2021年12月28日火曜日

ダイジェスト映像

ことしもいよいよ残り少なくなってきました。このところ今年を振り返るような放送が増え居ていますね。

思い起こせばこのブロブのタイトルは昔「JUN_harvest」日記というものでした。私もちょっと振り返れば、相変わらずのコロナ禍ではありましたが、多くの皆さまのお力添えを得て、今年は春と秋の2回、そのJUN_harvetのライブコンサートを行うことが出来ました。



若手スタッフがこの秋のライブの模様をダイジェスト版にしてくれました。
動いている自分を見るのはちょっと恥ずかしい気もしますが(笑)お時間のある方、是非ごらんになってみてくださいませ~。


2021年12月25日土曜日

 今週はSCSミュージカル研究所の各クラス稽古場では次々と「お稽古納め」となりました。

明日は「SCS大納会」なのですが、人数が多いので、昨年に引き続きオンラインでの納会開催となります。

お互いに皆の顔を実際に見ながらパーティをやれないのは少し寂しい気もしますが、天気予報によると明日は数年に一度の寒波だそうですから、移動交通手段に左右されないオンラインでの開催は、この時期には良いのかもしれません。オンラインならではの楽しみ方もあるもので、昨年は融資の何人かが短い動画を作ってくれて、通常の納会では「余興」に相当する部分の楽しい時間を提供してくれました。今年はどうなるのでしょう。楽しみです。

一方で、一昨日は、七ヶ浜町のミュージカルグループ「NaNa5931」のお稽古場でも、クリスマスイベントを兼ねてステージ発表が行われ、今年を締めくくりました。

コロナにも負けずに制作された短編ミュージカル動画からのナンバーも実際に披露され、20年の歴史を誇るグループによる、レベルの高いステージに場内のお客さまからも大いなる拍手が送られていました。



今年も感染症対策を施しながらミュージカルのお稽古に励んだ子供たち、研究生、スタッフにアプローズ!皆さまへの感謝の拍手と共に今年の稽古を納めていきたいと思います。


2021年12月17日金曜日

舞台作品づくりとレジリエンス

私たちSCSミュージカル研究所が20年以上にわたりミュージカルづくりのお手伝いをしている七ヶ浜町にある七ヶ浜国際村で、今年の1月から7月にかけての半年間、ホールを使って短編ミュージカル5作品の収録が行われました。

題して『七ヶ浜ストーリーズ』(作・演出・振付:梶賀千鶴子、音楽監督:榊原光裕、出演:NaNa5931)。

コロナ禍で舞台芸術の上演はほとんどできない状況が続く中で、町の劇場をどんな風に活性化せることができるのか、東日本大震災での津波被害を乗り越えてきた七ヶ浜国際村で、事業協会の皆さまが新たな挑戦を始めました。

「災害に強い劇場コンテンツ制作」「多言語化 」がキーワード。SCSミュージカル研究所の理念「ミュージカルを通じて子どもたちが活躍できる場を持続的に創出する」ことにも通じていることから、私は喜んでプロデュースをお受けしました。

作品のなかで舞台に大道具などをほとんど用いていないのは、劇場でない場所(避難所や公民館など)でも上演できるように、そして1作品あたり20分程度の長さの短編ミュージカルは、学校の授業の中などでも鑑賞や研究に活用していただきやすいようにという意図があります。 

七ヶ浜の国際交流員の方々により全編英語に翻訳されて、YouTubeの多言語化機能で、世界各国の言葉で字幕をご覧いただけます。七ヶ浜で生まれた作品がフランス語やドイツ語、イタリア語などでお楽しみいただけると思うとワクワクいたします。

近頃、また地震が多くなっている気がします。揺れる度に東日本大震災で被災した経験が否が応でも思い出されます。まさに、そんな今、津波被害やコロナ禍、予測のつかない自分たちの力ではどうにもならないような災害にあっても、しなやかに立ち上がっていく力(レジリエンス)が求められていると感じています。

連日のニュースでは世界のあちこちでの感染者再拡大という情報が流れ、そして足元の地面が揺れるたびに、子どもたちも私たちも気持ちや生活が脅かされます。しかし、私たちに出来る範囲で大人たちがレジリエンスを見せていくことで、子どもたちが未来への希望や喜びを持つことにつながってくれることを願っています。

『七ヶ浜ストーリーズ』は無料公開中です。七ヶ浜町のホームページからご覧いただけます。 


2021年12月7日火曜日

カゲレン

先週、七ヶ浜のお稽古場にて。

贅沢なことにホールを使用させていただいて地元のミュージカルグループNaNa5931のお稽古が進行しています。

最近メンバーとして加入した米国出身の国際交流員ヘザーさんと、仙台の大学に通う地元出身男子が舞台の袖で猛練習していました。



あっという間に師走になって、あっという間に一週間がたちました。歳を重ねるごとに1年があっという間ですが、こうして若い世代がメンバーとして加わって、一生懸命な姿を見ると、その「あっ」もなんだか充実してくる気分になります。

こうして、影の方で自主的にレッスンするのを私たちは影練(カゲレン)なんて呼んだりしています。二人がお稽古していたのは、クリスマスのナンバーのようです。今月23日(木)に行わっる七ヶ浜国際村での年末発表会では、二人の成果が拝見できるかな?

楽しみ~。



2021年11月22日月曜日

刹那の彩り

週に一度担当している郡山での講義を終えて、大学の敷地を出ようとしたとき、赤い色が目に留まりました。

手前が椿で奥が楓でしょうか。

若く瑞々しく、滾るエネルギーを感じる赤、一方、枯れて落ちようとしている赤、同じ赤でも立場の違う色合いに、しばし見入りました。

 


落葉樹は葉を落とさなければなりません。花は咲かなければ種子をつくれません。どちらも彼らにとっては大切な、いのちをつなぐ行為です。そして、それぞれの一生の、とある刹那に、それぞれに美しい彩りを見せてくれます。

これらの赤い色が見えなくなると、いよいよ本格的に冬がやってきます。言い換えれば春に向かう準備の季節です。

自然は偉大な、最高の先生です。


2021年11月17日水曜日

おかげさまで無事に

 七ヶ浜ミュージカルの20周年を記念して上演された『七つのはまのいき物語』
おかげさまで、無事に4回公演終了することが出来ました。


 

写真ではわかりにくいですが、客席通路に面した席は使用不可とし、さらに1席ずつ間隔を空けて客席をつくって、お客さまをお迎えしました。

換気は劇場の換気能力を3倍まで上げていただき、もちろん入場時の検温、毎回の客席消毒も。細やかで慎重な感染予防対策を施して頂いた主催者の皆さまのご尽力に心から感謝申し上げます。

さらにチケットはLINEチケットのシステムを活用していただき、販売から入場まで非接触型のチケット扱いが可能となりました。初めての経験でしたが、入場時の混乱などなくスムーズな入場をしていただくことが出来ました。 




これは見せ場のひとつ。ゲネプロ時に私が撮影したものです。演出的にはネタバレですが(笑)

写真のように、ホリゾント幕を開くと、美しい七ヶ浜の海が見えるという素敵な劇場。
震災前からずっと見ているこの角度からの町。
震災前、震災直後、そしてあれから10年を経た景色。

瞼の記憶も一度に飛び込んでくる感じがして、何だか涙が自然に出てくるのでありました。

たまたま当日県外から七ヶ浜国際村を訪れて面白そうとチケットを買って観たというお客さまから、帰りにとても感動して、泣けた。皆さんとてもお上手でびっくりしたとお声がけ頂き、20年間のNaNa 5931の皆さんの努力の果実を頂いたような気分になりました。

今回の公演においで頂いた全てのお客さまに、この場をお借りして心から御礼申し上げます。

2021年11月9日火曜日

いよいよ実現

 この一週間は、舞台を使わせてもらってのリハーサルが続いている。なんともぜいたくな環境である。

ミュージカル『七つのはまのいき物語』の舞台となる七ヶ浜国際村ホール。なんと舞台の奥、すなわちホリゾントの向こうにはこんな景色が広がっているのだ。さらにぜいたくな環境。



20年以上通っているこの場所とこの景色は、もうすっかり自分に馴染んで、実に癒される。 いつまでも眺めていたい。

しかし、10年前はこのアングルで、画面の左手には山があって、その向こうの海岸沿いはまだ瓦礫の山で茶色い光景が続いていた。

私は、そのことも同時に思い出す。

震災後、この町の人たちと劇場の灯火を復活させたように、コロナ禍でも負けずに、みんなの知恵と力を寄せあって、昨年実現出来なかった公演を、いよいよ今週末に実現させる。

皆の心は、この海の向こうの空のように晴れている。


2021年10月30日土曜日

駆け足で

数日前、所用で通りかかった近所の商店街では、イルミネーションの電飾作業が行われていました。



もう10月も終わりですから、商店街では11月になればクリスマス🎄や年末商戦に突入、その準備でしょうか。

私も自分の舞台を終えるやいなや、七ヶ浜町で開催するミュージカル公演の準備で連日現地入り。

駆け足で季節が過ぎていくように感じています。



2021年10月26日火曜日

おかげさまで

 感染症予防策の一環として客席を半数以下に減らして、1回当たり80席限定での開催となったミュージカル・ピクチャー・ブック『注文の多い料理店』。

おかげさまで全公演ほぼ定数のお客さまにおいで頂き、無事に終了することができました。

 


ご来場のお客さまはじめ、本公演開催にあたりご尽力頂きました全ての皆さまにこの場をお借りして心より感謝申し上げます。

尚、公演の写真の幾つかがSCSのInstagramにてご覧頂けます(^^)


2021年10月20日水曜日

レイトリー

すっかり更新をサボってしまい早2週間が過ぎてしまいました。
此の間、仕事はサボっていたわけではないのですが、とにかく一日が矢のように過ぎていきます。合間に温泉に浸かるのは忘れていませんが(笑)

今週末のライブコンサートに備えてギター弦の交換などもやりました。



今回私はナイロン弦のギターを使います。もちろん相方のサイトウミノルはエレキギター、フォークギター、クラシックギター、コンピュータ(今やコンピュータも楽器ですね)を駆使して全体を支えてくれます。

サンドイッチ形式でお送りするライブパフォーマンスの「具」に当たる部分は『注文の多い料理店』。芝居部分の音楽はほぼサイトウミノルの作品です。先日の稽古場では藤田和正と眞坂祐貴の演技が光っていました。役者やダンサー、子どもたちにも大いに支えてもらいながら上演する『Musical Picture Book』(チラシは前回記事に掲載してあります)、どうぞお楽しみに!


一方、11月には七ヶ浜でミュージカルで上演。チケットの発売も開始されて、順調な滑り出しを見せています。演目は『七つのはまのいき物語』今回は七ヶ浜町のミュージカルグループ「NaNa5931」の結成20年を記念して、これまでの人気キャラも登場する面白いオリジナルミュージカルになりそうです。

今回は、現場の劇場で梶賀センセが場面をつくりながら、台本を同時執筆していくスタイルです。もちろん振付も同時進行していきます。



こちらの情報も折を見てこのブログでも紹介していきますね。


2021年10月6日水曜日

今月のライブ・コンサート

今月、JUN_haevest のライブやります。Musical Picture Book (ミュージカル・ピクチャー・ブック)と銘打って、この春に開催した新しいスタイルのステージの第2弾です。

今回は宮沢賢治の『注文の多い料理店』をモチーフに、ライブの間にミュージカル風のお芝居をサンドイッチするという Musical Picture Book ならではの一風変わった構成です。

サイトウミノルと私ヒロセ純の共作で全曲オリジナルの音楽をギター2本+αの構成でお届けします。




緊急事態宣言やまん延防止等重点措置は解除となっていますが、念のため、客席を半分に減らしての上演です。したがって、みなさまゆったりとお楽しみいただけます(笑)

みなさまぜひぜひお越しくださいませ~。劇場にてお待ちしておりま~す。

2021年9月26日日曜日

劇場にて~予防策をとりながら

今日のニュースによれば、どうやら今月末で緊急事態宣言や蔓延防止重点措置などは解除されるような雰囲気になってきている。

しかし、油断禁物であることに変わりはない。 私たち舞台芸術に関わるものたちにとっては、感染防止と安全確保の策を、稽古場でも劇場でも常態化させる取り組みが必要であると感じている。

昨日から開始しているSCSミュージカル研究所の公演では、そうした対策を施した上でお客さまにミュージカルや舞踊劇、コンサートなどを楽しんで頂く挑戦を続けている。

検温や消毒は勿論のこと、万万が一のために半券の裏にご連絡先を記入いただいたり、アンケートはQRコードを読み取っていただきき記入する方法をとったり、少し寂しいですが、キャストへのプレゼントは辞退させて頂いたり、出演者によるお客さまお見送りを取りやめたり…お客さまへのお願い事やご負担も増え我々主催者側でも多くの条件や制限を設けて実施している。

それでも、手間や負担は増えても、舞台の灯を消さぬよう、子どもたちが踊ったり歌ったり演技したりできる場をなんとか繋いでいこうというのが我々の決意でもある。

子どもの成長は早い。この2年近くのマスクをつけた生活様式がどんな影響を及ぼすのか見当がつかないが、人生を謳歌するには、文字通り人間は歌ったり踊ったり時には演技を楽しみ、未来に向かっていくのだと、ミュージカルづくりという狭い範疇かもしれないが、明るく地道に伝えていきたいと考えている。

写真は、昨日公演前リハーサル時のスナップ。


 



公演の前後にはボランティアスタッフによる客席消毒作業などがその都度行われている。

 
私たちの世代も、こうしてお手伝いのボランティアをかって出てくださる子どもの親たちの世代も、想いはひとつである。
 
どんなに困難な時代でも、なんとか道を拓こうという姿を示していくことは、大人たちのミッションでもあると感じている。


 

2021年9月16日木曜日

しっかりと

最近気になる言葉が「しっかりと」。

特に政治に関わるような責任ある方の発言に目立つ。しかし、ご自分で「しっかりと」を多用される方ほど「しっかりとした具体策をもっていない」ように感じるのは私だけであろうか(笑)

さて、コロナ禍においてしっかりとやらなくちゃいけないのが、感染症対策。特にわれわれ舞台づくりや上演に関わる者としては、頭の痛いところである。

一昨年まで当たり前のようにやっていたことのすべてにおいて、ひと手間も二手間もかかってしまう。しかし、安全対策を施しながら舞台の灯を消さない努力を続けることも我々の使命のひとつであろう。

先日、仙台オペラ協会の作品を拝見した。弊社も僅かながら毎年協賛させていただき楽しみにしているこの公演も、昨年からのコロナの影響は大きい。しかしながら、久々に聴いた仙台フィルの演奏も、コロナで苦労しながらお稽古を重ねたであろう出演者の皆さんも最後まで素晴らしかった!特に侍女トリオの歌は印象的。演技もよかった。

 

 

実は、先月はじめに私は先方協会事務局長と感染対策で情報交換をしていた。7月に我々がやはり大ホールを使って素人が参加するミュージカルの上演を行っていたから、その時の感染対策方法などについても意見や感想を求められての電話会談であった。 お互いに最終的に無観客とか中止とか、先の読めない状況下での準備に不安を感じながら制作を進める立場であったので、会談はまた励みにもなった。

さて、今回公演当日、仙台オペラ協会様の出演者は全員PCR検査を行ってから舞台に臨んでいたそうでである、お客さまや関係者に対する感染症対策も、おそらく考えられることすべておやりになっていたのではないだろうか。

情報交換の際には「しっかり」という単語はお互いに使用していなかったが、今回のオペラ公演は、まさに「しっかり」とした感染症対策が施されていたと感じた。

ひょっとして「しっかりと」という言葉は、自分から言うのではなく「あの方の○○対策は実にしっかりとしている」などと、客観的な立場で使われてはじめてその言葉本来の意味を持つのかもしれない。

 

2021年9月9日木曜日

今週は月曜日から木曜日まで連日温泉に入るという幸運に恵まれました。

休みらしい休みを取ったのは今年は初めてかも。健康自己管理もたいせつということで久々の休暇、留守を預かってくれる優秀なスタッフの皆さんに支えられてコロナ禍のご時世を泳いでおります。

県内のとある温泉旅館に投宿しました。泳いでいると言えば、立派なお庭の池では外のコロナ騒ぎとは関係のないような立派な鯉がいらっしゃいました。私の故郷では鯉は食べ物ですがそれは養殖鯉(笑)

大きな鯉の美しい泳ぎにしばし見惚れて、お池というクローズな環境でも、堂々として悠々と泳ぎ生きるその姿は、世知辛いこの世に生きる私たちになんだかちょいとヒントを頂いた気も。



このお宿、お湯が良いので日中は日帰り客で大賑わいですがこの日泊まりは私ひとり。よって宿泊者のみ入れる時間に素晴らしいお湯を独り占めで堪能させていただくという、これまたラッキーな経験をいたしました。

この期間、パソコンや楽器も持参しておりましたが、やったことは締め切りが来ていた原稿を1本書いたのみで、基本的にボーっとして過ごしました。

意図的に作ったヒマ持て余して、友人に「♫みちのくsoloり旅〜」とメールしてみたらウケたので、私も親父ギャグを飛ばす立派な湯治客になったと自覚いたしました。


2021年9月1日水曜日

静かなキャンパス

コロナ禍の2021年も4分の3を過ぎて、9月に入ってしまいましたね。

昨日は所用で東北学院大学の泉キャンパスに出かけました。何と1年半ぶりの訪問です。



折しも宮城県は緊急事態宣言下。大学の感染対策レベルも上がっています。

夏休み中とはいえ、人影のない静かなキャンパスに立つと、一瞬異空間にいるような感覚に陥ります。学生の「気配」が無くなっています。

耳を澄ませば、遠くに夏の終わりを惜しむかのような蝉の声と、秋の始まりを告げる虫の声が混じり合って聴こえていました。

8年ほど前から担当している私の授業は人数の関係で、昨年も今年も毎週授業動画を制作しオンデマンドで実施しせざるを得ませんでした。

学ぶ側にも教える側にも、忍耐と工夫を強いる時代が続いています。




2021年8月28日土曜日

間隔と遠隔

SCSミュージカル研究所が受託指導を行っている2グループ。創意工夫をこなしながら、今週は身体を動かすことが中心のメニューです。

「間隔」のNaNa5931(宮城県七ヶ浜町)

「遠隔」の伝国座(山形県米沢市) 

スクリーンの向こうのSCSお稽古場とつなっがって、レッスンが進行していきます。

 


2021年8月24日火曜日

ランチタイム

 山すそのカフェで、ランチが運ばれてくるまでの間、窓の外の色と音を楽しむ。

トンボがじっと草の先にとまっている。蝉の合唱はまだ元気が良いけれど、その調べはあきらかに夏の終わりのトーンだ。 時折小鳥や蝶が眼前を去来する。

窓枠で切り取られた景色を見ているだけでも、なんてこの世は生命に溢れているのだろう、と思う。この世は生命の大河だ。


 

「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず。」と鴨長明さんはおっしゃった。

季節は同じように移っても、去年の自分、5年前、10年前の自分とも違う別人が今外を眺めているのである。我が体内の細胞たちも一年で大体入れ替わるらしい。つまり、今日の自分が一番新しい。 

コロナ禍でどうしても室内にこもりがちだが、短い時間でも自然と向き合い、そしてお稽古場に身を置き子どもたちと向き合う。

次の一手、道標はその繰り返しから見えてくるに違いない。


 

 

2021年8月20日金曜日

夏が逝く

先日、愛車の夏タイヤを新調した。



今まで履いていたタイヤはだいぶ溝が減ってきていたので、交換して安心した。タイヤ性能が上がっていて走行ノイズも軽減されたようだ。

タイヤを眺めていたら何かのCMだったか、タイヤの接地面積はハガキ1枚分と言っていたのを思い出した。

もちろんその大きさや幅の広さによって違いがあるだろうが、車の道路に対する占有面積に比べればはるかに小さいことは間違いない。

毎日運転する車。そんなわずかな面積に、命がかかっているなんてこと普段は認識していない。

車に限らず、生きることが死と隣り合わせであることを、僕たちは普段感じていないものだ。

今週、中学時代はほぼ毎日一緒に登校し、高校も同じ学校に通った地元の友人が急逝した。事故ではなく病気でとのことだが、文字通り、急に逝ってしまった。彼とは家も近くとても仲が良かった。僕よりも遥かに健康そうな人だった。茶目っ気たっぷりで心の芯から優しいやつだった。

僕はまだ信じられず、ショックから立ち上がれない。コロナのせいで、駆けつけられない歯痒さが悲しみを倍増させる。

今日は仙台でもだいぶ気温が上昇して暑くなった。

しかし青空に浮かぶ雲のかたちに少し秋が混じっている。一瞬空にI君の優しい笑顔が浮かんだ気がした。

I 君を連れて今年の夏が逝く。




2021年8月11日水曜日

脂肪の落ちない散歩

 頭を整理したり、アイディアを練ったりするのに散歩の効用は高いといわれる。


 
かく言う私めも、そんな効用を得ようと散歩に出るのだが、途中で喫茶店の看板など目に入ると「少し休憩だな」と自問自答し、ふらっと入ってしまう。出発して10分程度なのに。
これでは、目的外行動。こんな散歩では体重も減らない、アイディアも浮かばない、という軽い罪悪感を少しでも打ち消すべく、そこで読みかけの本などを開くわけであるが、だいたい読みかけの本を持って散歩に出ている時点で「隙あらば座して休憩」という魂胆は見え見えなわけである(笑) 

あのカント先生のように、1日や1週間のリズムの中で規則的に散歩をするようでなければ散歩の達人にはなれないであろう。

しかし、気の向くままに外を歩くということは実に楽しい。
長年の懸案である体脂肪を落とす策は別に講じることとしよう。

2021年8月7日土曜日

夏を記録

 立秋前日の昨日。『梵天丸』にも登場した不動明王像が特別展示されているというので、客人を伴って瑞巌寺へ出かけた。

ついでに乗った遊覧船。

何年ぶりだろう。前回乗ったのはカモメが船を追いかけている時代だから、だいぶ前のことだ。実は泳げない私にとっ海は恐怖の対象である。しかしながら制限の多い夏ながら少しは夏らしいことをしてみたいと思っていたので、良い機会を得た。

 


船上においてもマスクを常時着用との指示が出ていたが、海風は心地よかった。

還暦の夏、自撮りで記録(笑)


2021年8月3日火曜日

妄想の旅

なんとなくココロが落ち着か居ない感じが続いてい居る。
ふと、コロナ前の今日は何してたっけ?と思って考えた。2019年の8月3日に何をしたかなど、私の貧弱な記憶力では検索不可能であるが、今どきはGoogleフォトさんが記憶を鮮明に呼び戻してくれる。もう最近は自分の脳みその一部はクラウドに上がっているような感じである(笑)

そして2019年の8月2日を検索してみれば、なんと自分はロンドンに居るではないか。2つ前の夏、たった2年前とは思えない。






何だか充実した顔をしている。2014年以降2年おきぐらいにイギリスへ行っていたから、その周期で言えば、今年は英国に行く年回りである。
冒頭の落ち着かない感じはそのせいもあったのだろうか。
ああ、英国恋しや。
いつになったらまた行けるのだろうか。
せめて写真をながめながら妄想の旅にでも出るとするか。

2021年7月29日木曜日

忘れてないよ

 昨日、午前中郡山で大学の授業2コマ終え、さて、昼は学食でI教授とランチ…の予定が急な打ち合わせで次回ということになり学校を出て帰途に。

運転中「そうだ、松川PAでかき揚げ蕎麦でも食べて帰るかと」思い立ち、立ち寄ると、お食事エリアが満席で入り口付近まで人が溢れているのを見て、あっさり諦め再び移動。

空腹感というものはこんな時に増すもので、福島飯坂インターを過ぎた頃、突然どうしてもラーメンが食べたくなった。

「そうだ、白石の名店、中華亭に行こう!」我ながら素晴らしい思いつきだと自画自賛しつつ高速を降りて目指した中華亭。

ところが、


ふう。ま、こんな日もあるか…。

台風が通り過ぎたと思われる白石の空を見上げた。

 


仙台に到着して、もう一軒ランチに挑戦したのだが、こんどは駐車場が満車であえなく撃沈(笑)結局5か所目の我が事務所でカップラーメンでの遅いランチとあいなった。


実のところ、昨日は、朝からちょっと考えていた。

お茶目なドラマーの健ちゃん、今年はどんないたずらしてくるのかなって(笑)

大丈夫だよ~

忘れてないよ~ 



2021年7月26日月曜日

有難うございます。無事に『梵天丸』上演完了

 おかげさまで昨日ミュージカル『梵天丸』上演無事終了いたしました。

本来であれば、昨年上演予定であった創立30周年記念公演。1年遅れましたが、私どもSCSミュージカル研究所の上演継続の趣旨にご賛同いただき支えてくださいました全ての皆さま、こうした状況のなかでも劇場までおいで下さいましたお客様に、この場をお借りして、心から御礼申し上げます。

感染症対策を施しながらの上演は、コロナ前の公演よりも多くの労力を時間を要します。最後の1分1秒まで気を緩めず、ご尽力いただきましたスタッフの皆さま、キャストの皆さまにも心から御礼申し上げます。

コロナ対策で客席は半分にしておりましたが、こうした状況のなかでも劇場までおいで下さいましたお客様、ほんとうにありがとうございます。

写真は2枚ともゲネプロ(最終リハーサル)で私がスマホで撮影したものです。

 



照明の塚本悟先生と演出の梶賀千鶴子先生。劇団四季時代から数えるとおよそ50年になるという、現役バリバリの名コンビです。

尚、舞台写真はSCSミュージカル研究所のインスタグラムでご覧になれます。(下記)

https://www.instagram.com/scsmusical/


2021年7月21日水曜日

夏の朝

ミュージカル 『梵天丸』の音楽を担当してくださっている上田亨さん、照明デザインの塚本悟さん、そして作者の梶賀千鶴子センセをお連れして、伊達政宗公が眠る「瑞鳳殿」に行ってきました。


出演者、スタッフを代表して舞台の安全と成功をお願いして参りました。

米沢に生まれ、この地に眠る政宗公。手を合わせ作品上演に臨む私の決意もお伝えしました。同時に胸にさまざまな想いが去来いたしました。

とても清々しい夏の朝となりました。



2021年7月14日水曜日

ミュージカル『梵天丸』PV

いよいよ30周年の記念ミュージカル『梵天丸』の公演が近づいてきた一昨日、20歳前後の学生を中心とした若者たちで創ってくれたプロモーションビデオが公開されました。

 ミュージカル梵天丸PV

(↑クリックでご覧になれます)

昨年来のコロナの影響で私も映像関係の作業をすることが格段に増えたけれども、彼らにはかなわない。

スマートフォンと事務所にあった機材だけで、こんな映像が創れるものなんですなぁ。

彼らの柔軟で素敵な感性に脱帽です!

お時間のある方はぜひご覧になってみてくださいね。


スランプ?

ほんとうは、毎日ブログ記事を書きたいのだが、なかなか書けない。

時間がないわけではない。書きたいことはたくさんあるのだが、ありすぎて頭の中はオーバーフロー気味である。

たかだかブログ書きごときにスランプなんてあるのかなぁと思いつつこうして書いている矛盾(笑)。世の中は矛盾で出来ている。

 

2021年7月8日木曜日

微かな夏

雨もそんなに悪いもんじゃないなぁと感じ始めたのはいつごろからであろうか。

雨の日は、傘をさしたり、ワイパーを動かしたり、少し霧がかかったようになったりと、少し視界が狭くなる。

ちょっぴり孤独な感じもあって、それも悪くないなと。




ミュージカルナンバーに『雨に唄えば』というのがあるが、私の場合雨が降っている中であんなふうにダンスを踊りたくなったりしたことは、残念ながら今のところはない。
それにしてもジーン・ケリーが傘を持って演じたあのシーンは何度観てもまた観たくなる魅力がある。あの時代のミュージカル映画では最も好きなシーンのひとつだ。

そんなこと思いながら雨上がりの道を歩くと、微かに夏のにおいがした。

東京では4回目の緊急事態発出が決まったそうな。コロナでこの先の視界が少々悪くなっているものの、時の流れと地球全体のいのちの営みは変わらない。確かに季節はめぐってくる。

無為自然、と呟いてみた。



2021年7月3日土曜日

例えば5年前

今どきは、写真もデジタル化されてデータが撮影時刻を記録してくれている。したがって、クラウド上のアルバムなどに放り込めば当然時系列で並べてくれる。これがまたちょっと昔の公演で使った道具や衣装を確認するときに便利なのである。

難点は、ついつい目的以外の写真を眺めてしまうことである。例えば〇年前の今日、とか。因みに5年前の今日は仙台市民ミュージカル『仙台ねこ』のオーディションの日であった、などということがわかるのである。

 


そうすると、あれからまだ5年なのか、もう5年なのか…個人的には自分の価値観に大きく影響するようなことがいくつか起こったこの5年であったなぁ、などと考えたりするのである。

世阿弥の残した『風姿花伝』には「時分の花」「まことの花」という言葉が出てくるが、オーディションなどをやったときにはいつもその言葉を思い出す。翻って今、果たして花伝書の中に書かれている年齢的でいえば人生の最後の段階に入っているような我の行く末やいかに。


2021年7月1日木曜日

新情報



徹夜に近い状態で仕事をしていると、差し入れが届いた。

 宮城 だっちゃ ずんだ抹茶 フラペチーノ®という代物らしい。

研究所にはさまざまな世代が出入りしているので、新しもの好きの人もいる。

こういう情報はありがたい(笑)



2021年6月26日土曜日

ひと月

昨夜米沢のお稽古場を出て、ふと空を見上げると、月が昇ってきたところであった。

何となく雲の形がフェニックス(不死鳥)のように見えた。


 

次の満月は7月24日(土)、
この地で生まれたミュージカル『梵天丸』の仙台公演初日だ。 

まさしく「ひと月」後。


2021年6月22日火曜日

夏至

昨日は夏至だったのだそうな。この日を境に日照時間が少しづつ短くなるんですね。そして物の影が一番短い日。

昼さがり、銀行に用事があったついでに少し散歩。何気なしに青葉通りで写真を撮った。屋台の開店準備がはじまっていた。

 


私が仙台に来た40年前は通りのあちこちに屋台があったのだけれど、もう仙台にある屋台はこの1軒のみ。屋台営業は事実上新規参入は出来なくなっているから、こうして歩道に伸びる屋台の影もいつかは消えてゆくのであろう…。

 

 

2021年6月19日土曜日

梅雨入り

ラジオから東北地方が本日梅雨入りとのニュースが流れた。
こどもの頃と違って、近ごろ雨はそれほど嫌いじゃない。

しかし一方で、今日のような雨の日はもちろん、風が強かったり、ちょっと寒かったり、まして雪なんか降る日ニャアもう、散歩でたまに出会うノラネコさんたちがどんなふうにそれらをやり過ごしているのか、気になってしょうがなくなる。




T・S・エリオットの『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』[The Old Possum's Book of Practical Cats]でも、読み返してみようかななどと思う雨の一日。


2021年6月14日月曜日

いまなお続く挑戦

 昨日G7が終了したとのニュースを見た。今回はその会場が英国「コーンウォール」と聞いていたので会期中は(私の家にTVは無いため)新聞やネットで触れるG7ニュースの「背景」が気になった。

なぜならコーンウォール地方は、数年前にまだ中学生であった娘を連れて「父親二人と娘が4人」という チームでレンタカーを借り旅をした地域である。盟友S教授の「純ちゃん、二人で英国にある小さなお城を借りてみない?」という突拍子もない発言が発端となった、ひと夏の愉快な旅であった。

G7のことは門外漢なのでわからないが写真や動画にうつるコーンウォール地方の背景映像は、あの夏の旅を思い出させた。2014年以来2年ごとに英国を訪れていた定期的な英国への旅は新型コロナウイエルスの影響で中断している。ワクチンが世界に行き渡るまで、もうあんな気楽な旅はできないであろう。

さて、今回のパンデミックにより、現代社会における政治面、経済面での脆弱性が世界中で露呈したことは言うまでもない。では、地域における芸術活動にどんな影響があったかと問われれば、経済活動も芸術活動も表裏一体の部分があるから、もちろん影響は大きい。しかし、ネガティブな面ばかりでもないのである。

そのひとつに(私も音楽家の端くれとの認めていただけるなら)長年音楽を一緒につくってきた先輩たちと音楽家同士としての「問答」をする時間が増えたということがある。例えば昨年春にはある先輩音楽家と「今我々にできること」という問答を、2か月近くにわたりZoomやGoogle Driveなどを利用して非接触状態で行った。二人の会話はとどまることなく続き、内容はあまりに巨大なプロジェクトとなったために一旦塩漬けにしてあるが(笑)、昨年二人で絞り出したアイディアたちは、いずれ日の目を見ることがあるのではという密かな期待感が続いている。塩漬けがおいしく頂ける時期を待とう。

また、年明けからは、七ヶ浜町の皆さんと「感染防止策を講じた舞台作品制作」という実験的な試みも進めることができた。多くの皆さまのご協力を得ながら進めてきた半年にわたるそのプロジェクトは、今月いよいよ最終段階に入った。

先週はそのポストプロダクションの一環である「声」を収録する作業を行ったが、個人的には、昨年春に一見非生産的とも思われる問答を繰り返した経験が無駄ではなかったことを実感する時間となった。

 


七ヶ浜町は大好きな町だ。しかしご承知のように10年前の東日本大震災では町の三分の一にあたる面積が津波被害を受けた場所。そしてその復興に際し地元のミュージカルグループが一定の役割を果たしてきたことは、このブログでも何度か触れてきているとおりである。ところがあれから10年経たずに今度はコロナ。 

今回町の皆さんと取り組んだプロジェクト完了後の正式な発表は、来月7月中に町から出されると聞いている。その折には改めて皆様にもご紹介したい。

ともかく、太平洋に面した海辺の町にあるホールの災害復興期における芸術活動への挑戦は今なお続いているのである。


2021年6月10日木曜日

ほんとは31年だけど、30年を記念して

 伊達政宗公は米沢で生まれた。そして、政宗公の幼名からタイトルを頂いたミュージカル『梵天丸』という作品は、生誕400年の年に米沢で初演された。

政宗公は奥州の覇者となり「独眼竜」と呼ばれたが、「独眼」の所以となったのは幼いころに罹患した疱瘡、即ち天然痘による失明である。さらに言うと、それはウイルスによる感染症が原因である。歴史を紐解けば、我々人類はこうしたウイルスとの闘い、パンデミックを乗り越えて生き残ってきたという見方もできるであろう。

それにしても『梵天丸』を制作・初演したころには、ウイルスによるパンデミックで我々が生きる現代社会が脅かされることなど夢見だにしなかった。今や「独眼竜」という響きはコロナ禍を跳ね返すパワーを秘めているようにすら感じる。

思えばこの10年で、我々は大震災とパンデミックという2つの大きな災害を経験している。実のところ東日本大震災のちょうど400年前には、宮城県で同じような規模の地震と津波に襲われたという記録が残っている。しかしその2年後の1613年には政宗公が巨大帆船を建造しローマへ慶長遣欧使節団を派遣した。そこには大災害を戦略家として乗り越える知恵と力が秘められているようにも感じる。

翻って、我々がSCSミュージカル研究所創立30周年を記念して計画していたミュージカル『梵天丸』。パンデミックで1年の延期を余儀なくされたが、粛々と延期公演の実現へむけて準備を進めている。時代が提示する不思議な符号と、政宗公のパワー、知恵を感じながら。

ほんとは31年だけど、30周年記念公演のチラシが出来た。

 



 



2021年6月9日水曜日

甘い記憶

今もまだあるのでしょうか?「飛び出す絵本」。子どもの頃に読んだその飛び出す絵本シリーズ(しかけ絵本って言ってたかな?)の『ヘンゼルとグレーテル』。おいしそうなお菓子の家が飛び出す前のページからドキドキして、お菓子の家はどこかに本当にあるかもしれないと思っていた頃の自分を思い出しました。

さて、週の初めに事務所へいただいたケーキ。差し入れしてくれたのは教え子の男子ですが、そんな「甘い記憶」(笑)がよみがえります。




ちなみに私が頂いたのはこちら。


ごちそうさまでした(^^♪


2021年6月7日月曜日

現象のひとつ

空を見上げることが好きである。

夜空には宇宙を、青空には地球を感じる。


先週はちょっとした用事のついでに、学生時代の散歩道へ行ってみた。

風景はまったく変わっていたが、青空は昔と変わっていないように見えた。



そうすると、なんだか自分は地球に現れては消える「現象」の一つのような気がして、すべてのことがたいしたことじゃないようにも思えてきた。


2021年6月4日金曜日

白いお皿

 近頃はスマホでも本が読めるので、目が疲れない程度にページを眺める。

少し時間があると次の舞台やコンサートに向けての勉強をする。サイトウミノル氏とのユニットで立ち上げた「Musical Picture Book」というライブ形式は、第2弾をこの秋に準備しているところである。

その関係で『注文の多い料理店』をスマホで読み返していると「真っ白なお皿」という単語が目にとまった。「あとはあなたがたと菜っ葉をうまくとりあはせてまっ白なお皿にのせる丈けです。はやくいらっしゃい。」というくだりである。今まで何度も何度も読み返してきて殆ど気とまらなかった箇所だが、この日はなぜか自分が30代のはじめにつくった曲に『コクーン』というのがあって、その中の歌詞に「白いお皿の上で俺の心がころがる」という部分があったことを瞬時に連想したのであった。

どちらもイリュージョンの中での表現ということで括ることもできるだろうが、西洋を連想させるものに「白い皿」があるのかもしれない。

なぜなら、自分の無意識のなかに白い皿=西洋というイメージがあったたとすれば、70年代から80年代にかけて西洋音楽にどっぷりつかっていたことを自嘲した表現だったかもしれないと感じたからである。…「白いお皿」をめぐって、30年近くの時を経てからいろんな思いが連鎖し始めた。

風呂上がりの妄想は続く。

 


2021年5月30日日曜日

曇りなき心の月

従前の記事で、スーパームーンのことに触れたが、実は先週のこと、顔や腕や足の先辺りの細胞が動き出しているような感覚の夢を見た。目を開けるとそれは部屋の中を明るく照らす「月光」の仕業であった。
美しい、何とも美しい光である。

うっかり西の窓のカーテンを閉め忘れて眠りに落ちてしまっていたらしい。私は全身に月光を浴びていた。




目が覚めしまったので、暫くその月光を浴びていると伊達政宗公の辞世の句「曇りなき心の月をさき立てて、浮世の闇を照らしてぞ行く」の中に出てくる「月」の事が思い出された。

この句の現代語訳の多くは「心」の部分が殆ど触れられていないか、または私にとってしっくり来ない訳が多かった。心がその前後のどちらにかかるのか若しくは両方にかかるのか…長い間浅学の私にとっては謎が多すぎる句であった。しかし、この晩私は月光を浴びながら、腑に落ちた。
ひょっとすると「照らしてぞ行く」に祈りが込められているのではないだろうか。

腑に落ちたこの感覚を胸に、今夏のミュージカル『梵天丸』のプロデュースを成就させたい。

スマホの写真ではわかりづらいが、赤い光の右下、暗くなっているあたりに政宗公が眠っている。
満月直前の月は、そこをめがけて沈んでいくようにも見えた。





2021年5月26日水曜日

ムーン

今夜は24年ぶりのスーパームーン皆既月食とか。

24年前と言えば、年に何度か米国へ行っていた頃。皆既月食の記憶が無いのはそのせいか?それとも単に忘却の彼方へ記憶が押しやられたのだろうか?ただ「スーパームーン」とか「ブルームーン」なんて言い方は耳にしたことはなかったなぁ。

さて、この時期に外を歩くのは気持ちが良い。仕事の合間に散歩していると街の様変わりと月日の流れをあらためて感じる。30数年前ビルの23階で仕事をしていた自分はどこにいったのだろうか。今はその向かいにさらに高いホテルが。日常の雑事をちょっと忘れて頭が整理されていくような気がすることがある。

 


 

文字通り「気のせい」かもしれないが(笑)

 

2021年5月24日月曜日

足踏み式消毒スタンド

今日は、仙台市の大規模接種会場で高齢者向けのワクチン接種がはじまったというニュース、そして宮城県内の新規感染者が一けたになったというニュースが流れていた。

一時は新規感染者が200人を超えたこともあった仙台だから「一けた」になったと聞くとちょっと安心してしまいそうだが「順調に見える時が一番危ないのだ」と教えてくれたのは、私が大学を出て会社員になった時の最初のボス…もう30年以上前のことだが。その後自分で会社を経営するようになっていまだにその言葉を時々思い出す。

数字だけを見れば、感染者がこの辺で減り始めているようにみえるが油断禁物。こういう時こそ気を引き締めておかなくては。先日オフィスと稽古場に、足踏み式消毒液スタンドを合計3台追加導入した。なんとドラムセメーカーとして有名なパール社製である。


 

ハイハットスタンドや、パーカッションなどの小物置きを組み合わせたものだろうか。なかなか頑丈でよい(^^♪ さらにハイハットペダルを踏む感じで遊びながら消毒する感じもこれまた良いのである。