでしたが、今日のフォーラムに参加してみると、非常に興味深い話題が続々。


特に印象深かったのは、かのジュリアス・シーザーが「宴席にカキを欠かしたことがない。5ダース(60個)は軽く食べる」とか、カキは一日に(1個体で)400リットルの海水を飲み込むとか、カキの安全性と食中毒に関する正しい知識、そして冒頭の森理事長のお話にちらと出てきたサンゴ礁ならぬ「カキ礁」という単語も初耳ながら、カキの海水浄化機能のすごさを想いました。


客席で先生方のお話を伺いながら、ふと、思い出したエピソード。
SCSの作品でもお世話になっている作曲家の上田亨さんが駆け出しのころ、師である池辺晋一朗先生に「先生、音楽家にとって一番大切なものは何ですか」という質問をされたときに、池辺先生は「上田、そりゃ、音楽以外の事だよ」とお答えになったとか。

牡蠣のお話から、私の頭の中ではいつしか自分の舞台づくりや音楽制作のアイディアと融合しそうになっている牡蠣たちが生まれていました。大変よい刺激をいただきました。「ミュージカル以外の事」、大事ですね。

牡蠣はおいしい。
ああ、食べたくなりました。


2018年1月25日木曜日

ぽつりぽつり、ざくりざくり

昨夜は、しょっちゅう顔をあわせるものの、なかなかゆっくりとお話しする機会のない、少し年下の友人S氏と、数年ぶりに食事をともにしました。
彼が気に入っているレストランのオーナーシェフが、偶然にも私の知人でもありました。
そんなご縁で、これまた数年ぶりに私もそのお店へ。

腕利きシェフの栗原さんは、我々の好みをすこし聞くと、さっと厨房へ戻り、あっという間にすばらしい料理を次々と繰り出してくださいます。
S氏との愉しい会話と、シェフのあったかな雰囲気で、今季最高の冷え込みといわれた仙台の夜を、ほんわりとした気持ちで過ごすことができました。


お店を出て地下鉄駅までの道、互いに会話の続きをぽつりぽつり
天候のせいか、いつもより人通りの少ない県庁裏通り。
ふたりの靴の底からは、会話に混じって、ざくりざくりと氷のつぶれる音が、ビルの谷間に響いておりました。

2018年1月23日火曜日

雪の日に想う

タイトルからすると、ロマンティックなことを考えたのではと思われる方もいらっしゃるかな。

さて、昨日からの大雪。飛行機が欠航したり、電車が運休したり、何しろ、東京の電車ホームへの入場制限の映像は結構衝撃的でしたね。
それで想ったのは、おそらくその日に帰宅する人の数は普段と変わらないのだけれど、一斉に帰ろうとすると、こうなるんだなぁということです。

東京のような大都会では、いつもこういう大混乱、パニックの要素をはらんでいるということがよくわかりました。仙台(人口108万)でも、ご覧の通りの大渋滞。みんな一斉に帰ろうとすると、朝のラッシュ時を超える混雑となります。おまけに雪道運転でみんなトロトロ。


カーナビの画面も渋滞で主要道路はほとんど赤く染まっています。


車で市内を5キロメートルほど移動するのに、1時間近くかかりました。こりゃ歩くのと変わらない?(笑)

しかし、こんな状態の時に、あの時のような地震や津波が襲ってきたらと思うとぞっとします。その確率はゼロではありません。
そんなわけで雪の日に想ったのは、渋滞で動かない車の中で、防災について。
せめてガソリンはいつも満タンにして、毛布やスコップを積んでおかなくちゃ。



2018年1月22日月曜日

こまぎれなOFF

最近はちょっと時間を見つけると、お湯に入りたくなります。

このブログ記事でも温泉ネタがあまり出てこなかったように、2年ぐらい前まではこんなことはありませんでした。温泉にそれほど興味がなかったからであります。しかし、3時間ぐらいまとまった時間があると、最近はウズウズします。
温泉マークの場所がとても気になります。

こまぎれなOFFの時間も、仙台では車で片道1時間半以内の場所に、このあとの私の人生には十分なぐらい(笑)の温泉マークの場所がありますから、すぐに行動。

今日もそんなワタクシが「川渡温泉」の旅館内に見つけたポスター。
そういえば、昔何かのCMで♪24時間闘えますかぁ~ジャパニーズ・ビジネスマンなんて曲がありましたね。


しかし今日の私はどんなものとも戦ってはおりませ~ん。脱力して湯舟に浮かんでおりました。

湯舟で目を閉じていると(温泉に浸かっているお猿さんのイメージ)いろんなことが頭の中で整理されていくのを感じます。
同時に様々な発想がわいてきます。
色々なことをやりたいという気力に満ちてきます。
こういう感覚は自宅の風呂ではほとんど起きません。
温泉効用のひとつでしょうか。

あえて、仕事から遠ざかるというのも自分を客観視するのに良いようです。
今後も、こまぎれなOFFの有効活用していかなくちゃ(笑)

2018年1月21日日曜日

粛々と着々と

一見すると冬枯れの、
いつもの散歩道。

けれども、桜の木の下を通るとき、近づいてよく見ると、
「あら、枯れてなんかいないわよ」
 という声が聞こえてきそうなのでありました。


乾いた厚い枝の皮、その下では、蕾の蕾のようなものが顔を出しそうです。
じっとして見える、こういう時期も大切なんだ。
風姿花伝のある一節を思い出しました。
粛々と、着々と美しい花をつける準備が進行しているのですね。

見習わないと。


2018年1月20日土曜日

学生寮

仙台の中心部を流れる広瀬川。
そこに架かる幾つかの橋のうちの一つ「牛越橋」近くに「仙台興譲館寮」があります。
私が学生時代にお世話になった寮ですが、当時はもう少し下流の淀橋(よどみばし)寄りにあって古びた木造の建物でした。現在は鉄筋の立派な建物になっています。

今日はその寮の新年会にお招きいただき出席して来ました。
世代の違いはあれど同郷である学生たちと酒を酌み交わしながらの語らいは懐かしさと楽しさが交錯する、豊かな時間となりました。

同郷といえば、新年会に参加する前の時間には劇団わらび座さんの『ジパング青春記』というミュージカル初日を観劇。劇中では米沢生まれとは触れられていませんが、伊達政宗公や支倉常長が登場しておりました。

興譲館は、伊達氏が去った後の米沢で上杉鷹山公に由来する藩校に起源を持つ学校です。現在は山形県立米沢興譲館高等学校という名前になっています。仙台興譲館寮は米沢とその周辺地区出身者などで組織する公益社団法人米沢有為会が管理して、学生が運営する自治寮です。
不肖ヒロセ純、この歳になっても、この学生寮で過ごした経験が役立っていると感じることがしょっちゅうあります。
現役の寮生のお酌を受けながら、若き日の自分の姿がふと重なる瞬間もありました。

なんだか米沢生まれの方々に縁のある一日。
ありがたき一日。
よき一日。



2018年1月18日木曜日

七ヶ浜国際村に仙台フィルがやってくる(^^♪

来月、2月11日(日)に七ヶ浜国際村ホールに宮城県地方音楽会の一環として、仙台フィルハーモニー管弦楽団がやってきます。

演奏予定曲 :
バルトーク作曲 ルーマニア民俗舞曲
ベートーヴェン作曲 交響曲第7番 イ長調作品92
指揮:平川 範幸氏


そして、演奏会の最後には、七ヶ浜町のミュージカルグループNaNa5931と仙台フィルによるスペシャルな曲が披露されます。

当日NaNa5931のメンバーが歌う予定となっている曲は、
『KIZUNA』(作詞・作曲 ヒロセ純)

これはちょうど10年前の2008年に同じ国際村ホールで初演された七ヶ浜ミュージカル『KIZUNA』のタイトル曲です。翌年には自分のCDにも2番の歌詞を加えあらためて収録しました。3.11以降は、図らずも私のバンド(JUN_haevest)へのリクエストが増えた曲でもありました。

不肖ヒロセ純、自分の曲をオーケストラアレンジしていただくのは初めてのこと。どんな感じのサウンドになるのかなぁ。しかもそれを仙台フィルの演奏で、NaNa5931メンバーに歌ってもらうということは、大変にありがたく光栄に感じております。
当日の演奏がとても楽しみです。

みなさま、海のそばの劇場で奏でられる仙台フィルハーモニー管弦楽団の素敵なサウンドを味わいに、2月11日は是非七ヶ浜国際村へ足をお運び頂ければ幸いです。

お問合せ
七ヶ浜国際村事業協会:022-357-5931

因みに下記動画は『KIZUNA』コンポーザーバージョン(by JUN_harvest)




2018年1月17日水曜日

愉しい時間を持つために

一月も半ばを過ぎますと、さすがに正月気分も抜けてきて、正月気分が恋しくなってまいります(笑)
そんなわけで、昨日は仙台市のお隣り利府町で日帰り温泉。
小一時間ほど湯に浸り、


その後、さらにお隣の塩釜市へ移動。尾島町というところにある「ぐら」というお店。そこで20名弱が出席した「新年会」に参加したのでありました。
会場は豪快な焼肉パーティーといった様相。あたかも「新年気分納め」という感じで、飲んで食べて、皆さんおなかも大満足。


思えば私、昨年あたりからは特に「愉しい時間を持つために」お仕事させていただいている感じが強うございます。そうすると、すべてのお仕事がさらに楽しく感じるのであります。

フロイトは人生にとって大切なことは何かとの問いに「愛することと働くこと」と答えたそうですね。私もその考えに大いに賛同しておりました。
しかし、震災後、この言葉はとても重いものとなりました。なぜなら私の周囲にその2つ、すなわち愛する人と仕事の両方を失った人がいたからです。
震災を経て、私には「生きる目的は何か」という問いがさらに大きくのしかかってきました。海沿いの町で、仲間たちとの愉しい時間のあと、仙台に向かう空席の目立つ電車の中で震災直後数ヶ月の想いが胸の内を去来しました。

しかし、お酒も入っていましたから、あまり難しいことは考えられません。
ぼーっとした頭のままでいると、いつのまにか電車は終着駅の仙台に到着していたのでありました。

2018年1月16日火曜日

リフレクション

北側の窓からおてんとさんの光が差し込むなんてことは、ふつうはないですよね。
しかし、最近オフィスの北側の窓から昼下がりになるとちょうどよい光が差し込んで、気持ちよいのです。

斜め向かいに出来た高いビルの側面に反射した光がオフィスのガラス越しに差し込んできます。100パーセントのリフレクションではないようで、光量がいい塩梅になって手元に届きます。


本を読んだりするのも、良い感じのあかりで気分上々。


しかし、これがね、昼下がりでありますから、ぽかぽか気持ちが良くて、眠くなってしまうのがちょっとね(笑)

2018年1月15日月曜日

翻訳しにくい

私の生まれ故郷の米沢。
今朝の最低気温が氷点下16.1度だったそうです。
思わず父に安否確認の電話を入れました(笑)

さて、話が突然飛びますが、そんな日本で使われている日本語。

「いただきます」
「ごちそうさまでした」
「よろしくおねがいします」
「もったいない」


日本語には外国語に翻訳しにくい言葉がいくつか存在します。
もっとも、その逆もたくさん例があると思います。
浅学の身ゆえ予めお赦しいただき誤解を恐れず申し上げれば、こうした外国語に訳しにくい言葉にこそ、日本らしさが隠れているように思うのであります。
そして、この日本らしさを世界に伝えることが、私たち表現活動にたずさわるものたちの使命のひとつのように感じています。

たとえば「よろしくおねがいします」。昔、私たちがカナダのトロントにある劇場で自分たちの作品を上演するときに、現地の劇場や技術スタッフの皆さんに対して出演者とともに「よろしくおねがいします!」とあいさつしたところ、うまく通じなくて苦労したことがありました。
返ってきた言葉が「そんなこと言われなくてもオレたちはプロだからちゃんとやるよ」という内容だったと記憶しています。

「よろしくおねがいします」には、こちらがへりくだって、相手をたてる、リスペクトの意味がふくまれています。また、相手の胸をお借りします、技術や力をお貸しください、私たちはしっかり取り組みます、という依頼や決意も含まれることがあります。
翻訳しにくいですねぇ。

しかし、それらの言葉は「声に出す」ことで身体に入り込んでいくものです。ある条件(状況)をそろえて、声に出すことで、先に述べた日本らしさ、日本人らしさを身につけていくことができます。と同時に、こうした表現することが世界に存在する様々な人的もしくは多国間との摩擦を軽減し、ユニバーサルな感覚となることを目指すべきであると考えます。
インターネットやAIの発達がどれほど加速しようとも、子供たちが日本人としての矜持をもって、世界へ羽ばたいてもらえるように、こうした翻訳しにくい言葉たちに注目し続けていきたいと思います。

したがて、今日もお稽古場ではキッズクラスをはじめとして、すべてのクラスで「あいさつ」を重要視しています。

「よろしくおねがいします!」


2018年1月13日土曜日

お稽古場以外で

事務所にて。
今日は米国からやってきた方、取材の方、中学受験合格を報告に来てくれた方、初孫を連れてきてくださった方、県外からご年始をお持ちくださった方…お客さまの多い一日でした。
 その合間に、仙台や七ヶ浜の稽古場で子どもたちが持ってきてくれた読書感想文や日記に目を通します。


日記や感想文を書くということ。これは一見ミュージカルとは関係のないように思われるのですが、そうではありません。観察力や読解力は、ダンスにもお芝居にも歌にも、とっても必要で大切なちからです。お稽古場以外で培われたそれらのちからは、ミュージカルのお稽古場にフィードバックされていきます。
今は気づかないかもしれないけれど、それは時間とともにじわじわそれがわかってもらえることでしょう。

持ってきてくれたノートを読んでいると、子どもたちの感性にこちらが感心することが多くあります。読んでいるだけでこちらが楽しい気分になってきます。
ありがとう。
出来るだけコメントを書き入れて各人にお返しします。

写真展は明日まで

昨年11月に上演された七ヶ浜ミュージカル『どこでもないここ』(作・演出・振付:梶賀千鶴子、音楽監督:上田亨)の写真展が、七ヶ浜国際村ギャラリーで開催されています。


本作品は、プロデュースと音楽で関わらせていただきましたが、すべての場面を見ているわけではないので「あの時間に、ここではこんなふうになっていたのかぁ」と、いろいろな角度で撮影された写真の数々に関心しきり。


また、館内では「北洋漁業と3.11~七ヶ浜の漁業と3.11」という特別展示なされていて、大変興味深い内容のものでした。
拝見したのはちょうど11日でしたから、あれから6年10か月か…と個人的にも感慨深いものがありあました。
展示は明日14日まで。


2018年1月10日水曜日

お粥

お粥が好きである。
小学校1年生ですでに胃潰瘍と診断されたことのある不肖ヒロセ純。ゆえに小さき頃からお粥には縁がある。愛情込めて作っていただいたお粥が一番に決まっているが、近頃はコンビニなどで売っているお粥もなかなかイケル。事務所でも簡単にお粥を頂けるよき時代になった。


幼少の経験から、お粥は家で作ってもらうものという先入観があったが、昨年11月末に2泊3日で出張した台北では、ホテルの向かいにあるコンビニ(ファミマである。台北市内ではセブンとファミマがたくさんある。)の脇で早朝から屋台のお粥を販売していた。お粥は野外で売るものらしい。ちょっとしたカルチャーショック。


バイクに乗った方やサラリーマン風の方など、通勤途中と思しき方々が次々とお粥を買い求めている。同行の税理士Tさんの勧めもあって、私も一杯買ってホテルに戻り頂いた。
実にうまい。コメは日本のものとほとんど変わりはなく、トッピングは豚肉を煮込んだものらしいが、その味も日本人には馴染みやすいものであった。
価格は日本円で200円ちょっと。これで、十分におなかがふくれる。


ホテルの窓からもちらと屋台が見えるのだが、結構人気だ。ご夫婦らしいお粥屋のお二人の醸し出している味なのであろう。ここで商売初めてどれぐらいになられるのかなぁ、これまでどんな人生を歩んでこられたのだろう。お客さんは常連客が多いのかな…。一杯のお粥から妄想が膨らむ。台北に住む人々の日常にちょっぴり触れたような気分であった。

おふくろの味にはじまって、人生においてはいろいろな味の記憶が生まれるものであるが、幼いころの「食べられない」記憶のせいか、食べ物と幸福感が私の中で一体となることが多い。
人間はだれしもいつかは「食べられなくなる」日がくるもの。レトルトお粥のパッケージを眺めつつ、一瞬脳裏に台湾の味がよぎった。食べられるという当たり前に感謝をしつつ、また台湾で美味しいものを食べる機会に恵まれるようにと願った。

2018年1月9日火曜日

うつむいていちゃぁ虹と出会えぬ

移動の途中、うっすらとした虹と出会いました。
それは、私のとても 近くから伸びていて、
子どもの頃にこんな虹を追いかけたことを思い出しました。
田んぼのあぜ道を自転車で、どこまでも。
気が付くと、その虹は消えてしまっているのでした。


You'll never find a rainbow if you're looking down… Charlie Chaplin


 

2018年1月8日月曜日

偶然の山形産

このお正月は基本的に読書三昧の日々でありました。
その合間を縫って(笑)兄さんのところへ新年のごあいさつ。
ちょうど兄さんは、とある方から成島焼のぐい飲み(和久井仁泉作)を頂いたところだったということで、 私が米沢で手に入れてきた日本酒をびちび飲み比べしつつ一年の計を語りあう時間となりました。



山形のぐい飲みで山形のお酒。
何とも偶然の山形。しかも置賜地方の産物。
そして肴は兄さんの故郷塩竈の海の幸。
お酒はあまり飲める方ではありませんが、時に愉しい時間の演出には重要なアイテムとなるものです。


2018年1月7日日曜日

歓声

明日は「成人の日」だそうですが、仙台市では一足早く成人式が行われました。
式に出席したSCSミュージカル研究所研究生が事務所にあいさつにきてくださいました。


中には幼稚園の頃から一緒にお稽古場に居た子もおりますから、不肖ヒロセ純、もう親も同然の気持ちで、その成長ぶりに感慨ひとしお。

私たち事務所スタッフにご挨拶いただいた後、さっそくお稽古場にも登場!
但し、男子は女子の晴れ着にあわせ舞台衣装に着替えて(笑)

華やかないでたちの新成人の5名は大きな歓声に包まれました。
子どもたちも、ふだんお稽古場で見るおねいさんおにいさんとは違う雰囲気に目を丸くしっぱなし。


稽古場に居合わせたみんなは大きな拍手で成人の皆さんの新たな門出を祝いました。
各人も、成人した抱負を一言ずつ立派に述べてくれました。


おめでとう!
新しい人生の門出、これから歩むその道に多くの幸がありますように。

2018年1月6日土曜日

おけいこはじめ

本日からSCSミュージカル研究所のお稽古初めでした。
まずは午前中の土曜キッズクラスから。


みんな元気一杯ですね。
そして、午後からはプライマリーコースに続きマスターコースの面々。


今年一年の活躍が期待されます。


それから、SCSリーディングマラソンの告知もさせて頂きました。
みんなたくさん本をよんでくれるといいなぁ。

2018年1月5日金曜日

音について

我が事務所は本日が仕事始め。
年頭のあいさつ、今年最初の会議を終えると各自それぞれの仕事を開始しました。

前回のブログ記事で音について触れました。関連して振り返れば、昨年は『仙台ねこ』における生演奏の評判が大変良いものでした。
いわゆる「打ち込み」による音楽も面白いのですが、生の音には演奏家による表現がぎゅっと詰まっていて、聴くものを圧倒することがあります。

さて、本日の事務所に「これ純さん関係のものみたいですよ」と梶賀センセが事務所に持ってきてくださった紙袋。故梶賀チイ子さん(SCSミュージカル研究所設立発起人、2017年11月22日没)の遺品だそうですが、袋には新聞の切り抜きや20年以上前の公演パンフなどがいくつか入っておりました。
国体や、歌津町でのミュージカルの記事、河北抄でSCSが取り上げられた時のもの2点ほど。チイ子さんはSCSの設立発起人として、こうしてずっと陰で情報収集しつつ、アドバイスをくださっていたことがうかがえます。
その中に見つけたのがこの新聞記事。


20年以上前の新聞記事ですが、音楽でもどんどんデジタル化が進んできたころ、できるだけ生の音で録音した贅沢なCDです。録音にかかわった日本人は私一人。他は全員日本語のわからない方々(笑)。録音からパッケージまですべて米国で行い、形としては逆輸入したものです。


『Secret Plan』とタイトルしたこのCD、プロデュースはスコット・マシューズ氏。 録音に際して、ピアノは、プロデューサーのスタジオに100年近く前のものを引き取ってオーバーホールして使ったり、ギターや弦楽器はもちろん、民族楽器や創作楽器も本物をふんだんに使いました。全編でピアノを弾いたのがヴィンス・ウェルニック氏。彼は80年代から90年代にかけてグレイトフルデッドのメンバーとしても活躍した(残念ながら2006年に亡くなっている)リリカルな鍵盤奏者。

また『EVERY TIME』という曲のバックで歌っているのはヒューイ・ルイス&ザ・ニューズのヒューイルイス氏(映画『バック・トゥ・ザ・ヒューチャー』のエンディング曲を歌った方)。

ジャケットデザインはプレイリー・プリンス氏、彼は、ジャーニーの創設メンバーの一人でもあり、トッド・ラングレンや、ブライアン・イーノ、トム・ウェイツ、XTCなどのバンドでドラマーとして活躍する一方、グラフィックデザイナーとしても有名。そんなわけで中身もなかなか奇抜なレイアウトになっていたりします。

今年は、昨年にも増して音を大事にした舞台づくりを心掛けて、皆様にさらに楽しい舞台をお届けできればと思っています!


追記:この記事をお読みになった方から早速問い合わせがありました。
このCDまだ少し在庫がございます。
ご興味のある方は下記までご連絡ください。

SCSミュージカル研究所
電話:022−224−7051
メール:info@scsmusical,com (←カンマはドットに直してください)

2018年1月2日火曜日

月を見つめる

元日の夕刻。
実家で雪片付けなんか少しやっていたら、今年初めてのお月さまと対面した。


スコップを雪の山に突き刺して、しばし見惚れた。

ご来光もありがたい、しかし、見つめるには太陽はまぶしすぎる。
その点、月はいい。ずっと見続けていることができる。
特にこんな大きな月の晩には、見上げながらしばらくすると、
地球も宇宙空間に浮かんでいるんだと実感できてくる。
宇宙に浮かんでいる感覚になってくる。
時空まで超えられそうな気分だ。
けれども、「想像」は実際に見たものがベースになっている。
あの月の裏側を地球から肉眼で見ることはできない。
ふと、見えているものの危うさを想う。
本当は丸くないのかもしれない(笑)
などと妄想は膨らむ。

小学6年の時に聴いたピンクフロイドの『狂気』(The Dark Side of the Moon,1973)というアルバム1曲目(Speak to Me)のフレーズが浮かんできた。歌が入ってくるあの辺りのフレーズだ。
脳内に音が加わると連鎖的にいろんな想いがこみ上げて、頭蓋骨の中を交錯する。
生まれてから一番古い記憶から今までの、風景、匂い、ことば、声、体温…

考えてみれば「月の光」と思っているあれは、実は太陽の光を間接的に見ているのだ。
その光のなかに、もう会えなくなった人もいるのだろうか。

震災後、月を見つめる時間が長くなった自分に気がつく。


2018年1月1日月曜日

平成三十年

あけました(^_^)
おめでとうございます。

何だかあっという間に平成が30年も経ってしまったという感をもつ昭和世代の不肖ヒロセ純でございます。
駄文ながらも今年も元気に記事をしたためていけれればと存じます。
本年も当ブログのご愛読のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。