2014年4月25日金曜日

桜の記憶

東北大学の片平キャンパスを歩いた。
八重桜は殆どが半分以上散ってしまって居るけれど、枝垂桜は満開の様相。


日差しも暖かく、春爛漫とはこのことか。
さて、私の記憶で最も古い桜の記憶は、米沢市の上杉公園の桜であるような気がする。
今はFacebookなどで地元の友人たちが上杉公園辺りの写真をアップしてくれていて、ネットを通じて桜が満開になった様子を知ることができる。想えば雪深い故郷にあって、桜が咲き、お堀端に露天が並ぶ上杉祭りの時期は、子供心に何かこれから楽しいことが起こりそうなワクワク感に駆られたものだ。

一方、最近観た桜で印象的だったのは、何と言っても津波によって根こそぎ海岸付近まで運ばれた桜が、倒れたままで花を咲かせていた姿だ。
震災で精神的にも強いダメージを受け、仕事も生活も全く先が見えない閉塞感に溢れる中、その花を観た時には、とにかく涙が溢れてきたことを思い出す。
その翌年、私たちはその桜をモチーフにsakuraというミュージカルを創って、仙台の電力ホールで上演した。
あのsakuraは、私たちに最後まで諦めないでと言っているようだった。そしてその木の一生において最後の花を咲かせて見せてくれた。

震災以来、私は桜を観ると、あの時のsakuraから受け取ったメッセージを思い出す。

Never give up.

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