2013年12月8日日曜日

定禅寺通りにて

オペラを観に出かけた定禅寺通り。
少し早めに到着すると、何やら、通りにはたくさんの人が。
しかも、みんな上を見上げています。

「そうか、点灯か」
すぐにわかりました。
SENDAI光のページェント」 です。
その点灯の瞬間をたくさんの人が待っていたのでありました。

17:30に定禅寺通りのケヤキ並木が一斉に輝きだすと
「おーっ」っという歓声があちこちから聞こえてきました。


今年で、もう28回目になるのだそうです。
当初は仙台駅前やあおば通りも、キラキラしていた記憶があります。
28年前か…逆算すると不肖ヒロセ純24歳。しかしまだ、ちんたら学生やっておりました。
あの頃の友や恋人は、一体今頃何をしているのだろうか…
仙台冬の風物詩を眺めながら、ふとそんなことが頭をよぎりました。

冬の風物詩といえば、東北は冬もおいしいものが沢山あります。
前日の晩には、東京からのお客さまとともに一献というお席がありました。
そこで出てきたのが「秋田のハタハタ」。タマゴが沢山つまった一品。


せっかくのハタハタさんのいのちを全うすべく、きれいに平らげさせていただきました。うまかった~ハタハタのいのちと、お店の親方に感謝。
人間は、他の命を戴かないと生きていけないというさだめ。
昔、親から「お百姓さんが一生懸命つくったお米を残してはいけません」なんて言われたけれど、さらに、お米だってそのいのちを僕らに捧げてくれていると考えると、その言葉はいまさらながらこれまた意味深く感じられます。いのちへの感謝、そして、労働への感謝。

光りのページェントやハタハタを食べるようになると、あっという間に年の瀬です。
気が付けば今年も残り3週間ちょい。

いのちがあること、働けることに感謝しつつ、
仕事もプライベートも来年に向けて、
さらに弾みをつけていかねば。


2013年12月6日金曜日

変わりゆく景色

日本照明家協会の沢田祐二会長を、七ケ浜町にご案内しました。

まずは、町内にある文化施設、七ケ浜国際村を視察して頂きました。

ホリゾントの向こうはガラス張りになっていて、海の見える素敵な劇場です。

 

(写真中央が沢田氏)

 

ここ七ケ浜は、東日本大震災による津波で、町の面積の3分の1が被害を受けたところです。

七ケ浜国際村ホールの屋上から見ると、左手の山がすっかり削り取られ、いらゆる高台移転のための住宅敷地整備がすすめられているのがわかります。

 

 

今迄ここからは見えなかった海岸線が現れて、津波に耐えた防風林の松が疎らに見えています。

頬に、震災前と変わらないかすかな潮風を感じつつ

目の前の変わりゆく景色に複雑な想いを抱いて、屋上にしばし立ち尽くしておりました。

 

2013年12月4日水曜日

あかねちゃん、たけちゃん

あれからもう1,000日経つんだってさ。

10日ほど前にね、「常長の祈り」ってミュージカルをやったんだ。
あかねちゃんが慕っていた梶賀センセの書いた台本で、音楽を上田さんが作って、僕は常長の役を仰せつかったんだよ。

劇中の「常長の祈り」ってアリアは、タイトル曲ってこともあって、上田さんが自らピアノを弾いて、僕に表現の個人レッスンをしてくださった。
あかねちゃんも通ったSCS稽古場のピアノの上には、今も君の写真が飾ってあってね、上田さんはそれを見ながら、目を赤くして、僕以外にも誰かに問いかけるようにピアノを弾いていたんだ。
僕は、その時、
歌うって、どんなことなのか、
少しだけわかった気がしたよ。

そして、県民会館でいよいよゲネプロが始まるとき、僕はみんなに、あかねちゃんも一緒に舞台に立つって、話したんだ。きっとみんなを守ってくれるってね。
おかげで強行日程にもかかわらず、事故もなく幕を降ろすことが出来たよ。
ありがとう。

しかし、なんであかねちゃんの初舞台の前の日に津波の馬鹿野郎が来ちまったんだ。
ああ、1000日経っても言葉にならない。
だから、僕たちは、あかねちゃんが楽しみにしていた、こどもたちと一緒につくっていく舞台を、これからもずっと準備し続けるんだ。

そうそう、ところで、たけちゃん。
今回は、奥さんと息子さんが劇場にきてくださったよ。きっと、たけちゃんが野球部の監督やってた歌津中学校の阿部校長先生がご案内くださったのでしょう。
たけちゃん、あなたはまだ何処にいるのか分からないけれど、大きくなった息子さんは、たけちゃんによく似ていて、僕は劇場であなたに会ったような気がします。

そして、たけちゃん、舞台の上の阿部先生、見えました?
あなたをはじめ、きっとあの日から会えなくなった人たちにも見えるようにと、きっとそんな思いでおられたのではないでしょうか。
身体全体をつかって初挑戦のミュージカルの舞台を見事に務めてくださいました。
阿部先生は、心臓の大手術をしておられるにも関わらず、お稽古も皆勤。
そのお姿は、生き残った私たちがどう生きれば良いのかを、命がけで諭して下さっているようでもありました。

それからたけちゃん、奥さんが、劇場を後にされる時、梶賀センセに「アワビ送りますね!」と言って下さいました。
ビックリしたのは、翌日にそのアワビだ届いたこと。相変わらず細やかな心配りをなさる美しい奥様ですね。

そうかぁ、気がつけば、あれからもう南三陸は、3度目のアワビの季節なんですね。
そんなことを思いつつ、さっそく、行きつけのすけぞうってお店に出かけました。親方のすけさんに無理をお願いして特別に、刺身や酒蒸し、リゾットなどつくってもらい、アワビ尽くしの素敵な時間を頂きました。

美味しい味とともに、僕の心には、懐かしいたけちゃんのビック・スマイルが浮かんできていましたよ。

以上、近況報告でした。


たけちゃんも、あかねちゃんも、会えなくなっただけで、
3.11以前より、ぐっと近くにいるように感じる夜。

…そうだね、
しっかり、楽しく
「生」を全うしなくちゃね。

2013年12月2日月曜日

観ることも修行

師走にしては穏やかな一日。

午後からは東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)にて、(公社)日本照明家協会主催による「沢田祐二の照明合わせを観る会」に出席。

今週末に本番が予定されているオペラ「遠い帆」の明かり合わせです。

沢田先生の明かり合わせを拝見できる機会はまず無いので、とても貴重な体験でありました。と同時にオペラもますます楽しみ。

 

一方、夕方からは仙台市民会館へ移動して、劇団四季の「ソング&ダンス」を観劇。

出演者の皆さんの真摯な取り組みと、高いレベルのダンスと歌のパフォーマンスを楽しませていただきました。

帰り際に偶然一緒になったSCSの関係者たちと、梶賀センセを囲んで立ち話&記念撮影(^-^)

 

 

今日の舞台には、梶賀センセの書いた歌もいくつかありましたね。

青年たちは役者さんたち自ら舞台装置を転換して行くあたりにも目が行ったようです。

そういえば「常長の祈り」でも、似たようなことを彼らもやっていましたね。

 

舞台作品を「観ること」。

これも大事な修行の一つです。

 

2013年12月1日日曜日

秋の名残

霜月は、七ヶ浜の公演、そして「常長の祈り」と、立て続けに大きな公演が続いて、気が付けば、今日から師走。
秋を愛でる余裕もなかったなぁなどと考えていたところに、少し時間が出来たので、今日はドライブしながら晩秋を探しに行こうと思っていました。しかし、訳あって断念。代わりに東北大学片平キャンパスの通ったことがない道を散歩しました。

時間的には午後2時半ぐらいだったでしょうか。
この時期、仙台の太陽は、3時になれば夕暮れのスタンバイを始めます。
夕暮れ時も素敵ですが、その前、太陽が傾きかけた時の光の具合も美しい。


光りといえば、昨夜、照明家の沢田祐二先生と食事をしながら「光」「あかり」についてのお話しを頂く機会がありました。氏は(公社)日本照明家協会の会長も務められ、名実ともに日本を代表する照明家のお一人です。お会いするたびに、教えていただくことが沢山あり、ユーモアあふれるお話しぶりの中にも、深い見識を湛えられていることがダイレクトに伝わってくるような方。自分がいかに浅学の身であるかと、自覚してしまいます。

一方、先生のような方々とお話しさせていただくのと同じぐらい、自然が教えてくれることもたくさんあります。
この時期の、この光。
光が無ければ物は見えません。そして、光の反射で色やかたちがわかります。
当たり前のことのようだけれど、沢田先生の深いお話を思い出していました。

恐らく、今まで過ごした秋の数より、これから迎える秋の数の方が少ないはず。
散歩しながら、上を見たり下を向いたり、きょろきょろ秋の名残を探していました。
何気ない景色だけれど、二度と見ることが出来ない
その時その瞬間の自然の色あいを、
ずっと心に留めておきたいものだと思いました。


2013年11月29日金曜日

うっすら積雪の峠を越えて

久々に伝国座のお稽古場にやって来ました。
栗子峠は12/20までトンネル工事の片側交互通行が続き、長い待ち時間が予想されるため、山形に入るのに、宮城と山形の県境、笹谷峠を越えて行きました
峠は、冬がやってきています。
往きの峠は霙模様、帰りはうっすら雪化粧、でありました。

お稽古場の外は、冷たい雨がざあざあ降っておりましたが、中では子供たちの明るく元気な声が響いています。


伝国座には、来月3カ所からステージ出演のお声がかかっています。
ありがたいことです。

そんな元気な伝国座のみんなの顔を見ると、センセ達は多少風邪気味でも頑張っちゃうわけであります。

2013年11月28日木曜日

たまには

震災の時、自宅は半壊だった。
水濡れしてヘナヘナになったままの形で乾燥してしまった文庫本。

停電になっても使えるというので購入したストーブの灯りで読んでみる。


「詩を読む人のために」三好達治著
開いているのは「夕ぐれの時はよい時」という堀口大學さんの詩を解説している頁。

静かな夜。

2013年11月27日水曜日

来月の公演は…

ミュージカル「常長の祈り」をご覧になったお客様から
純さんの常長役の声、ジュリーに似てる~」との感想が…
光栄です。
ジュリーは小学生のころからファンでした。
しかし、出演者の若い子たちにとってジュリーがどれだけすごいスターだったのかということは、なかなか分かってもらえないでしょうなぁ…。

さて、SCSミュージカル研究所は、そんな上演後の余韻を感じつつも、舞台の幕が下りるとすぐに次回作に取りかかります。

来月の公演は、
「おもてなし うらなし ぶんぶん」
毎年恒例となっているSCSクリスマス公演。
今年で19年目になります。

SCSとしては珍しいミュージカルコメディ。


今年もまた、あの”ぶんぶん姫”や”メイド爺や”たちがクリスマスプレゼントをめぐって大騒動を引き起こします。サンタの”ピーカリカリ”役、今年は誰がやるのかな。
第二幕では、毎年お客さまから「これを観ないと年越せない」などとも評判の”ひいらぎ家”の面々の登場。そのお芝居も見どころです。
胸躍るおなじみのクリスマスソングや今年話題になったネタも盛り込んで、笑いあり涙ありの舞台。どうぞ、ご期待くださいませ~

■公演日時
12月22日(日)①14:30 ②18:00
   23日(祝)③11:00 ④14:30

(開場は各回20分前)

■会場
仙台市福祉プラザふれあいホール
■チケット:¥2,000(全席自由)
Lコード:24814
Pコード:433-451

■お問合せ:
022-213-6789(純クリエイション)
info@scsmusical.com

☆毎年売り切れとなってしまう回がございます。チケットのお申し込みはどうぞお早めに(^_^)
もちろん、ヒロセ純、例の役で、ちょいと出演いたします!


2013年11月26日火曜日

支倉常長とフィリピンについて

ミュージカル「常長の祈り」では、制作者として常長を宮城県における国際交流のフロンティアという位置づけでも取り組みを行いました。
そのひとつが、日本を含む6か国の多国籍キャスト編成でした。
そして、もうひとつ。
常長ら慶長遣欧使節が出帆する2年前に慶長三陸大地震による大震災があったという史実から、サンファンバウティスタ号の出帆を、現在の我々の復興への意気込みと重ね合わせて表現することでありました。

さて、その常長が最後に立ち寄った外国は日本に戻る途中のフィリピンです。
記録によれば、1618年の夏ごろから約2年間滞在したことになります。
恐らく、様々な史実から失意の帰途であったと推察できます。
そしてまたフィリピンは熱帯気候です。2年間の滞在期間中、きっと台風も経験したのではないでしょうか。

今月初めそのフィリピンを襲った凄まじい台風30号は、現地に甚大な被害をもたらしました。
死者は1万人以上とも言われています。
ネットやTVのニュースでその被害の大きさに胸を痛めておりました。
しかしミュージカルの制作者、主演と2つの草鞋を履いた状態の私には、連日の稽古や打合せで、東日本大震災の時のようにすぐに動ける状態にはありませんでした。

せめて少しでも募金か何かを… と考えていたところ、
今回「常長の祈り」の外国人キャストの募集でもご尽力いただいた公益財団法人宮城県国際化協会(MIA)様から、公演終了後の募金活動は可能かとの打診を頂きました。
冒頭のような目的を持って制作を行っておりましたから、国際交流(国際協力)という意味でも、私たちの制作趣旨にも合致します。絶好のチャンスを頂き、二つ返事でお受けいたしました。

実行委員会の皆さまのご理解も得られ実施された募金活動の様子は、MIAさんのブログでも紹介されています。
http://www.mia-miyagi.jp/blog/2013/11/post-258.html

現在、宮城県在住外国人のうちフィリピン人は、中国人、韓国人に次いで3番目に多いと聞いています。県内在住フィリピン人の皆さまの心情を想うとき、3.11を経験した私たちは、胸がつぶれる思いです。

今日のニュースでは、自衛隊が「サンカイ(現地語で友達の意)作戦」救援活動を本格的に開始したそうです。規模は海外派遣としては最大規模だとか。
東日本大震災で、私たちはフィリピンからも多くのご支援を頂きました。
少しでも彼の地で困っている方々のご支援が出来ればと思います。


今日は、文字ばかりで長々としたブログ記事になってしまいました。
最後に、ミュージカル常長の祈りで歌われた「水平線の彼方へ」 という歌の歌詞の一節。

♪言葉や文化が違っていても
 夢と夢が出会い
 願いが一つになれば
 国と国の壁を乗り越え
 世界がひとつになれるだろう


MIAが中心となったこの募金活動は、来月30日まで続けられます。
MIAホームページによる情報を下記に記します。
是非、ご協力をお願いいたします。


「フィリピン台風被災者支援募金」受付口座

・銀行名 七十七銀行
・支店名 北仙台支店
・口座 普通 9125426 公益財団法人宮城県国際化協会


※口座開設期間
2013年11月20日から12月30日まで
※税法上の取り扱い この募金につきましては、税法上の寄付金控除の対象とはなりません
ので予めご了承ください。

◆お問い合わせ
宮城県国際化協会企画事業課
Tel:022-275-3796
E-mail:mail@mia-miyagi.jp

2013年11月25日月曜日

「常長の祈り」公演無事終了。

沢山の方々の支えを頂きながら、
芸術銀河2013ミュージカル「常長の祈り」の公演を無事に終えることが出来ました。

今日は朝からバタバタと残務処理をしたり、遠方からのお客さまをお見送りしたり、2日間で頂いた大量のアンケートすべてに目を通したりしているうちに、あっという間に過ぎてしまいました。

ご来場ならびにお心づかいを頂戴した皆様にすぐに御礼出来ていないご無礼をお赦しください。
公演の様子など、写真にて少しご報告させていただきます。


開演前には、たくさんのお花も届いておりました。その一部です。
「伊達政宗の声」役の市村正親さんからも。


お花の中には「廣瀬常長殿!」宛のものが。
尊敬する大先輩の粋なはからいに嬉しくなりました。


2日目には、早くも今回の撮影記録をお願いした柏谷さんが、ロビーに初日の舞台写真の一部を、お客様向けに張り出してくださいました。何だか期待感が高まります。


千秋楽、1ベルが鳴った後に、自然にみんながひとつになった「がんばるぞぉ~」の円陣。


上の写真は第2幕。常長が特別あつらえの米沢織の衣裳を着用しています。


イスパニア(スペイン)提督ヴィスカイノを中心としたシーン。


常長一行がアメリカ大陸から大西洋を目指すシーン。(一幕)
この役のためにヒロセ純は前髪を剃りました(数年かけて)


「帆のダンサー」たちと、水夫たち。

このほかにも、多くの印象的なシーンが生まれました。
アンケートでは、生演奏に対する評価も高いものがあり、その演奏家6名を含むと、ちょうど100人となった出演者たちは、心をひとつに2日間の公演を務めることができました。

「常長の祈り」関連記事は、フェイスブックページなどでも、後日談など、紹介してまいるつもりです。
お楽しみに。