SCSのお稽古場近くには、仙台市青葉区中央市民センターがあります。
普段は劇場での公演が多い私たちですが、
先週末、初めて市民センターでのミニミュージカル上演が実現致しました。
演目は『忘れたい忘れない』。
仙台市地下鉄の荒井駅のところにある3.11メモリアル記念館と同市民センターの共同企画です。
会場いっぱいにお集まりいただいたお客さまには、普段の劇場公演とはまた違ったシンプルな舞台でのパフォーマンスをお楽しみ頂きました。
シンプルな舞台を見つめながら、震災直後のことをいろいろと思い出していました。
水が飲めること、明かりがあること。
シンプルなことへのありがたさをあらためて感じていました。
2018年8月28日火曜日
2018年8月23日木曜日
うつせみ
東鳴子温泉のとある場所で見つけた脱け殻。
逝く夏を告げているのか、いや、夏が置き去りにしていったのか。
そして僕は「うつせみ」という言葉を説明するのに、半日近くかかったことがあるのを思い出した。
今から20年以上前のこと。サンフランシスコ近郊にある録音スタジオで『Secret Plan』というアルバムに収める為の曲を録音しようとしていた。そのうちの1曲が『うつせみ』。
プロデューサーのスコット・マシューズ氏は、取り組む楽曲のイメージをとことん追求するタイプの男であった。うつせみの歌詞の意味を問われた私は、拙い英語で悪戦苦闘。
しかし、その録音に参加していたミュージシャンもエンジニアも日本語を理解するものは皆無。でも紙とエンピツも使って一生懸命説明した。止せばいいのに源氏物語やコクーンの話にまで発展して、事態は複雑になるばかりであった。
はたしてわかって貰えたのかどうか未だ謎であるが、録音テープも回さずに、彼らは僕と半日近く空蟬についての会話を楽しんでいたことは間違いない。幼いころからの僕の蝉に対する向き合い方はどうやら彼らにとって奇異に映っていたらしい。
なぜなら、スタジオに居合わせたメンバーでホンモノの蝉を見たことがあるのは僕一人であったから。
逝く夏を告げているのか、いや、夏が置き去りにしていったのか。
そして僕は「うつせみ」という言葉を説明するのに、半日近くかかったことがあるのを思い出した。
今から20年以上前のこと。サンフランシスコ近郊にある録音スタジオで『Secret Plan』というアルバムに収める為の曲を録音しようとしていた。そのうちの1曲が『うつせみ』。
プロデューサーのスコット・マシューズ氏は、取り組む楽曲のイメージをとことん追求するタイプの男であった。うつせみの歌詞の意味を問われた私は、拙い英語で悪戦苦闘。
しかし、その録音に参加していたミュージシャンもエンジニアも日本語を理解するものは皆無。でも紙とエンピツも使って一生懸命説明した。止せばいいのに源氏物語やコクーンの話にまで発展して、事態は複雑になるばかりであった。
はたしてわかって貰えたのかどうか未だ謎であるが、録音テープも回さずに、彼らは僕と半日近く空蟬についての会話を楽しんでいたことは間違いない。幼いころからの僕の蝉に対する向き合い方はどうやら彼らにとって奇異に映っていたらしい。
なぜなら、スタジオに居合わせたメンバーでホンモノの蝉を見たことがあるのは僕一人であったから。
2018年8月21日火曜日
田園の酒蔵
今年から始めたSCSミュージカル研究所指導員研修合宿。
第2回研修会初日の昨日、最初のプログラムは、何と造り酒屋さんの見学。
SCSの作品ではいつも「いのちへの慈しみ」をテーマとしています。
かつて私たちは良質なお米のルーツ、そして酒米としても有名な「亀の尾」の生みの親「阿部亀治」のミュージカルを創ったことがありました。
当時お世話になったのは余目町(現山形県庄内町)の鯉川酒造さんと並んで、この「宮寒梅」さん。突然の申し出にも関わらず我々研修チームを快く迎えてくださいました。
広々とした田圃の真ん中に佇むこの酒蔵は、今年で創業百年になるのだそうです。
東日本大震災による甚大な被害から奇跡の復活を遂げたこの酒蔵。
まだ一部蔵の修理など進行中のようでしたが、お酒造りにかける愛情と情熱は、私たちのミュージカルづくりにおいても、おおいに勉強になるところでありました。
このあと、我々研修チーム一行は、東鳴子温泉の大沼旅館へと投宿したのでありました。
第2回研修会初日の昨日、最初のプログラムは、何と造り酒屋さんの見学。
SCSの作品ではいつも「いのちへの慈しみ」をテーマとしています。
かつて私たちは良質なお米のルーツ、そして酒米としても有名な「亀の尾」の生みの親「阿部亀治」のミュージカルを創ったことがありました。
当時お世話になったのは余目町(現山形県庄内町)の鯉川酒造さんと並んで、この「宮寒梅」さん。突然の申し出にも関わらず我々研修チームを快く迎えてくださいました。
広々とした田圃の真ん中に佇むこの酒蔵は、今年で創業百年になるのだそうです。
東日本大震災による甚大な被害から奇跡の復活を遂げたこの酒蔵。
まだ一部蔵の修理など進行中のようでしたが、お酒造りにかける愛情と情熱は、私たちのミュージカルづくりにおいても、おおいに勉強になるところでありました。
このあと、我々研修チーム一行は、東鳴子温泉の大沼旅館へと投宿したのでありました。
2018年8月19日日曜日
こころに刻む
千年に一度といわれる地震を体験した私たち。
そして大津波で奪われたいのち、家、土地。
特に命日でも震災後の区切りの日でも有りませんが、未だに時折「こころに刻んでおかなくては」という、自分では説明のつかない衝動に駆られます。
お盆が過ぎて、急に風に秋が混じり込んできたような昨日。
南三陸町の志津川(しずがわ)地区と歌津(うたつ)地区を訪ねました。
私たちSCSメンバーは、そこがまだ歌津町であった頃12年に亘り通って子供たちとミュージカルづくりに励んだ経験を持っています。
昨日は、震災後に同地区への支援活動でお世話になった仲間と、視察という名目ながら「こころに刻む」小さな旅をしました。
たけちゃんが最後まで防災無線のマイクを握っていた、あの防災庁舎。
かさ上げ工事かな。そこへ近づくことは出来ず、遠くから眺めるのみでありました。
私たちが通ったころの街並みと、友人の何人かはもうそこには有りません。
しかし、ちゃんと「こころに刻み込んで」います。
これからも。
そして大津波で奪われたいのち、家、土地。
特に命日でも震災後の区切りの日でも有りませんが、未だに時折「こころに刻んでおかなくては」という、自分では説明のつかない衝動に駆られます。
お盆が過ぎて、急に風に秋が混じり込んできたような昨日。
南三陸町の志津川(しずがわ)地区と歌津(うたつ)地区を訪ねました。
私たちSCSメンバーは、そこがまだ歌津町であった頃12年に亘り通って子供たちとミュージカルづくりに励んだ経験を持っています。
昨日は、震災後に同地区への支援活動でお世話になった仲間と、視察という名目ながら「こころに刻む」小さな旅をしました。
たけちゃんが最後まで防災無線のマイクを握っていた、あの防災庁舎。
かさ上げ工事かな。そこへ近づくことは出来ず、遠くから眺めるのみでありました。
私たちが通ったころの街並みと、友人の何人かはもうそこには有りません。
しかし、ちゃんと「こころに刻み込んで」います。
これからも。
2018年8月12日日曜日
花火
昨日は七ヶ浜国際村で久々に昼間(笑)のお仕事でありました。
その事務室で「今日は菖蒲田浜(しょうぶたはま)で花火大会だから夕方は付近が渋滞するかもね」という職員さんのことばに「今日は仕事を終えたら早めに帰ろうかなぁ」などと応えているときに、ふと思い出したことがありました。
それは東日本大震災の翌年。津波で何も無くなった浜の住宅地で打ち上げられた花火です。私は幸運にもこの国際村ホールの屋上から見ることが出来ました。
折しも昨日は11日。
月命日ということもあって、あの日花火を見た場所へ行って見ました。
この写真からは想像できませんが、当時はこのすぐ下まで津波が押し寄せました。
緑の木々と遠くに見える青い海と白い雲、眩しい夏空は、震災の記憶を風化させまいとする私たちとは違って、風化したがっているようにも感じました。
こうした美しい景色、四季の移ろいなどを見るにつけ感じます。
自然に対して人間は無力です。
その証拠に、雲の形も葉っぱの色、数、陽が傾いて伸びて行く影。それらを誰もコントロールすることは出来ません。
スーパーコンピュータもAIも、地震予知はもちろん、台風の進路予想さえ正確には出来ないのが現実です。そして。私たちは自然と対話を重ねながら共生していくほかないのだと、まさにこの美しい景色から諭されたようなひと時でありました。
おっと、花火の話をするつもりが横道に逸れました。
夏の陽射しの幻惑でしょうか。
その事務室で「今日は菖蒲田浜(しょうぶたはま)で花火大会だから夕方は付近が渋滞するかもね」という職員さんのことばに「今日は仕事を終えたら早めに帰ろうかなぁ」などと応えているときに、ふと思い出したことがありました。
それは東日本大震災の翌年。津波で何も無くなった浜の住宅地で打ち上げられた花火です。私は幸運にもこの国際村ホールの屋上から見ることが出来ました。
折しも昨日は11日。
月命日ということもあって、あの日花火を見た場所へ行って見ました。
この写真からは想像できませんが、当時はこのすぐ下まで津波が押し寄せました。
緑の木々と遠くに見える青い海と白い雲、眩しい夏空は、震災の記憶を風化させまいとする私たちとは違って、風化したがっているようにも感じました。
こうした美しい景色、四季の移ろいなどを見るにつけ感じます。
自然に対して人間は無力です。
その証拠に、雲の形も葉っぱの色、数、陽が傾いて伸びて行く影。それらを誰もコントロールすることは出来ません。
スーパーコンピュータもAIも、地震予知はもちろん、台風の進路予想さえ正確には出来ないのが現実です。そして。私たちは自然と対話を重ねながら共生していくほかないのだと、まさにこの美しい景色から諭されたようなひと時でありました。
おっと、花火の話をするつもりが横道に逸れました。
夏の陽射しの幻惑でしょうか。
2018年8月11日土曜日
次回SCS公演チラシできました!
来月は、SCSミュージカル研究所オータムスペシャルです。
お盆を過ぎると東北の秋は一気にやってきます。そして毎年秋ごろにSCSが取り組んでいる舞踊劇「文芸倶楽部」シリーズ。
今回は『ともだち』~走れメロス~(原作:太宰治)と
ダンスショーの『DANCE DAISUKI』
の2部構成です!
とき:2018年
9月15日(土) ①18:00
9月16日(日) ②11:00 ③15:00
ところ:仙台市福祉プラザ ふれあいホール
チケット:2,500円(税込み前売り価格、全席自由)
問合せ:022-224-7051
(チラシはダブルクリックで拡大できます。ダウンロード利用可)
お盆を過ぎると東北の秋は一気にやってきます。そして毎年秋ごろにSCSが取り組んでいる舞踊劇「文芸倶楽部」シリーズ。
今回は『ともだち』~走れメロス~(原作:太宰治)と
ダンスショーの『DANCE DAISUKI』
の2部構成です!
とき:2018年
9月15日(土) ①18:00
9月16日(日) ②11:00 ③15:00
ところ:仙台市福祉プラザ ふれあいホール
チケット:2,500円(税込み前売り価格、全席自由)
問合せ:022-224-7051
(チラシはダブルクリックで拡大できます。ダウンロード利用可)
2018年8月9日木曜日
パーカッション・アンサンブル
今夜は週に一度の七ヶ浜通い。
台風が接近している関係で、ミュージカルグループ「NaNaキッズクラス」の振り替えレッスンは急遽お休みといたしましたが、「NaNa5931」と「Groove7」そして「もっきんバンド」のレッスンは通常通り行われました。
写真は「Groove7」のお稽古の様子。七ヶ浜国際村のステージを使わせてもらっています。というのもいよいよ明後日はコンサート本番。
国際村をめいっぱい利用させていただいているみんなの情熱のせいか、台風もこの辺を避けて東のほうへ行ってしまったようです。
みなさんのお越しをお待ちしております!
当日は星律子さん率いる「マリンバファンタジー」の皆さんによるプロフェッショナルなマリンバアンサンブルコンサートもお楽しみいただけます!
お問い合わせは
七ヶ浜国際村 022-357-5931
当日は私も出演グループの紹介で、ちょっとだけ舞台に登場させていただきます(^^♪
台風が接近している関係で、ミュージカルグループ「NaNaキッズクラス」の振り替えレッスンは急遽お休みといたしましたが、「NaNa5931」と「Groove7」そして「もっきんバンド」のレッスンは通常通り行われました。
写真は「Groove7」のお稽古の様子。七ヶ浜国際村のステージを使わせてもらっています。というのもいよいよ明後日はコンサート本番。
国際村をめいっぱい利用させていただいているみんなの情熱のせいか、台風もこの辺を避けて東のほうへ行ってしまったようです。
みなさんのお越しをお待ちしております!
当日は星律子さん率いる「マリンバファンタジー」の皆さんによるプロフェッショナルなマリンバアンサンブルコンサートもお楽しみいただけます!
お問い合わせは
七ヶ浜国際村 022-357-5931
当日は私も出演グループの紹介で、ちょっとだけ舞台に登場させていただきます(^^♪
2018年8月5日日曜日
田園のイングランド
先週
『田園のイングランド: 歴史と文学でめぐる四八景』
という 本が彩流社さんから出版されました。
明治大学教授の宇野毅さんとのご縁で、私のエッセイも第2章のラストに掲載していただいております。私の拙い文章でも、こうして立派な本になっているのを見ると感慨深く、素直に嬉しく思います。
彩流社さんのホームページのほか、アマゾンなどからも 購入できるようです。
観光ガイドブックなどでは知りえないイギリスが見えてくる一冊です。ご興味のある方はぜひ!
2018年8月3日金曜日
『時代の裂け目に鬼が出る』公演写真4/4
『時代の裂け目に鬼が出る』公演写真 4
先週末2日間にわたり上演いたしましたSCSミュージカル研究所本公演『時代の裂け目に鬼が出る』(作・演出・振付:梶賀千鶴子、作曲:ヒロセ純、音楽監督:サイトウミノル、出演:SCSセレクション、演奏:SCSミュージカルオーケストラ)の公演の様子を、4回に分けてご紹介いたします。お楽しみください(^^♪(撮影:柏谷潔氏)両日とも沢山のお客様においで頂きました。この場をお借りして心から御礼申し上げます!
尚、このブログに掲載している写真の無断転載ならびに転用は著作権法により禁じられておりますのでご注意ください。
『時代の裂け目に鬼が出る』公演写真3/4
『時代の裂け目に鬼が出る』公演写真 3
先週末2日間にわたり上演いたしましたSCSミュージカル研究所本公演『時代の裂け目に鬼が出る』(作・演出・振付:梶賀千鶴子、作曲:ヒロセ純、音楽監督:サイトウミノル、出演:SCSセレクション、演奏:SCSミュージカルオーケストラ)の公演の様子を、4回に分けてご紹介いたします。お楽しみください(^^♪(撮影:柏谷潔氏)両日とも沢山のお客様においで頂きました。この場をお借りして心から御礼申し上げます!
尚、このブログに掲載している写真の無断転載ならびに転用は著作権法により禁じられておりますのでご注意ください。
『時代の裂け目に鬼が出る』公演写真2/4
『時代の裂け目に鬼が出る』公演写真 2
先週末2日間にわたり上演いたしましたSCSミュージカル研究所本公演『時代の裂け目に鬼が出る』(作・演出・振付:梶賀千鶴子、作曲:ヒロセ純、音楽監督:サイトウミノル、出演:SCSセレクション、演奏:SCSミュージカルオーケストラ)の公演の様子を、4回に分けてご紹介いたします。お楽しみください(^^♪(撮影:柏谷潔氏)両日とも沢山のお客様においで頂きました。この場をお借りして心から御礼申し上げます!
尚、このブログに掲載している写真の無断転載ならびに転用は著作権法により禁じられておりますのでご注意ください。
『時代の裂け目に鬼が出る』公演写真1/4
『時代の裂け目に鬼が出る』公演写真 1
先週末2日間にわたり上演いたしましたSCSミュージカル研究所本公演『時代の裂け目に鬼が出る』(作・演出・振付:梶賀千鶴子、作曲:ヒロセ純、音楽監督:サイトウミノル、出演:SCSセレクション、演奏:SCSミュージカルオーケストラ)の公演の様子を、4回に分けてご紹介いたします。お楽しみください(^^♪(撮影:柏谷潔氏)両日とも沢山のお客様においで頂きました。この場をお借りして心から御礼申し上げます!
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