2020年6月29日月曜日

この季節の色合い

梅雨どきというものは「鬱陶しい」と、ひとくくりにしてきたような気がする。
しかし、先日ふとしたことから祖父母の住んでいた家の裏庭にあった紫陽花のことを鮮烈に思い出した。もう半世紀以上前のことなのに、その色、花びらの水滴、土のにおい、なぜか克明にインプリンティングされていた。

この季節には、今しか感じ取ることのできない独特の色合いがあるものだ。特に、曇天のまま陽が落ちてゆく時間の水辺。届きにくい太陽光と水分の多い空気があいまって、目に入ってくる緑がとても深い色に感じることがある。
この時間の光の強さと色合いには、不思議な魅力がある。


しばし、その場に佇んで景色に見入っていた私。
ずっと鬱陶しいと思っていた梅雨も、
いつの間にか好きになっていたのかもしれない。

2020年6月22日月曜日

根っこに味がある

温泉街にほど近い、とあるお蕎麦屋さんの軒先で見つけた花。
遠目には紫陽花かな?と思ったのだが、どうも違う。


店主が教えてくれた。
何とこれは「ニンジンの花」。
畑で放っておいたニンジンが花をつけたのだとか。
非常に身近な存在の野菜だけに、ニンジンの姿からは似ても似つかな花の姿に驚いた。

美味しい根菜たちの花は、どれも奥ゆかしい気がする。
大根の花にしても、カブの花にしても…
派手さはないけれど、根っこにはしっかりと味がある。

なるほど。
自然が教えてくれることは、深い。
最高の先生だ。


2020年6月21日日曜日

戯言

‪2020年夏至‬の夜
Midsummer Night
シェイクスピアが描く
妖精の森では
新しく何かが区切られて
夢になる

‪時あたかも新月‬
‪今夜から少しずつ‬
‪月を満たし‬

長い昼の疲れを癒しながら
‪夜を満たして‬

私たちは
収穫の季節へ向かうのだ

フルーツケーキ

なんと、思いがけずケーキを頂きました。

「父の日」だそうです。

(私を含めて)事務所で仕事していた男性(おやじ)3人へSCSミュージカル研究所指導員全員からのプレゼントだそうです。

いや~、父の日ね、ネットの記事か何かで最近その文字を見て「あ、今月は父の日があるんだ」と認識してはいたものの、忘れていました。そうか今日でしたね。
フルーツケーキなんて、本当に久しぶりです。
すてきなホールケーキでしたので、事務所スタッフ全員でいただくことにしました。特にオヤジ3名はしみじみとその味をかみしめたのでありました。


全国のお父さんたち、そしてお父さん世代のみなさん、厳しい時代ですが、次の世代は確実に育っています。彼らにしっかりバトンを渡せるよう、お互いにがんばってこのコロナ時代を乗り切りましょうね!


2020年6月13日土曜日

June

故郷米沢を離れ、仙台に来てから40年。
この土地で大学を出て、東京本社に就職したつもりが研修後「東北支店勤務」を命ぜられ(住民票も移していたのに)たった3か月弱の都民生活を終え再び仙台に。
その時のオフィスは、宮城学院跡地に建った仙台で一番高いビルにありました。

今や、仙台で一番高いビルは、その宮城学院の向かいにあった東北学院の跡地に建った37階建ビル。
初めて一番上まで上ってみました。

来し方行く末、さまざまな想いが胸の奥を去来します。
ここで40回目の6月を噛みしめました。
あらためて仙台、いい街です。


June
自分の名前に似ているからという訳ではありませんが(笑)
いろいろと思い出深い6月です。



2020年6月10日水曜日

長く使うということ~コロナの影響

長く続いてきた自粛生活もようやくあちこちで解除または緩和が進んできているようですね。今朝は仙台市内で久々に車が渋滞しているのを見ました。
渋滞は誰も喜ばないことですから、その光景を見ながら、果たしてこれが人間的な生活なのかと少々ギモンを感じてしまったのもコロナ自粛生活の影響と言うことでしょうか。

車と言えば私にとっては日々使用する大事なもの。そして毎日使うものは長く使いたいものです。しかし前に乗っていた車は東日本大震災で廃車、その前の車はもらい事故で。それぞれ意図せず9年までしか乗れませんでした。現在の車は、17万キロほど即ち地球4周ぐらい走ってかつ9年目です。よく働いてくれています。何とか10年は持たせたい、出来れば20年もしくは30万キロまで走りたい、などと目論んでいるところです。ただ、車は13年過ぎると15%も重量税が上がるんですね。実際私の会社で所有するワンボックスカーは13年を過ぎ増税されています。環境への負荷が上がるからというのが理由だそうです。ひとつのものを長く使うほうがエコだと思うのですが…素人ながらどうもその課税根拠が理解できません。

さて、その一方、車以外で毎日使うものと言えば間違いなくトップに君臨するのが、スマホ、そしてパソコンです。音楽制作で使用しているMacは2010年購入のものをまだ使っています。でも私がもっとも触れる時間の長いPCは写真のノートパソコン「レッツノート」。


2013年に購入した後、ほぼ毎日持ち歩きイギリスにも2度ほど連れて行きました。キーボードはテカリはじめ、蓋はちゃんと閉まらなくなっていたり、ボディの角が欠けて絆創膏貼ったままだったりしますが、現役です!

ところがこの愛機、普通の事務的仕事をするのには全く申し分ないものの、コロナの影響で動画編集作業などの頻度が上がると処理速度の遅延が気になるようになりました。音も映像も編集中カクカクします。
そこでDIY!
屋内に居る時間も長いせいか珍しく自分で改造作業してみようという気になりました。本体のメモリを(この機種の規格外ですが)12GBまで増設し、750GBの内蔵HDを1TBのSSDに換装しました(写真手前は取り出したHDD)。

するとどうでしょう。なんと爆速起動PCに生まれ変わって、大学の授業で使う動画教材編集のストレスもあまりなくなりました。
ボディは絆創膏だらけで、見た目もそんなに良くありませんが、現役の愛機、もうちょっと寿命を延ばせそうです。
コンピュータを長く使うということは車を長く使うこととは違った難しさがあります。でもせっかく生まれ変わったこのPC、あと3年、何とか10年動いていてくれたら嬉しいなぁ。

2020年6月4日木曜日

坂を登って考えた

青葉山の麓。
支倉常長像辺りにて。
ジンバル持って坂を登ってきた私は少し息切れしている(笑)

彼が伊達政宗によりヨーロッパへ派遣され帰国したのは今からちょうど400年前。
ローマを目指し慶長遣欧使節団を率い、途中スペインでは洗礼を受け、しかし使命成就せぬまま7年の旅を終え帰国した時、日本国においてキリスト教はすっかり邪宗門となっていた。

大きく変化した時代の中で、彼は何を想っていたのだろう。

それから400年を経た2020年。生活や価値観が世界的に大きく変わろうとしている。
パンデミックが引き金か、世界のパワーバランス、人種やマイノリティに関する問題が表面化している。
大きくうねる時代にサムライとして初の外交官役を果たそうとした400年前の彼の胸中を察するのは存外無駄ではあるまい。




2020年6月1日月曜日

smile

6月1日。
今日からSCSミュージカル研究所のロゴマークが新しくなりました。

一方、ダンスキャプテンの佐藤花月(さとうかづき)さんが、私の曲に可愛いアニメーションをつけてくれました。
これが、なんだかとても可愛らしいのです。
たった2分の中に素敵な瞬間がいっぱいつまっているのです。
この動画の最後にも新しいロゴマークが使われています。
SCS初の自家製アニメーション作品。みなさんにもこのアニメを可愛がってほしいなぁと思うのであります。

いつでも、いつまでも、
みんなが元気で、そして笑顔でありますように



2020年5月28日木曜日

北原白秋の「物理学教室裏」という詩に初めて触れたのは確か中学1年の頃、米沢市立図書館だったかと思う。
そこに並ぶ文字は難しく何がなんだか判らないというところに、物凄い引力を感じた。
朧げながら「陰鬱」という感覚をその時初めて文章で味わったような気がする。既に算数や数学が苦手と自覚し始めた自分が「物理」という単語からの連想で激しい理系への憧れも生じていたことは間違いない。
今思えば、自分を理系とか文系とか分けるのもナンセンスであるのだが。

その時、図書館で本を手にしながら、小学校に上がる時分とある病でひと月以上外出と食事に厳しい制限があった頃を思い出した。
何事にも表とウラはあるものだ。メビウスの輪であっても、その表面のある一点から見ればウラがある。
稚拙なアタマをフル回転させて考えてみる。
そう、暗い部分があるからこそ明るさを感じるということに間違いない。

みんな、暗い気持ちになるのは悪いことじゃないのだよ。


子どもの時の厳しい外出制限の気分にちょっと似ていたこのところの感覚。
全国緊急事態宣言が解かれた夜、
「裏」を見つけてそんなことをフと思った。

仙台駅屋上にて。

2020年5月24日日曜日

【30周年記念ミュージカル公演延期】のお知らせ


ブログ読者のみなさまへ

このブログをお読みいただいている皆さま、そして私たちSCSの活動を応援してくださっている皆さまにお知らせいたします。

 私たちはこのたび、SCS創立30周年を記念し昨年から準備をすすめてきたミュージカル『梵天丸』公演(電力ホールにて7月25日~26日上演予定していたもの)を、約1年ほど延期することといたしました。

 今年度最も大きな舞台作品として準備してまいりました公演を中止しなければならないのは大変つらく厳しいことですが、公演に関係する全ての皆さまの安全を最優先させるために決断せざるをえませんでした。準備にあたってくださっていた全ての皆様に対しても大変申し訳なく、この場をお借りして心よりお詫び申し上げます。

 3月以降こうしたお知らせを重ねなければいけないこの事態は誰もが経験のないことで打開策も手探りの状態ではありますが、これまで30年にわたる皆様からのご厚情とご協力に少しでもお応えできるよう、粘り強く活動再開の道を探ります。

 今私たちは、もう3か月近く会うことが出来ていない研究生たちや子どもたちがオンラインミーティングで時折見せてくれる「舞台が大好き」という表情に大いに励まされながら、お客さまと舞台をつないだあの美しくあたたかな時間を取り戻すべく、あらゆる手段を講じ活動再開への道を拓き続ける決意を新たにしています。

 再び劇場でお会いできる日まで、どうかみなさまにおかれましても安全お健やかな時を過ごされますようお祈り申し上げます。


一般財団法人
SCSミュージカル研究所
代表理事 廣瀬 純