今月20日、名古屋のウインクあいちホールにて上演予定のミュージカル
「ゴーへ」(Go Ahead)のおけいこ風景リポートです。
この作品は宮城県七ヶ浜町にある七ヶ浜国際村を拠点に活動するグループNaNa5931(なな・ごーきゅーさんいち)が震災後9か月目に被災地七ヶ浜町で初演されました。
作・演出・振付は2001年からここ七ヶ浜町に毎週通って子どもたちの指導に当たっている梶賀千鶴子。
音楽は榊原光裕、ヒロセ純、只野展也、y2という七ヶ浜町にゆかりのあり、且つ東北地方出身者の作曲によるものを使用。衣裳は「七ヶ浜おはりこーず」が製作しました。
もちろん、出演者もスタッフも全員が多かれ少なかれ被災している状況での上演でした。
国際村ホールの特徴でもあるガラス張りのホリゾントは、大黒幕を開けるとまだその向こうには津波の爪痕が広がる町が見えていました。
タイトルのゴーへは、地元の漁師の方が船を前に進めるときによく使う言葉です。いわば方言ですが、北洋漁業の発祥地でもある七ヶ浜では、英語のGo Aheadが訛ったものとも言われています。まさに、瓦礫を目の前にしながらも「今こそ前に進もう、進まなければ」というメッセージを込めての上演でした。
「ゴーへ」は、震災後、被災者の手により被災地で創られ上演された最初のミュージカルです。
その後、震災復興、こころの復興の名のもとに、 ゴーへの県外公演によって、七ヶ浜町、子どもたちを元気づけようという機運が高まって、多くの皆さんのご厚意が集結しはじめました。
そして、ついに震災翌年の2012年、名古屋にあるNPO法人レスキューストックヤード様が中心となり、様々な企業・団体様のご協力を得て、名古屋大学豊田講堂での名古屋公演。
続いて日本生命様はじめ経団連の皆さまのご協力を得て、日生劇場での東京公演が実現しました。
一連の公演は、七ヶ浜町の子どもたちのみならず、町全体に明るいニュースをもたらし、町の広報誌のトップを飾るなど、地元の大人たちをも勇気づけ、復興への力となりました。
今回の名古屋公演は、3年ぶり2回目となります。この間、前回ご協力の皆さまを核としてさらに企業協賛、団体協力の輪が広がりました。そして名古屋の地にて新たな実行員会を組織され、このたびの招聘を賜る運びとなったものです。
七ヶ浜から遠く離れた名古屋からの厚いご支援が今も変わらず続いていることに、NaNa5931の運営に関わってきている者の一人として、この場をお借りして心からの感謝を申し上げます。
七ヶ浜のお稽古場からは、昨夜も名古屋公演に向けた熱のこもった演技、妥協を許さない梶賀先生の指導の声が響いていました。
8月20日は、ウインクあいちにて、必ずやまた名古屋の皆さまにもお楽しみ頂けるものと信じております。そして、ポケットには念のためハンケチを忍ばせて頂くこともお忘れなく。
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