2020年7月31日金曜日

お日さま

曇天続きの上、コロナのせいで、大学の授業時間を消化するのが結構大変です。学生の皆さんも職員の皆さんも本当に苦労しています。そんな中、今日は授業を終えて外に出てみると、雨はすっかり上がって、ご覧の通りの青空。


お日さまを、本当にありがたく思いました。
久々に青く抜けるような空を背に、木々の葉も嬉しそうです。

この写真を見た友人が「何やら強烈な満月にも見える」とのコメント。
なるほど、言われてみればそう見えなくもないですね。奥が深い。
思い込みを疑ってみることは大事であります。

兎にも角にも青空を見るのは気持ちがいいものです。
地球上の生き物たちはみんなお日さまに生かされていることを実感します。
「お日さま」と敬語になっている意味が少しわかる気がした昼下がり。

湯舟と蝉の声

時間帯が良かったのだろうか。日中ちょっとリフレッシュに行った温泉旅館のかけ流しの湯舟は、貸し切り状態だった。ラッキーである。

肩までお湯に浸かって「ああ、もう7月も終わるなあ」と、独り言つ。
少し開いていた浴室の窓からはほんの少し緑の色がのぞいていて、殺風景な風呂場の景色にアクセントをつけている。

「ふう、気持ちいがいいな」と思った次の瞬間、その窓から蝉の声が盛大に風呂場へと侵入してきた。
アブラゼミとニイニイゼミが混じっているような音。

そういえば、今年は「春」がなかったような気もする。
そういえば、雪も降らず「冬」も知らないうちに過ぎていた。

人との距離を保つこと、人と接触しないこと。
これは、人の季節感をも危うくしてしまうのかもしれない。

西の方では少しづつ梅雨明けしているそうな。
短い東北の夏がはじまることを、蝉たちに教えられる。


2020年7月28日火曜日

10年

今日は朝からひどい雨ふりだ。

久しぶりに、10年前の今日書いた自分のブログ記事を見てみた。
その日の午前、僕らは大事な大事な仲間を失った。
40才という若さで。

10年前の自分は、短く、客観的に、空の写真を添えて報告していた。

窓を叩く雨の音が、健ちゃんのスティックの音に似ている。



2020年7月25日土曜日

…と信じて

コロナ騒ぎ無ければ、今日はSCSミュージカル研究所創立30周年記念ミュージカル『梵天丸』公演の初日でした。
今日のSCSは、オンラインレッスンと、感染予防対策を施した稽古場では、人数を限定したレッスンが行われています。

ほんとうに、先を読むのが難しい時代に入りました。
かつて私たちは、舞台に立てる日を目指して9年前の震災の時は「がんばろう」と声を掛け合い、手を握り合い、肩を抱き合い、乗り越えてきました。
ところが、今回の新型コロナウイルスは、手ごわい。「がんばろう」というための希望の灯がよく見えない。とにかく先の計画を立てることが難しいのです。
しかし、何もしなければこのまま消滅してしまいます。止まっているわけにはいきません。

さて、一昨日我々は、東日本大震災の津波で街の3分の1の面積が被害にあった七ヶ浜町で、ミュージカルの指導にあたっておりました。会館職員の皆さんの全面的な協力のもとに、検温、消毒、マスク、換気…あらゆる感染拡大防止策を尽くしながら、地元の子どもたちの夢を消さない、いや、夢を紡ぎ続けるための作業です。


いわゆる密を回避しながらのお稽古。意外に盲点とだったなと感じたのは、換気。
写真にはありませんが、会場の出入り口や袖の搬入口などは、全部開けて空気の流れをつくっています。

すると…暑い。蒸し暑い。
とにかく、外気温と会場の気温が同じぐらいになってしまいます。
もともと劇場は普通のオフィスなどよりもかなり換気能力が高く設計されているそうですから、そこまでしなくても良いのかもしれません。

見えない敵を相手に試行錯誤が続きます。
けれども私たちは、知恵と力を尽くして、何としても七ヶ浜ミュージカルの灯をともし続けたいと考えています。
19年続いているミュージカル。メンバーはみんな七ヶ浜が大好きになって地元に就職して続けてい入る方も多く、小さいときから続けているメンバーは立派な指導員として、後進の指導にあたってくれています。

さあ、稽古を続けます。
近い将来必ずまた舞台に立てる日が来る、と信じて。


2020年7月22日水曜日

松ちゃん

6年前の今日も暑い日でありました。

その日私たちは、大切なSCS創設メンバーの一人である松澤幸男君を病に奪われました。

今日は、朝早く起きて松ちゃんが眠る場所まで、出かけてきました。
松ちゃん、梶賀センセもお連れしたよ。創設メンバーの藤田君もね。この3人はまだ相変わらず事務所でミュージカルづくりやってるんだ。

今こんな時代だから、松ちゃんがSCSの黎明期からそうしてくれたように「支える人」になれればと考えているんだ。いろんな面でね。微力だけどね。

今朝の空は何処までも青く、久々に明るい光に包まれて、何だか励まされているような気持ちになったよ。

松ちゃん、ありがとね。



2020年7月19日日曜日

しばしの青空に

梅雨の晴れ間と言うのでしょうか、事務所の窓から見える狭い空が青く見えました。
青い空に飢えていましたから、外へ出て少し歩いてみました。


普段比較的車の往来の多い五ッ橋通り。
しかし、休日のこんな時間には、突然車の気配がなくなる瞬間があります。
青い空を見上げると、一瞬時間が止まって、
逢いたい人や、もう逢えなくなった人たちの面影が浮ぶような…。

次の瞬間。
再び上下線とも車の往来がはじまって、
かの妄想は騒音にかき消されてゆくのでありました。



2020年7月18日土曜日

おもいがけず

ニュースに触れるたび、心が痛みます。西の方での記録的な豪雨災害。
謹んでお見舞い申し上げます。
おまけに、新型コロナ。
東京を中心に再び感染が拡大してきていますね。
仙台でもクラスターが2か所で発生。

この時期、本来ならば東北地方は夏祭りで各地が盛り上がり始めるころ。
しかし、ご承知の通りリアルなお祭りはすべて中止です。
仙台の七夕まつりは例年ほかの土地よりひと月遅い8月6日~7日に開催されるのですが、
当然のように、花火大会もお祭りもありません。
さらに、このところ気温が低め、雨が多めです。

何となく明るいニュースがすくなくって意気消沈していたところ、
とあるちいさなお祝いの席で、ちいさなちいさな七夕祭りに出会いました。


ちょっぴりだけれど、思いがけず
お祭り気分を味わうことが出来た2020年7月。

2020年7月12日日曜日

気を付けて帰ります

雨が続いています。
所用で故郷に行ったのですが、帰路忘れ物に気が付き間もなく実家に戻りました。

すると、さっき玄関に向かった時には気づきもしませんでしたが、庭先でこちらを向いて咲くユリがありました。
なかなか手入れが行き届かなくなってしまったこの場所で、強い雨が近づいてきている気配の黒っぽい空を背に、花びらの鮮やかなイエローが水滴をはじいていました。


黄色と黒のコントラストは注意を促す配色ですよね。

どうしてこの場所に咲いたのだろう、そして、こんなに美しい色にどうしてさっき気づかなかったのだろうなどと考えていたら、これは昔母がこの庭で育てていたユリの子孫なのだとか。
一緒にいた妹が教えてくれました。

何となく合点がいきました。

はい、気をつけて帰ります。

2020年7月7日火曜日

一瞬のおてんとさんに

天気予報欄にはこのところずっと傘マーク。
しかし、ちょっとだけ薄日のさした昼下がりの仙台。


このあと空は再びあっという間に雲に覆われて、
ぽつぽつと雨が落ちてきましたが。

狭い空から見えた一瞬のおてんとさんに
九州地方の大雨がはやく止みますようにと祈りました。
コロナ禍での大洪水。胸が痛みます。

ひとりでも多くの方のいのちが守られますように。


2020年7月4日土曜日

今即ち過去

近頃はデスクワークが続いている。

例えば自分のデスクで稽古場で進んでいるリモートレッスンを監修しながら、さっき行ったオンラインミーティングを録画したものを題材に、大学の授業で使う教材を編集している。それだけではなく、VHSやHi-8時代のテープに収録された作品たちのアーカイブ作業を同時進行させている。無意識にPC3台を使っていた。


そこでふと考えた。
「今」はどこにあるのだろう。

リアルタイムと思われるリモートレッスンさえ、回線や回路を通ってくるのにレイテンシーが生じている。それでは、今、手にしている4つめのCPUであるスマホで撮影した写真かな?否、写真は「今」じゃない。ものごとをめんどくさく、理屈っぽく考えるのもおもしろものである。
考えてみれば、記録映像をアーカーブして未来に残すなんてのも、不思議なことで、自己矛盾を孕んでいる。「今」は、文法上のtenseとしてしか存在し得ないのだろうか。

写真や動画にいるわたしは、あなたは、今どこにいるのだろう。

ひょっとすると、今「生きてる」ってことは、
単に「時間がある」ということなのかもしれない。