2013年12月31日火曜日
今出来ることをやるだけだ。
当時の仙台藩主伊達政宗公は、年表によれば25歳頃まで米沢を拠点としていた。藩士の支倉常長もその米沢に生まれたと言われている。400年以上も前のことであるから、当時の様子や世情を想像するのは難しいが、少なくとも私の故郷でもある米沢の周囲を囲む山々の姿は、彼らが生まれた頃とさほど変わりはあるまい。米沢は盆地である。すり鉢のような、一年の半分を雪に閉ざされる土地で人格形成されたサムライが、初めて海を見たときに、一体何を考えただろうか。
私は、自分の経験として、米沢を離れて初めて海を見た幼い日のことを思い出し、その答えに対する何となく直感のようなものを得ていた。
それが常長のミュージカルを制作しようと思ったきっかけのひとつであった。
1611年に慶長三陸大津波を経験した仙台藩は、2年後の1613年に当時の幕府方のガレオン船の4倍の規模にあたる500トンもの大型帆船「サン・ファン・バウティスタ号」を太平洋に出帆させた。そのことを現代の状況に照らし合わせるならば、一体どんなことになるのであろう。私たちはそのことを考え続けてきた。
ミュージカル「常長の祈り」では、正宗公の野望や、常長の忠誠心と信仰心などを作品に織り込みながら、作過程にも復興の祈りを重ね合わせた。県民による出演者100名の他に、スタッフもほとんどが地元の人間もしくは東北にゆかりのある人々でのべ6カ国による多国籍チームを構成した。
東日本大震災を経た400年という節目の時だからこそ、東北に生まれた私たちは作品を創るという使命を帯びたのだと感じた。地元の人間だからこそ自然体で取り組むことが大切だと思った。作品では先人の気概を大震災の復興と重ね合わせ、数奇な運命に見舞われながらも、当時世界で最強を誇るスペイン国王臨席のもとで洗礼を受けたただ一人の日本人、ドン・フィリーペ・フランシスコ・ファシクラの栄光と影を描いた。
言葉も文化も違う場所で、彼らは何故に歴史に名を残す程の歓迎をその地で受けることが出来たのか。そこに日本人、東北人としての誇り高き精神性の一端を見ることができる。
私たちは「目的を持ちそれを諦めない心を持った東北人として、先人に倣い、品格を持ちながらこれからの世界へ向かっていくべき」である。台本には出てこないが、稽古が始まってから半年間、そんなメッセージをずっと心に秘め続けていた。
復興庁によれば、今月になっても未だに27万人以上の方々が依然として避難生活を余儀なくされている。確かに今だ仮設住宅に住む友人知人も多い。勝負はこれからだ。1,000年に一度という災害を経験した私たちだからこそ地元の私たちが、1,000年先まで伝えられるような復興の姿を示さなければならない、と考えている。
大げさなことではない。
それぞれが、
それぞれの分野で、
今出来ることを確実にやるだけだ。
2013年12月30日月曜日
ミニ同窓会
先日のミュージカル「常長の祈り」を見に来てくれた高校時代の友人から「年末に山形でちょっと集まらないか」とのお声掛けをいただいた。場所は同級生の一人が経営する和食割烹料理のお店「わかしょう」 。
昨夜、山形駅からほど近いスズラン通りにあるその場所に集まったのは、わかしょうの親方含め、同級生が16名。
昭和55年のこと。
僕たちは、山形県立米沢興譲館高等学校を卒業した。
あれから34年の月日が流れ、集まってみれば、ある程度人生の紆余曲折を経て、それぞれ医者や大学教授、会社社長、学校教師、会社役員、支店長、海外駐在員など、社会的にも重要な職についている面々。
とにかく、ほとんどが違う業界に属しているメンバーたち。よって、よくある異業種交流会より、はるかに面白い話題が飛び交う宴席。本音トークですから(笑)
私の職業などは、彼らから見れば「色物」なのだが、それゆえに面白がってもらえるようだし、自分にとっても彼らの話は、興味深くかつ勉強になることこの上なし。さらに高校時代の思い出話にも花を咲かせつつも、当時と現在を行きかう話題とお互いの容姿の差分がこれまた面白い。
話題が食べ物になったとき「どうも仙台で食べる芋煮会の鍋は、未だに体にしっくりこない」と私がいうと、米沢から新幹線で駆け付けたK君が「ようし、では来年は米沢風の芋煮会をやるぞ、みんな河原に集まれ!」と叫んだ。
今までそんなことを感じたことがほとんど無かったけれど、同級生とか、同窓生って、なかなかいいもんである。
仲良きことは美しき哉。
というより
仲良きことは美味しき哉。
来年の秋、芋煮会が楽しみだ。
2013年12月29日日曜日
SCS納会
今年最後のSCS公式行事。
昨夜は盛り上がりました〜
皆で持ち寄ったご馳走を頂いて、
センセから、今年は9名の研究生が表彰を受けました。
余興では、「ユタ」だの「AKB」だの、各人が工夫を凝らして、会場全体が笑いの渦。
楽しかったこと、頑張ったこと、それぞれの想いを胸に、今年一年のお稽古を納めました。
みんな、年が明けたらまた元気な顔を見せてね(^-^)
2013年12月28日土曜日
感謝の大掃除
今年もここからいくつもの作品、いくつものドラマが生まれてきました。
そんなお稽古場に感謝の気持ちを込めて、昨日は午後から研究生総出でSCSミュージカル研究所お稽古場「大掃除」です。
普段なかなか動かすことないものも移動して、隅々まできれいに。
壁も。
冷蔵庫も。
エレベーターホールに至るまで。
もちろん、窓だってほら、脚立を使えば手が届くよ。
指導員のお姉さんやお兄さんたちと一緒に、
外はちらちちら雪が舞い始める頃まで、
みんなの作業は続きました。
今年一年、お稽古場ありがとう。
みんな、きれいにしてくれてありがとう。
2013年12月27日金曜日
七ヶ浜、稽古納め。
と、画家でもある高橋事務局長のごあいさつから始まった、七ヶ浜国際村パフォーマンスカンパニーの稽古納め&成果発表会。
クリスマスは、すっかり終わってしまったような気分になっていましたが、そんなご挨拶も頂いたせいか、昨夜の子供たちは、さらに生き生きと今年一年のお稽古の成果を発表してくれたように思いました。子どもたちは、クリスマスにちなんだパフォーマンスを準備していたのです。
クリスマス終わっちゃったけど…と、ちょっと寂しそうな感じの子供たちを奮起させるような素敵なご挨拶でした。
それにしても、イタリアじゃまだクリスマスだなんて…恥ずかしながら知りませんでした。
世界は広いなぁ、などど感心しているところへ、私たちスタッフにこの春退職された前事務局長から、クリスマスプレゼントを頂きました。
七ヶ浜の取れたての殻つき牡蠣!
大きな牡蠣であることはもちろん、こんなにたくさん(^_^)
七ヶ浜の皆さんのあったかい心が身に沁みます。
これから、みんなで楽しませていただきます!
こうした地元のみなさんはもちろん、今年は、東京はじめ、各地の素敵な大人たちからたくさんのご支援を頂戴しました。そうした皆さんに見守られながら、七ヶ浜の子供たちは、きっと来年も楽しい舞台を私たちに魅せてくれることでしょう。
Buon Natale e felice Anno Nuovo!
2013年12月26日木曜日
モリコーネ
ご覧のようにPC2台使うほど仕事のある年末なのに、モリコーネの3枚組CDを購入してしまいました。
今年は、比較的大きな舞台制作があったので、なかなか音楽に集中する時間がなかったなぁ。
来年は、ライブ活動再開しなくっちゃ。
恥ずかしながら、モリコーネの曲を真剣に聴くようになったのは、Yo-Yo Ma Plays Ennio Morricone というCDを聴いてから。それは「音」で泣きそうになるという久しぶりの体験でした。
自分が普段演奏するジャンルとは違うけれど、偉大な作曲家や演奏家の録音には、心を揺さぶられることが多々あります。
爆音ものでも、クラシックでも、民族音楽でも、ポップスでも、心が震える音や歌は、世界中に存在しています。残された人生で、少しでも多く、そうしたものに触れていきたいなぁ。
さて、ドライブしながらゆったりと聴こうかな。
緩急つけて、お仕事することも大事よね。(と、自己弁護)
パッケージ開けるのが楽しみ(^_^)
2013年12月24日火曜日
2013年12月23日月曜日
おかげさまで
お客さ並びにご協力いただきました関係各位に、この場をお借りして、中心より感謝申し上げます。
下は(私は出演者でしたので)舞台袖から手元にある画質のあまり良くないiPadで撮影した写真。
トナカイさんたちのダンスシーンですが、SCSのダンサーたちにとって今やトナカイ役は憧れの的。
袖からじっと舞台を見つめる「次期トナカイさん」ちびっ子たちのピュアな後ろ姿が印象的でした。
来年は、このXmasミュージカル、シリーズ20作目となります。
もう20年もクリスマスは舞台に立ってきたんだなぁ…、このシリーズを始めた頃に生まれた子は成人するんだなぁ…などと、年月の速さに感慨を深くしていました。
出番の少ない私は袖の待機時間が長く、かつて、こうして袖から先輩たちのダンスを見ていた子たちが、立派な社会人やプロになっていったことを思い、年月の流れの速さを感じつつ、何だか過去と未来を同時に見ているような、何度かキューンとした気持ちになっていました。
人の生といふももの、不思議さ、儚さ、逞さを感じていました。
とにもかくにもおかげさまで、今年もこうして子どもたちやスタッフとともに過ごすことができました。
幕がおり、
部屋へ戻り、
ストウヴの炎を見つめながら、
今年、同じ時を共有してくださったすべての皆様へ感謝とともに、
一年の出来事を思い起こしてみる、
静かな夜です。
2013年12月22日日曜日
間もなく開演。
今年最後のSCSミュージカル研究所公演「おもてなし、うらなし、ぶんぶん」
間もなく開演です。
会場となっている仙台市福祉プラザロビーでは先月の「常長の祈り」写真展も開催されています。
写真は、開場したあと、幕開きを待つ緞帳。舞台側からのショットです。
初回チケットは完売していますので。この向幕が上がると、その向こうは満席のお客様となっているはず。舞台にはまだ役者が居ませんが、緊張感が漂う舞台上です。
さあ、みんな、この2日間、2013年の舞台を、楽しく締めくくろう!
では、小生もスタンバイする時間です(^-^)
2013年12月20日金曜日
Xmasミュージカル、間もなく!
写真は、毎年評判の高い、二幕における「柊(ひいらぎ)家」の場面のお稽古。
このシーンは、全編「東北弁ネイティブ」の皆さんが、圧倒的な方言で客席を沸かせます。
一方、今年の見どころは、サンタクロース(ピーカリ)役!今年は「スペイン語ネイティブ」のダビさんがキャスティングされているのでありま~す。
もちろん例によって、今年1年世間で話題になった言葉やエピソードもあちこちにちりばめられております。
1回目のチケットはすでに売り切れとなりましたが、他の回はまだ少しお席がございます。
皆さまのお越しを劇場にてお待ち申し上げております!
クリスマス公演 クリスマスって大変シリーズ第19弾!「おもてなしうらなしぶんぶん」
@仙台市福祉プラザふれあいホール(仙台市)
22日(日)①14:30(SoldOut) ②18:00
23日(祝)③11:00 ④14:30
(開場は各回20分前)
前売りチケット:¥2,000(全席自由)
Lコード:24814
Pコード:433-451
問合せ:022-213-6789(純クリエイション)