2016年8月31日水曜日

カジカ・メソッド

来年8月に上演予定の『仙台ねこ』
稽古開始からちょうど1か月がたちレッスンプログラムにも少し変化が見えてきています。

今週は皆さんの「声」を見せて頂く時間でした。声を見るなんて、変な言い回しですね。見せてというよりも「声を魅せて」と表現した方がよいかもしれません。

テキストには、日本の文豪による「猫」をモチーフにした詩が2編。
梶賀先生と私で1篇づつ選びました。
というのも、梶賀先生も私も、その昔、日本文学と英文学とで、分野は異なるものの「詩」を専攻しておりました。詩を読むことには、深い思いがあります。

ミュージカルは、その名が示す通り、まず音楽つまり歌が必須です。歌には歌詞、即ち言葉が必要です。今週のお稽古場では、これから作っていくミュージカルについて、梶賀先生の「ことば」に関する取り組みと、出演予定者の表現修行について、短いレクチャーを交えながら、男性、女性、子どもたち、とグループに分かれてレッスンが進められました。



俳優や身体表現のレッスン手法には、スタニフラフスキーやシュタイナーなどの先人が編み出した手法や、一流ダンサーが生み出したレッスン方法など、あまた存在しています。それぞれに深く、興味深いものです。
一方で、ミュージカル『仙台ねこ』を創り上げるためには、舞台経験のない方も含めて各人の個性を引き出しつつ、作品を表現できりるよなレッスンプログラムが必要です。新しいものをつくるには、先人たちの偉業にリスペクトしながら、いつも新しい試みをし続けなければなりません。
どこにもそのプログラムのひな形はありません。プロだからといって出来るものでもありません。
しかし、『仙台ねこ』のお稽古場においては、梶賀先生が日本の創作ミュージカルづくりの草分け的存在として半世紀以上にわたる膨大な経験から編み出してきたカジカ・メソッドがあります。そのメソッドでプロもアマも交じった出演者たちを、稽古場から未知の世界へ連れ出してゆきます。

今週も、レッスンを受ける皆さんの目の輝きが印象的でした。ここにいる皆さんと1年後にどんなオリジナルミュージカルの舞台を創り上げることが出来るか、制作を預かる者として、今からワクワクいたします。

※「カジカ・メソッド」については、何らかの形にしなければと感じています。しかし私一人では、あまりに力不足であり、それを実行するにふさわしい才能と経験をもつ方々とチームを組む必要があると考えているところです。いずれこのブログをお読みになっている貴方のご協力のお願いに参上するかも(笑)

2016年8月30日火曜日

用心用心

珍しく東北地方に向かってくる、迷走台風10号。
念のため。
事務所の窓ガラス、稽古場への浸水対策など。
用心、用心。
まぁ、気持ちの問題ですが。


東日本大震災から2000日。
防災の事を考えながら、各地の台風被害が、少ないことを願う。
今日のお稽古は全てお休みにして、社員以外は全員昼に帰宅命令。


2016年8月29日月曜日

ちょっと一息

まるでハワイにでも行くような格好ですが(笑)
みなさ~ん、お元気ですか~?


先日の七ヶ浜国際村にて。
実は、国際村に伺うときは、私が楽屋を使わせていただくことはほとんどありません。しかし、今回は町の小学生全員向けの「前説」の役割を仰せつかったせいか、楽屋が準備されていました。しかも、氏名表示板をきれいに飾っていただいて。

おちゃめなスタッフの皆さんの対応に、こちらもテンション上昇!
ちょっと一息、ポーズをとってみたりして。
終始楽しくお仕事させていただきました。

国際村スタッフの皆さまのホスピタリティに感服。



2016年8月26日金曜日

アクセント

仙台には、昭和チックというか不思議な感じの横丁がいくつか残っています。
しかし、そうした横丁も少しづつ変化があります。

仙台の中心部、一番町にある私の好きな「文化横丁」や「一弐参(いろは)横丁」も、昔はその周辺には大きな書店や、学生などが安い金額で観られる映画館、古本屋、それから多くの喫茶店、少し離れたところには不思議な宿屋などがあって、インテレクチュアルな感じと、少し猥雑な感じが独特の雰囲気を醸し出していたものでした。
20歳前後に体験していたそうした空気感は、ふとしたことで今でも思い出すことがあります。

一方、その頃、学生と言うよりはサラリーマン層が多く通っていた印象のあった「仙台銀座」。
全国にある「銀座」です(笑)。昔はかなりごちゃごちゃした印象でした。
最近、この仙台銀座の一角にある、もんじゃ焼きのお店を時々訪れることがあります。


昨夜も友人たち5人で鉄板を囲みました。
鍋を囲んだり、七輪を囲んだり、鉄板を囲んだり… 私の生活の中では、重要なアクセントになっています。 そこには必ず大切な「人」がいます。
このあたり、昔の仙台銀座とはちがって、ずいぶん空き地と言うか駐車場になってしまったところもありますね。
しかし、時代は変わっても、街の佇まいは変わっても、美味しい食べ物、人情や風情のある場所というものは、 人の記憶に残っていくものなのでしょう。
有り難し有り難し。

2016年8月25日木曜日

町内児童全員に

2001年に七ヶ浜国際村(宮城県)で誕生したミュージカルグループ
NaNa5931(ななごーきゅーさんいち)

結成から15年目に、NaNa5931は、とても嬉しい舞台を踏むことが出来ました。
昨日、町内の小学生全員に、梶賀千鶴子作ミュージカル『ゴーへ~Go Ahead』を鑑賞していただく機会を得たのです。


この作品は、2011年秋、東日本大震災の年につくられ、この町でNaNa5931により初演されました。その後、NPO法人レスキューストックヤード様、そして日本生命保険相互会社様などのご支援により、名古屋や東京(日生劇場)でも上演されて、好評を得た作品です。

今回は、町の小学生全員にご覧いただくために、午前と午後の2回上演いたしました。会場は七ヶ浜国際村ホール。ここで生まれたミュージカルが、ここで育ったミュージカルグループによって、この町の小学生全員に鑑賞していただくことができたのです。もちろん町の歴史始まって以来のことです。

上演に際して、不肖ヒロセ純は5分間の前説を担当させていただきました。NaNa5931の生い立ちや震災の事、作品のことを少しお話ししました。その後、子どもたちに交じって作品を一緒に鑑賞いたしました。
客席では、彼らの同級生や先輩後輩も出演する舞台ということもあってか、七ヶ浜の小学校3校(亦楽小学校、松ヶ浜小学校、汐見小学校)児童の皆さんの反応も、それぞれに素晴らしく、特に低学年の子どもたちの反応は、役者や私たちスタッフのやりがいを大いに刺激して嬉しくなりました。
一方、作品のクライマックスで、ホリゾントの向こうに復興中の町の様子が見える演出では、涙ぐむ先生方もおられました。

あの日、町の面積の3分の一が津波に襲われた七ヶ浜町。
まだ復興途上でありますが、2011年にこの町で生まれたこの作品が、あの日の記憶を風化させず、防災意識を啓蒙するきっかけとなれば幸いです。
歴史的な公演の瞬間に立ち会うことが出来て、大変光栄に感じた一日でした。


ひとがまちをつくり
まちがひとをつくる
わたしたちのこのまち
このまちはわたしたち

かけがえのない
どこにもない
わたしたちの
このまち

We love Shichigahama!

~♪ゴーへ(詞:梶賀千鶴子、作曲:榊原光裕)より~ 
(C)2002 Juncreation Ltd.

2016年8月24日水曜日

外は台風、しかし

一昨日、月曜日は、台風9号の通過に伴い、一時大荒れの天気となった仙台。
しかし、
旭ヶ丘にあるお稽古場には、いつもとあまり変わらない数の人々が…。
勿論我々スタッフも、舞台稽古のあった七ヶ浜町からぴちぴちじゃぶじゃぶ移動して、全員そこに居たわけですが(笑)


たどり着いてみると、欠席者のほとんどは交通機関の関係等で稽古場までの移動手段のない方々とのこと。すなわち悪天候でもこれだけ多くの皆さんが集まっていただいたというわけです。こうしたミュージカル『仙台ねこ』出演者の皆さんの熱心な取り組みには、毎週ほんとうに感心してしまいます。

熱意は、伝染します。
そして、人を動かします。


不意に

先週末の米沢。
よねざわ市民ミュージカル「伝国座」のお稽古場には、梶賀センセの姿がありました。
本来の指導日ではないのですが、メンバーにしてみればセンセが稽古場に「不意に」訪れたかたち。


しかし、センセがいらっしゃらないお稽古場でも、伝国座の皆さんは、しっかりとレッスンプログラムを進行していてくれました。あたりまえのことと言われればそうなのですが、さすがです。
こうした日々の精進は、ゆるやかに、しかし必ず良い変化を生み出していくものです。

Practice makes perfect.

ですね。

あ、蛇足乍ら、この場合のperfectは形容詞で「完全な」「申し分のない」「正確な」などという意味。「完璧」「完全」という意味での名詞形は " perfection " ですね。 したがって日本語のことわざと対応させて「習うより慣れろ」などと訳されますが、あえて直訳すれば「練習は最高の状態をつくる」といったところでしょうか。先日まで不肖ヒロセ純、文法的に少々誤解をしておりました(笑)。私も日々精進、日々勉強の修行の身であります。

2016年8月22日月曜日

かなへびさん

お稽古場で時折、子どもたちと、会話することがあります。
殆どの場合、その内容はミュージカルとは関係のない話題です。

ある時、可愛らしい小学女子Aちゃんから、自宅近くで「かなへび」を2匹捕まえて、さらに卵が2個うまれたという話を聞きました。
私は、とても興味が沸きました。
爬虫類、嫌いじゃありません。ガキの頃の恐竜趣味が体にインプリンティングされています。
何しろ、ここだけの話、私が死ぬ前に1度でいいから、鼻を突き合わせて話し合ってみたい生き物は、ガラパゴス諸島の「ウミイグアナ」なのですから(笑)。かなへびとは違って、見かけによらず彼らは草食ですが…。

そうこうしているうちに、先週、さらにビックニュース。
「純さん、かなへびのたまごからかなへび2匹うまれたよ」とのこと。
私は、
「そりゃ、すごい!みんなでかなへびさんの誕生パーティーやらなくちゃ!」
と、子どもの前で、大人げなくはしゃいでしまいました。

そしたらAちゃん、なんと、次のお稽古の時に、大切な大切なかなへびの赤ちゃんを見せに連れてきてくれました。


写真の手前はお水が入ったペットボトルのキャップです。かなへび赤ちゃんがいかに小さいかお分かりになるかと。私が仕事もそっちのけで(笑)じっと見続けていると、彼らは、活発に動きまわったり、餌を取ろうとジャンプしたり、かと思えば目をつぶって眠っちゃったりしています。
「観察」は大切です。小さい頃ファーブル先生の本で教わりました。

それにしても生まれたてのいのちは、どんな生き物であれ、かわいいものです。
無条件に可愛いのです。

私は我を忘れてずっとかなへび赤ちゃんズを見つめ続けていたのでありました。Aちゃんには、このかなへびの赤ちゃんたちを、近く彼らのお母さんが居たあたりに還してあげる計画があるそうです。

かなへび赤ちゃんたち、Aちゃんがお稽古している間の短いお預かり時間だったけれど、たのしいひとときをありがとう。


2016年8月21日日曜日

図書館にて講演会

宮城県図書館にて『魔法を捨てたマジョリン』のDVD上映会が開催された昨日。
上映に先立ち、このミュージカルの台本を書いた梶賀千鶴子センセの講演会が開かれました。
会場には、たくさんの梶賀ファン、劇団四季ファンの皆さんが集まってくださいました。


皆さん、作者本人の作品に関するコメント、ということで、非常に熱心に耳を傾けられている様子が印象的でした。


来月公演『夢現(ゆめうつつ)』チラシ

毎年上演しているSCSミュージカル研究所の舞踊劇『文芸倶楽部』シリーズ。
今年は、夏目漱石先生没後100年にちなんで、漱石先生の作品『夢十夜』からいくつかのモチーフを得て、『夢現(ゆめうつつ)』という舞踊劇を上演いたします。同時上演はご存知『DSNCE DAISUKI』。

おや?漱石先生も踊っちゃうのかしらん。
これまた夢現(ゆめうつつ)。(笑)



2016年8月20日土曜日

散歩

昨日、8月19日
西の方に少し日が傾きかけたころ
自宅の近くを散歩しました


気温は真夏ですが


草花は晩夏の風情



短い時間でしたが
娘が散歩に付き合ってくれました




2016年8月18日木曜日

小牛田まんじゅう

現在ではそんなこと誰も信じてくれないような体形(笑)ですが、小学校から高校まで剣道をやっておりました。

小学生の時に門をたたいた「米沢恒武館」という町道場で、創設者、三條恒夫先生の教えを受け、中学校では、剣道のほかにスキーや陸上競技にも熱中。米沢興譲館高校剣道部時代ももちろん剣道部。しかし剣道場に居る以外は、ほとんど家で本を読んだりギター弾いて歌ってました。ですから今SCSのお稽古場に通う高校生たちに「勉強しなさい」なんて到底言える立場ではありません。

さて、その頃、高総体では地区優勝し、県大会では決勝で惜敗を喫したものの東北大会へ進みました。各県に強豪はいたものの、宮城県ときけば、小牛田(こごた)農林高校剣道部の名前を誰しも口にしていました。全国でも有数の強豪中の強豪校で、当時は向かうところ敵なしといった感じでした。

高校を出てからは、残念ながら剣道の世界から遠ざかってしまいましたが、一方で小牛田ときけば、もうひとつ、名前が浮かぶものができました。
それは通称「小牛田まんじゅう」。
私はこの饅頭が好きです。薄皮とあんのバランスが絶妙であります。
ただし米沢生まれの私としては「岩倉まんじゅう」が饅頭部門ランキングの頂点に君臨しており、その次に美味しいと思う饅頭です。

しかし、小牛田まんじゅうの正式名称が「山の神まんじゅう」であることを知ったのはずいぶん経ってから。一昨日は、縁あってその山の神まんじゅうを作ってらっしゃる村上屋さんの「直売所」なるところを訪問しました。


入れ替わり立ち代わりお客さまがいらして、小牛田まんじゅうの人気の高さを実感しました。
長く名物であるということは、それなりに理由があるはずです。
私も、ひと箱購入して、その理由を探るべく、じっくりと味わってみることにしました。
研究は大切です。
あ、もちろん事務所のスタッフにもちょっとだけ分けてあげます。

2016年8月17日水曜日

趣味

「趣味は何ですか?」と問われると答えに窮する。
質問者の期待に応えられるほどの回答が準備できない。

しかし、よく考えれば「趣味らしき」ものがある。
自動車の運転だ。自動車の改造にはもう興味は無いが、昔から運転が好きである。
ハンドルを握るのが面倒だと思ったことは一度もない。
先週、すり減ったタイヤを交換したら、またまたドライブ感覚が変わって楽しくなった。

さて、そのハンドルを握り、いつものように車を走らせていると、
震災の年の瀬に購入し、活躍してくれている車の走行距離計が8並びになった。
末広がりな感じがして、ちょっぴり嬉しく、思わず写真を撮った。


5年弱で約9万キロということは、このペースで走れば10年で約20万キロ弱。
次の8並びにお目にかかれるのは、888,888キロ。
80万キロを超えて走るには、あと40年以上かかるかも。

う~む、そこまではクルマも僕の体も持たないであろう。
第一、40年後に車を運転できているかどうか、怪しい。
生きているどうかも怪しい。
それに、もうすべて自動車は文字通り、
自動運転の世界になっているかもしれない。

そう思うと、この数字が少し、
いとおしく見えてきた。


マジョリン上映会&講演会

今週の土曜日お昼に宮城県図書館にて劇団四季ミュージカル『魔法を捨てたマジョリン』の上映会と、その直前に台本を手掛けた梶賀千鶴子(かじかちづこ)さんの講演会が催されます。
入場は無料です。


講演会への参加申し込みは、

1、宮城県図書館ホームページの専用申込みフォームから

2、又はFAXで

受け付けています。

FAXで申込みの際は,「梶賀千鶴子氏講演会申込み」「氏名」「氏名のふりがな」「連絡先電話番号もしくはメールアドレス」を記載の上,宮城県図書館企画協力班(FAX:022-377-8485)までお送りください。

なお,宮城県図書館内各カウンターでも申込みが可能です。

問合せ先       
宮城県図書館       
宮城県仙台市泉区紫山1-1-1       
電話番号:022-377-8441(代表)
FAX:022-377-8484       
       
メールアドレス:
kikaku@library.pref.miyagi.jp"   
       
詳しくは
宮城県図書館ホームページへ
http://www.library.pref.miyagi.jp/

『魔法を捨てたマジョリン』台本作者本人による制作当時の貴重な話も聴けるかもしれませんね。
皆さま是非お出掛けください☺

2016年8月15日月曜日

120余人のねこたち

どんどんしなやかに。


お稽古冒頭のストレッチ。
定期レッスンを開始してまだ3回ほどです。
初回はほとんどからだの動かない猫たちも多くありました。
しかし、ご覧のように、半月しか経っていないとは思えないほど、それぞれに柔軟性が出てきておりますにゃん。

オーディションで選ばれた、120余人のミュージカル『仙台ねこ』キャストの面々。

レッスンは厳しいですが、彼らはこの1年で、猫のようにしなやかに、そして可愛らしく、神秘的に変貌を遂げてくださることでしょう。


七ヶ浜にて

一昨日は実家のある米沢から、お盆のさ中に大急ぎで七ヶ浜町へ移動しました。

到着した七ヶ浜国際村の屋上からは、震災後閉鎖されて今年6年ぶりの再開を果たした菖蒲田(しょうぶた)浜海水浴場のあたりが、日没直後の微妙な光線で美しく静かな佇まいを見せていました。
写真右上の小さな白ポチはお月さま。肉眼ではもっと大きく見えるのですけれど…


さて、一方のホールでは、衣裳をつけてミュージカル『ゴーへ~Go Ahead』のランスルーです。
演出班と衣装班が進行に応じて細かなチェックをしています。
梶賀センセの大きな声がホールに響いてます。


今月は、ここ七ヶ浜国際村で育った「NaNa5931」のメンバーが、芸術鑑賞事業の一環として七ヶ浜町の小学生たちに、このミュージカル『ゴーへ』(梶賀千鶴子作・演出・振付)を上演します。
震災の年にここで生まれたミュージカル。
震災の記憶を風化させずに教訓として後世に伝えたいという町の皆さんの想いは勿論のこと、七ヶ浜への愛情がいっぱい詰まった作品です。

『ゴーへ』は、名古屋や東京(日生劇場)でも上演され、好評を博した作品。 今回の観客対象は七ヶ浜町の小学生のみという限定公演ですが、かえって、役者たちの緊張感が高まっているようにも感じました。

私たちSCSミュージカル研究所も、全面協力しております。
震災後、SCSの行動の軸に据えた「子どもの笑顔」に、まったくもって即した事業。
こうした事業に、関わらせて頂けることを誇りに感じると同時に、公演当日の客席と舞台が楽しみであります。



2016年8月14日日曜日

ひまわり

初盆。
帰省した実家の庭先に、ひまわりの花が2輪あった。


父が言った。
「おかあちゃんが去年『ここにひまわりの花があったらいいな』 と言ってた場所に、咲いたんだ。不思議なこともあるもんだ。種をまいた記憶もないのにな。ひまわりは良いな、元気な感じがする。」

なんだよ、庭の植物と言えば、松の盆栽ぐらいしか興味なかったくせに(笑)

そらを見上げると、強い青空、
夏の日差しは目まいがするほど僕を打った。
僕は、瞼を閉じずにはいられなかった。



2016年8月13日土曜日

客席にて

名作と呼ばれる作品には、必ず人を惹きつける力があるものです。
不肖ヒロセ純、学生時代には英文学をかじっておりました。
関連して米文学も少々。
マーク・トゥエインやヘミングウェイ、J・Dサリンジャー、テネシー・ウィリアムズ、リチャード・バック…
今でも、そうした作家や作品の名前を目にするたび、青春の感覚とともに、当時聴いていた音楽まで蘇ってくることがあります。


昨夜、東京エレクトロンホール宮城にて観劇した劇団四季ミュージカル『王子とこじき』。
SCSの研究生たちも沢山、観に来ていましたね。
客席の子どもたちがどんどん前のめりになっていく役者の方々の力量は圧巻でした。

一方の私は、客席にて楽しい時間を堪能させていただきつつ、 人間愛に貫かれたマーク・トゥエインの偉大さを改めて感じさせていただく良い機会となりました。

そういえば、『ハックルベリーフィンの冒険』。
あの本、どこにいったかな。
もう一度読み返してみたくなりました。


2016年8月11日木曜日

山の日の海

「山の日」の今日、
私は海のそばにおりました。


フェイスブックにちょっとだけ様子を載せておりますが、
コンサートを終えて、楽屋口に出てみると、
美しい夕日。


七ヶ浜町、
通えば通うほど、好きになる町です。

2016年8月9日火曜日

おサルさんをも夢中に

仙台七夕最終日だった昨日。
「仙台ねこ」のお稽古場に入る前に、SCSミュージカル研究所青年団が「中の人」になっている通称「仕掛け物」の現場へ。

相かわらずのすごい人だかり。子供も大人も楽しんでいる様子で…  ん?
…ん?
ずぅ~っと、舞台の方を見続けている、つぶらな瞳…
ずいぶん毛深い赤ちゃんと思いきや、


なんと赤いべべきたおサルさんではありませんか!

飼い主さんに写真を撮ってもよいですかと、お声がけしてみました。
さらに「実は、こちらのおサルさんに熱心にご覧いただいたこのお芝居、台本を書いたのが、こちらのセンセで…」と説明すると、飼い主さん、「じゃ、どうぞ、よかったらだっこしてみますか?」とのお言葉。


おサルさんをも夢中にさせた、2016仙台七夕「仕掛け物」。
ご覧いただいた皆さま、ほんとうにありがとうございました。

ジンクス通りに、雨も降りました。
七夕の雨ににあたると、
少しだけ街の匂いや空気が変わるのを感じ、
それは、かすかな秋の気配。

過ぎ行く2016年、盛夏。

2016年8月8日月曜日

胸打つ花火

先週末、ご縁があって、大船渡の夏祭りでの花火を拝見することができました。

岩手県大船渡市は、震災後の2011年夏、地元の「海を愛する会」の皆さんのご尽力で、小規模ながら奇跡的に「夏祭り」が開催されました。この時、私も船の上にしつらえられたステージから、SCSの子どもたちとともに歌で応援させていただきました。

また、2012年には、平泉ミュージカル『夕焼けの向こうに』の公演で、私たち公演関係者が大変にお世話になった場所でもあります。公演場所のリアスホールの目の前まで津波が来てまだその爪痕が生々しかったことを記憶しています。

そして2016年。穏やかな大船渡湾。背後の山々に大きな音を木霊させ、海にも映る美しい花火は、いつしか私の胸をうち、涙が流れました。



これまでで最大という規模、打ち上げられた花火が8,000発という数字にも、大船渡の皆さんの未来へ向かう期待が込められているようにも感じたのでありました。


花火の後、たまたま入った復興屋台村にて、地元のお祭り関係の方からいろいろとお話を伺う機会を得ました。


これまた、貴重な時間でありました。

東北人のひとりとして、この地で出来ることが、
私にもまだまだある気がしています。



2016年8月5日金曜日

ちょっぴり○○

仙台では七夕前夜ということで、遠くから花火の音が聴こえてきています。
事務所のSCS首脳陣は、あまり外には興味が無いのか、みなそれぞれにお仕事。
実のところ私もそのひとり。締め切り迫った曲作りをしておりました。

そういえば、今週あたまに有楽町でクリエイティブな方々とちらと飲んだとき、その中のTさんと「ぼくたちは、ちょっぴり幸せとか、ちょっぴり不幸ぐらいなほうが、曲つくれるかもね」なんて話をしたことを思い出しました。


確かに、大ハッピーのときや不幸の底に居る感じの時はうまく曲をまとめられないことが多い気がします。

ちなみに、美味しいものを頂く時は無条件で大ハッピー。


こーゆーときは、あまり曲は浮かんできません。まず、食べます(笑)

気がついたら花火の音は聴こえなくなり、
周囲はいくぶん静けさを取り戻したような、仙台七夕前夜。

柔らかな移行

今月は、宮城県七ヶ浜町の小学校が開催する「芸術鑑賞会」において、同町のミュージカルグループ「NaNa5931」が出演したミュージカル『ゴーへ』という作品を上演することになっています。

『ゴーへ』は、東日本大震災で町の面積の3分の1に津波の被害があった同町で、同じ年の秋に、七ヶ浜国際村ホールで初演された作品です。

芸術鑑賞会でNaNa5931がパフォーマンスを行うことは初めてのことで、学校や町の関係者からの大きな期待が寄せられているだけに、出演者たちはいつも以上に緊張感のあるお稽古時間を過ごしています。
昨夜の稽古場を覗いたところ、梶賀先生が別件で不在にも関わらず、リーダーさんたちが、全体を効率よくまとめながら、作品の衣裳あわせや、場面ごとの確認や仕上げの作業を行っていました。


気がつけば、かつて私がプロデュースを仰せつかり、梶賀先生とともに、NaNa5931のレッスン、作品上演を開始してから15年の月日が流れ、震災からは5年の月日が流れているのでした。

15年前は幼稚園児だったメンバーも、今や立派な指導者に育っています。
ここでは、時の流れと共にあらゆる面でのゆるやかな移行が進行しています。

そして、この夏、『ゴーへ』の芸術鑑賞会採用には、町の人たちによる「震災の事実を風化させずに、いのちの大切さを見つめ直す」きっかけにして欲しいという、強い思いが込められています。

2016年8月4日木曜日

夏の瞬間

仙台の予想最高気温が33℃という今日。
午前中から太陽は容赦なく照り付けています。
金沢で買った帽子は、大いに役に立っていて、最近のお気に入りです。

少し遅い時間の出勤途中、東北大学片平キャンパスに差し掛かったら、夏らしい、美しい緑色に出合いました。


少し進むと、道路の真ん中で雀のカップルがわずかに残った水たまりで水浴びをしていました。


たまたま写真に映り込んだ女性も(もちろん見ず知らずの方ですが)また8月っぽい雰囲気。

夏の一瞬。

2016年8月1日月曜日

日生劇場にて

今回はとんぼがえりでしたが、久々にお江戸に行きました。
毎年、夏になると、 「日生劇場ファミリーフェスティヴァル」と銘打たれたクラシックコンサートやバレエ、ミュージカルなどが、日生劇場で繰り広げられます。
子どもたちが、本格的な劇場で様々な作品に触れることができる絶好の機会。子供たちのみならず不肖ヒロセ純も毎年楽しみにしている企画です。

さて、一昨日はそんなファミリーフェスティヴァルのなかのミュージカル人形劇『ぼくは王さま』を拝見してきました。
劇場に入ると、もうこんなふうに、作品に関わるロビーでのショーも行われていて、子どもたちがワクワクしている様子がうかがえます。



実は、この作品の音楽を担当されているのが、作曲家の上田亨(うえだ・とおる)さん。SCSの作品でも大変お世話になっておる先生です。来年春に米沢市(山形県)で上演するミュージカル『梵天丸』 の音楽もお願いしています。上田さんは平泉ミュージカル『夕焼けの向こうに』(岩手県)、ミュージカル『常長の祈り』(宮城県)と、SCS主宰、梶賀千鶴子(かじか。ちづこ)とのコンビによって、東北での大型創作ミュージカルを次々と成功に導いて頂いています。
思い起こせば、上田さんと梶賀さんの出会いも、この日生劇場40周年記念公演(2003年『みどりのゆび』)での新作ミュージカル公演でした。

さらに遡れば、かつて「ニッセイ名作劇場」と銘打って、日本生命様の提供により、ここから生まれたファミリーミュージカルは、今も劇団四季さんによって、全国で上演され続けられています。
まさに、この劇場は、50年以上にわたって、子どもたちの想像力を掻き立てる作品を提供し続け、日本のオリジナルミュージカル誕生のメッカと言ってもよいでしょう。

尚、日生劇場ファミリーフェスティヴァルについては、下記のURLをご覧ください。
http://famifes.nissaytheatre.or.jp/