2014年6月14日土曜日

東池袋にて

昨夜は、劇団昴の「リア王」を観た。
満員の客席。
熱気溢れる舞台であった。


この作品の音楽は作曲家の上田亨さんが担当している。
しかもたった一人での生演奏だ。

使用していた機材はローランド社のJupiter-80という最新型のシンセサイザー。
上田亨の音楽は、役者や作者の心情にぐっと寄り添った立ち位置で、耳は客席に置かれているような、情念の豊かさと巧妙さが混在して成立している。
今回の作品では、そうした上田音楽独特のダイナミズムに加え、作曲家自らの演奏により、打ち込みでは出せないシンセサイザーの良さとライブ感が引き出されていて、プロセニアム全体に音の粒子が飛び交うような印象を持った。
観に来て良かった。

上田さんには、この春、仙台、東京の2カ所で行ったJUN_harvestライブにおいてピアニストとして参画いただいたことは、このブログでも紹介させていただいた通り。現在彼は、東京の日生劇場や長崎の劇場で上演される作品の作曲にかかっておられる。しかも作曲だけにとどまらず、東京芸大や都立芸術高校での授業も担当されているという多忙な日々。そんなに忙しいのに、どの仕事も全身全霊で取り組む。彼はいつ寝ているんだろうと、いつも心配になる。彼のその姿勢が売れっ子の売れっ子たる所以なのであろう。それは昨夜の彼の音楽にもしっかりと現れていた。



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