2012年10月15日月曜日

伝国座について

2010年に創られた市民ミュージカル「Faith」。
山形県山形県米沢市においては、はじめて創られた市民参加の本格的ミュージカルでした。

米沢と東京の公演会場を満席にした作品が、この12月に再び米沢で上演される運びとなりました。
チラシが出来上がりました。
大正時代、米沢で人絹の研究に当たり「テイジン」の創設者の一人でもある秦逸三教授の物語です。
今回は、その秦教授が教鞭を執っていた山形大学工学部(旧米沢高等工業学校)も共催として名を連ねて頂いています。



2年前とは全く違うといってほど、出演者のレベルは向上しています。
「継続は力なり」という諺が英語で Practice makes perfect.というのもうなずけます。
しかし、パーフェクトではありません。パーフェクトを目指すのが稽古場。
稽古場は日々進歩と成長を目の当たりにする現場です。


先週の稽古場では、第一次キャスト発表がありました。
発表された後、梶賀先生のお言葉に熱心に耳を傾けるメンバー。
この作品に出演する「伝国座」のメンバー約40名は、我々が指導にお邪魔する日以外にも、自主練習と称して、毎週稽古を欠かさず行ってきました。
その成果をいかんなく発揮して皆様にご覧いただく機会を再び得たということです。

「伝国座」というグループの名前は、米沢藩主上杉鷹山が家督を譲るに当り、藩主の心得として伝授した『伝国の辞』と、グループの活動の本拠地となる『伝国の杜』の双方からいただいたものです。
ミュージカルグループをあえて漢字で表したのは、伝国の杜には立派な能舞台を備えていることから、米沢の精神文化を独自の手法で表現できるグループに育って欲しいという願いが込められているからです。お能や歌舞伎も日本が誇る素敵なミュージカル、というのが僕の立ち位置です。

現在のところ、この活動は米沢市教育委員会の全面協力を得て続けられています。
しかし、まだ芽が出たばかりのこの活動。
たくさんの皆様のご協力を必要としています。

一番の応援は、まず舞台をご覧いただくこと。
一人でも多くの皆様のご来場を心から願っております。
そしてまた、再び、満席の会場でよねざわのDNAを持つステージを発信できますことを。 


最後に上杉鷹山公の「伝国の辞」は

一、国家は先祖より子孫へ伝え候国家にして我私すべき物にはこれなく候

一、人民は国家に属したる人民にして我私すべき物にはこれなく候

一、国家人民のために立たる君にし君のために立たる国家人民にはこれなく候


という短いものです。
現代にも通じる国家論。
「国家」 をいろんな言葉に置き換えて読んでみると、皆さんの中にはまた新しい発想が起きるかもしれませんね。


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