2016年6月15日水曜日

レッスン、レッスン

木曜日。
宮城県七ヶ浜町『NaNa5931』のお稽古場では、新人さんたちを先輩のお姉さん、お兄さんが、丁寧に指導してくれていました。梶賀センセは別室(リハーサル室)で別チームのレッスン。
七ヶ浜では、頼もしいリーダーさんたちが育ちつつあります。
通い始めて、16年になる稽古場です。


金曜日。
山形県米沢市の『伝国座』のお稽古場では、コンサート出演が近づいているメンバーの選抜を兼ねた特訓が続いていました。こちらは、7年目のお稽古場。


日曜日。
仙台市のSCSの稽古場では、マスターコースのメンバーが、梶賀先生の厳しいレッスンを受けていました。アマチュアとはいえ、最高の技術を要求されるクラス。プロの世界へ向かう研究生もここでしっかり修行を積みます。
SCSミュージカル研究所は今年で26年目。初期の研究生の子どもたちも通うお稽古場です。


日々レッスン、レッスン、レッスンの現場。
私たちスタッフにとっても修行の場であります。
そして、稽古場の壁にはこんな張り紙が…

一生懸命だと知恵が出る
中途半端だと愚痴が出る
いい加減だと言い訳が出る

― 武田信玄 ―

 

2016年6月14日火曜日

湿度の愉しみ

仙台も昨日梅雨入り宣言があった。
全体が湿気で覆われたような街に向かって
事務所のビルから外に踏み出し、傘を広げた瞬間、

突然思い出した。先月末の金沢でタクシードライバーが、「昔はねぇエアコンなんぞ無かったから『洗濯物がなかなか乾かないわ』って、転勤族の奥さんたちは嘆いていたもんです。」などと、言っていたことを。

訪れた日の金沢は、晴れていたけれど、夕刻は、なんとなく湿気を感じる佇まいだった。



写真を撮ってみると、泉鏡花の世界を想起させる絵になる。
不思議な町である。
説明不能の引力を備えている場所。
私は町にぐっと引き込まれた。
まるで「金沢の文学」という重力波が時空を歪ませているようだ。


文豪たちにこの湿度の高い感じは必要だったのであろう。
ぼんやりと、そんなふうに想い、 金沢の空気感を反芻してみた。


梅雨時はみんながいやだというが、
今年、私はこの時期を、我が来し方行く末を想いつつ、
その湿気をひっそりと愉しんでみたい。

2016年6月12日日曜日

バーレッスン

クラシックバレエの世界では、バーレッスンは基本中の基本です。同じく、ミュージカルの世界でも、バーレッスンは基本のひとつであります。そして両方の世界で長く活躍しているダンサー、俳優、歌手のみなさんは、ほとんどがこのバーレッスンを欠かしません。
基本レッスンを欠かさないことが舞台表現者の肝であります。

SCSミュージカル研究所では、レッスンプログラムに取り込まれていることはもちろん、マスターコースの男子向け特別レッスンが、2か月ほど前から開始されています。
このレッスンは、希望者のうち、SCS主宰梶賀センセの許可がおりた者だけが受講できます。事務所の業務が始まる前の毎朝8時から90分のバーレッスン。

梶賀センセは(公演日以外)1日も欠かさず、身を挺しての指導に当たってくださっています。


この2ヶ月間でのバーレッスンの成果はすばらしく、ダンサーとしての筋力増強に伴って彼らのシルエットがシャープに変わってきています。さらに各人が「朝型人間」に変わってきたということも、大きな成果。彼ら曰く1日を大変気分よく過ごすことができるのだそうです。


一方、積み重ねの力は、いつしか大きな壁を破るほどの力となっていきます。
師匠からの厳しい声を浴びる朝の時間、彼らの日々の鍛錬は、それぞれの人生のなかで貴重な財産となっていくことでしょう。

2016年6月11日土曜日

笹巻

山形の郷土料理に「笹巻(ささまき)」というものがあります。
端午の節句の時期から初夏にかけて、母がよくつくっておやつの時間に出してくれたものでした。
今風に言えば、私にとってこの季節の最高の「スイーツ」です。

先日、舞台の合間に、劇場でスタッフと立ち話をしているときに、山形の話題になり、突然、強烈にそれが食べたくなりました。
ダメもとで、居合わせた山形出身の研究生のお母さん(と言っても私よりはるかに若い!)に、笹巻をつくれる人、どなたかご存じないかと問うてみました。すると、意外にも簡単に「私の母がつくれますよ、頼んでみましょうか」との応え。

数日後に事務所に届いたのがこれです。


山形に住む研究生のおばあちゃん(といっても私の年に近い!)が、早速ご近所に笹を取りに行ってくださったそうで、それともち米で「ささまき」こさえて送ってくださいました。

青い笹の葉っぱをそぉっと外して、きなこと黒蜜をつけていただく、この「ささまき」。
一気に少年時代が蘇ります。懐かしくて、うれしくて、涙が出そうです。
材料は全て地元です。そして完全なる手作り。

事務所の若い衆とともにいただきました。

それにしても、味の記憶は不思議です。
あっという間に、時空を駆け巡って、自分を当時の居場所まで連れて行ってくれます。


2016年6月10日金曜日

SCS本公演新作『ブリリアンの秘密』チラシ

SCSミュージカル研究所本公演 『ブリリアンの秘密』
上演は
7月23日(土)&24日(日)@電力ホール
作・演出・振付:梶賀千鶴子
音楽:ヒロセ純、日高哲英
出演:藤田和正、佐藤一成(客演)、SCSミュージカル研究所ドリームキャスト

詳細は添付チラシ
(ダウンロード利用可)をご覧いただければ幸いです。



 皆さまのお越しを出演者スタッフ一同、心よりお待ち申し上げております(^^♪

2016年6月9日木曜日

先日、岩手県の陸前高田市にて…ご承知のように、ここは、さきの大震災にて津波による甚大な被害を受けた土地です。その被害状況は、以前このブログでも少し記事にしたことがありました。
今回は津波のお話ではなく、その陸前高田市に建つ、あの地震でも壊れることのなかった日本の伝統技術の話題。

訪れたのは気仙大工左官の匠の技を駆使した建物のある「伝承館」。


解説してくださった方によれば、震災で一部壁が崩れたりしたところはあったが、地震よって建物自体は、かえって「締まった」のだとか。地元の木材を使用しボルトや釘一切使わない伝統的な技が功を奏したのでしょう。


そのエピソードを聞いた時、震災後、もともと海岸に自生していたような植物は津波の塩水にひたっても枯れなかったという話を思い出しました。日本で生まれて日本で進化した工法には、起こりうる災害も想定した先人たちの知恵が息づいているのかもしれませんね。


屋内に入ると、縁側からの光の入り具合や、欄間の陰影など、実にうつくしく、電気が無かったころの日本家屋内部の陰影を想像し、その妙にしばし浸ったのでありました。


そして、茅葺き屋根の虫よけに焚かれていると思われる囲炉裏とその煙は、私に懐かしい記憶を運んできてくれました。


こうした建築や室内の調度品などの佇まいは、なぜか私をとても誇らしい気持ちにさせるのでした。
日本人としてのDNAが視覚や嗅覚、触角を刺激したのかもしれません。同時に日本のものを軸にした芸能や技は、私たちが舞台に関わるものづくりを行う際にも、心しておきたいものだと強く思ったのでありました。


2016年6月7日火曜日

チンドン

日曜日に大船渡市で開催された「ちんどんまつり」を拝見しました。
会場は「リアスホール」。
以前、平泉ミュージカル『夕焼けの向こうに』を上演させて頂いたとき以来、3年ぶりのホール訪問でした。
ちんどん屋さんを舞台で観たのは初めてでした。それが兎に角、理屈抜きで楽しい!1000席以上ある会場はほぼ満席!
幸運にも、プロの日本一、アマの日本一、それぞれのステージも観ることが出来て、感動しました。
ちんどん屋さんたちの音楽性の高さやテクニックにもビックリ。
大船渡って、すごい町です。
また訪れたい町です。

2016年6月6日月曜日

パーカッション&マリンバライブの夏

宮城県七ヶ浜町にある七ヶ浜国際村からチラシが届きました。
アフリカの楽器「ジャンベ」やマリンバを中心に演奏活動をしている「グルーブ・セブン」と、その指導にあたる星律子先生のグループ「マリンバ・ファンタジー」のジョイントコンサート。
さらに、今年は「もっきんバンド」という七ヶ浜で今年度誕生したグループの初演奏も加わります。



夏のひととき、マリンバの音色やアフリカの楽器の音に耳を傾けるひととき、いかがでしょうか。皆さまのご来場を心よりお待ちしております!
お問合せは、七ヶ浜国際村 電話 022-357-5931 まで。

2016年6月4日土曜日

幼年時代

先月末日、金沢を訪れる機会に恵まれました。
初めての金沢。「文学のまち」とも称されるこの町を巡った2日間は、感動の連続でありました。

そのひとつ。室生犀星が育ったお寺「雨宝院」では、幸運にもご住職自らのご案内にてお寺の中を拝見し、文豪の生きた時代に思いを馳せることができました。


お寺の裏手の縁側から見えるのは犀川(さいかわ)です。
犀星さんの名前はこの川にちなんでいると言われています。
昔は、このお庭がもっと奥まであって、川岸に直接降りることができたのだそうです。


雨宝院では、住職さんから室生犀星にちなんだ様々なエピソードをお聞きすることができました。
ご住職のお話に耳を傾けつつ「あの『抒情小曲集』も、この場所で書かれたのだなぁ」と、それを初めて読んだ「幼年時代の自分」を、ちらと思い出したり。

そんなわけで、仙台に戻ると、早速、室生犀星の『幼年時代』を読み直しました。すると、子どもの頃に読んだ印象とは全く違うものでした。ゆかりの地を訪ねたせいか、街並みや、そこへ降る雪のようすなど、描かれている場景が、文字から立ち上がって、鮮やかに眼前に広がるようでありました。

雨宝院の後には室生犀星記念館も訪ねましたが、そこで特に印象的だったのは、あの犀星さんの前にある火鉢に両手をかけてくつろぐ猫の写真。(ネットでも検索するとすぐに観られます)
猫好きの文豪は意外に多いですね。

それにしても、どうやら私は、どこに行っても「猫」とご縁があるようです。


2016年6月3日金曜日

ミュージカル『仙台ねこ』制作始動!

昨日、仙台市役所において、記者発表を行わせていただきました。
来年、仙台市市民文化事業団の創立30周年を記念したミュージカルを制作いたします。


仙台市市民文化事業団、仙台市、河北新報社の3者による主催で、脚本と演出を梶賀千鶴子さん、音楽を日高哲英さんがそれぞれ担当します。また、広く市民の皆さんに対して、これから制作されるミュージカル『仙台ねこ』の出演者を募集いたします。募集期間は6月24日(金)まで。

併せて、オリジナルミュージカル「仙台ねこ」のフェイスブックページも始動いたしました。
もちろん、このブログでも仙台ねこに関わる情報やエピソードなど、随時発信していくつもりです。お楽しみに。

尚、昨日の記者会見の模様が
NHK東北 NEWS WEB
KHB(東日本放送)ニュース
でご覧になれます。

(以下、募集概要)
こちらのページから申込書をダウンロードすることも可能です。
http://web.midc.jp/bunka/event/shousai.php?id=9351


オリジナルミュージカル
「仙台ねこ」出演者募集

平成29年8月に上演するオリジナルミュージカルの出演者を募集します。

<公演内容>
 「仙台」と「猫」をテーマとした新作ミュージカル

 作・演出・振付:梶賀千鶴子(SCSミュージカル研究所)
 音楽:日高哲英
 公演日時/平成29年8月19日(土)、20日(日)
 公演会場/日立システムズホール仙台シアターホール

 応募資格/以下をすべて満たす方(※オーディションあり)
      ・小学生以上の方
      ・ミュージカル、歌、ダンス、演劇などに興味をお持ちで健康な方
      ・下記スケジュールに参加可能な方

[スケジュール]
 オーディション:平成28年7月3日(日) 東京エレクトロンホール宮城にて
 合格者顔合わせ:平成28年7月25日(月)夕方予定
 レッスン:平成28年8月より週1回(おもに月曜夜)、仙台市内にて
 特別レッスン:春・夏および公演直前に連続での強化稽古あり
 会場稽古・ゲネプロ・公演:平成29年8月17日(木)~20日(日)

★小学生以上の方
★ミュージカル・歌・ダンス・演劇などに興味をお持ちで健康な方
★7/3(日)のオーディションに参加できる方、オーディション通過後は週一回(主に月曜夜)、市内施設でのレッスンに参加可能な方
※オーディション通過後、レッスン参加料(1,000円/月)がかかります。

皆様のお申込みをお待ちしております!