僕はすっかり
砂時計の砂が
間もなく全て
落ちてしまうのだと思っていたよ
しかしあの日を境に
あなたのやさしいいのちが
ぼくを支えはじめ
再び砂時計はひっくりかえされた
下に落ちた過去砂は
一瞬にして
あまたの未来砂となり落ち始めた
僕の砂時計の
中身は封じ込められたまま
何も変わっていないはずなのに
まだ時間(とき)を旅する余力があったのか
ひっくりかえせば
ふたたび手に入る時間があったんだ
ここからは奇跡の時間だ
たとえば
月明かりのないこんな夜は
僕を孤独にするけれど
砂の音に耳をすませて
きっとあなたをみつめていよう
すべてが落ちるまで
(C)2011 Jun Hirose
0 件のコメント:
コメントを投稿