2015年5月17日日曜日

みどりのゆび

「やあ、来たね」
そんなセリフを思い出しました。

今日出勤してみると、デスクの上に若い葉っぱが一枚。


誰かが、外の街路樹の葉っぱを机の上に置いたのかと、周囲の人たちに訊いてみても、皆はっぱのことは知らないと言います。

ということは…
空いている窓から、はっぱはダイブして、我が机上に着地、ということでしょうか!


そこで思い出したのが、冒頭のセリフです。
「みどりのゆび」は、世界中のどんな場所にでも花を咲かせることができる、不思議な指です。
チトがそれを持っているのを最初に知ったのは、庭師のムスターシュおじさん。

フランスの作家、モーリス・ドリュオン作の「みどりのゆび」という童話の中で、主人公の少年チトにムスターシュは、いつも「やあ、来たね」と声をかけてくれていました。

机の上のみどりの葉っぱを観て、なぜか、そのムスターシュおじさんのセリフが浮かんできたのでした。
時折、このはっぱがついていた街路樹には話しかけてきていたのですが、もっと話があるということかしらん。
そんなふうに妄想していたら楽しくなりました。

童話のなかで、チトの純粋な心は、たくさんのものを幸せなものに変えていきます。私たちもそのことにあやかって、舞台や音楽を通じて、幸せな時間をつくれるようになりたいものです。
はっぱくん、「やあ、来たね」

「みどりのゆび」は、ミュージカルにもなっています。
今から12年前の2003年、日生劇場で上演されました。
SCSの梶賀千鶴子が脚本・演出を担当させて頂きました。

当時はSCSのメンバーも8名ほど出演協力させて頂きました。
その後の彼らは、劇団四季の俳優として活躍している者、大学生になって海外留学中の者、薬剤師、社会人、主婦、ミュージカル・インストラクターなど、職種は様々ですが、それぞれの夢をかなえ乍ら人生を歩んでいるようです。

手元にある「日生劇場の五十年」という分厚い資料をひも解いてみると、ありました!


出演者までしっかり記録していただいているのですね。

一方、下の写真は、仙台の子どもたちが日生劇場の舞台に立つ、ということで、当時のSCS稽古場(若林区土樋)にTVの取材が入ったときの様子です。


あ、もう一つ思い出さしました。はっぱと言えば、2007年に発表したJUN_harvestのマキシアルバムに「はっぱのうた」という曲が収められています。下記のURLから、その一部をチラっと聴いて頂くことができますよ。
ご興味のある方は是非(^^♪

https://www.cdbaby.com/cd/junharvest

https://www.cdbaby.com/cd/junharvest

2015年5月16日土曜日

東松島市にて

予定はしていなかったけれど
思いつきでクルマを走らせて

気が付けば
あかねちゃんの通っていた
小学校のあたり

このあたりの土地には
5度目の春を過ぎても
まだ深い深い津波の傷跡


ここで
ぼくらは、誰からともなく

黙とうをしました

9歳のあかねちゃんは
あの日
この町で
翌日の初舞台を
きっと
楽しみにしていたはずです

あかねちゃん
もうすぐぼくらは
毎年恒例「いのちのシリーズ」
とサブタイトルをつけたミュージカルを
上演するよ

舞台に立つ姿を夢見て
実現の前日に
儚くも
お星さまになってしまった
あなたの気持ちを
忘れずに

ぼくらは
今日もまた
ただただ
舞台づくりにむかいます

あなたの夢を
終わらせないために

2015年5月15日金曜日

七ヶ浜町にて

昨夜の七ヶ浜国際村。
ロビースペースでは、Groove7(グルーヴ・セブン)のメンバーが、何やら超難曲に挑戦していた。おお、この曲は…私も学生時代に挑戦して挫折した思い出の曲。
メンバーのスキルアップには目を見張るものがある。


一方、ホールでは、NaNa5931(なな・ごーきゅーさんいち)のメンバーがPV(?)撮影中。
この夏の名古屋公演に出演するメンバーが中心となり、カメラの前でグループの紹介などをしていた。


七ヶ浜町には、明日トルコから「炊き出し隊」なる被災地支援の皆さまがやってくる。昨夜の子どもたちも、トルコの皆さんへの御礼として、パフォーマンスを披露する予定だ。

七ヶ浜の子どもたち、そして国際村スタッフの皆さんの、震災復興ならびに支援返礼の積極的な活動に、敬意を表さずにはいられない。



2015年5月14日木曜日

ペンギンの想い出

小学校の1年生か2年生ぐらいだったか、両親に連れられて、米沢から仙台の八木山動物園までやってきた。
「フンボルトペンギン」という名前は、その時に覚えた。

直後の授業参観日の出来事

先生:みなさ~ん、お休みは何をしていましたか?
(みんな挙手)
先生:では…はい、ひろせじゅんくん
(元気よく立ち上がり)
僕:はい、動物園に行きました。
先生:動物園にはどんな動物が居ましたか?
僕:フンボルトペンギンがいました。
先生:フンボルトペンギンは何をしていましたか?
僕:はい、2匹でkissをしていました!
先生:…
(教室後方の参観の母親たち、クスクス笑い)


以上のような話を、昔、母に聞かされたことがある。
そのあと、当時の僕はチラと母の方を振り返ったので、母は周囲の参観父母らに対して、ばつが悪くて赤面したということであった。40年以上前の話で、私にはかすかな記憶しかない。

昨日の河北新報夕刊にあったフンボルトペンギンの記事を読みながら、そんなことを思い出していた。


2015年5月13日水曜日

クラリネットとホルン、響きあう教室

教室に仙台フィルメンバーをお招きしての授業。
東北学院大学で開講している「文化プロデュース」という講座に、本日は、仙台フィルハーモニー管弦楽団より、千石進(クラリネット)さんと齋藤雄介(ホルン)さんのお二人においで頂きました。


クラリネットとホルンという珍しい組み合わせでの生演奏。
お二人による、プロの世界の興味深いお話と相まって、教室中が、音楽に包まれていくようでした。

この講座では、東北にゆかりのあるアーティストや文化人をお招きしながら、現代東北における文化的活動の意義や背景、特徴、課題などを探っていきます。
下館和巳(東北学院大学教授)、宮武久佳(東京理科大学大学院教授)、そして筆者の3人が毎週、様々なゲストと、教室で対談し、学生諸君とともに「東北の現代文化」を考えるヒントを探る時間です。

2015年5月11日月曜日

オニコウベ

今年に入ってから、なぜか「鬼」が気になっていました。

宮城県には、その「鬼」が地名となっている場所があります。
やってきたのは宮城県大崎市にある鬼首(オニコウベ)地区。
7月に上演するSCS新作ミュージカルに関わるアーティストお二人も一緒です。

今は閉校になってしまった、かつての鬼首中学校の校舎内で、オニコウベの由来や、東北の鬼にまつわるお話などを、現在この校舎の管理運営を行うNPO法人代表の大沼さんから、じっくりお話を伺うことができました。


校舎の向こうに見えるオニコウベスキー場のあたりにはまだ雪が残っているのが見えましたが、初夏のようなさわやかな天気。
鳴子温泉や鬼首を満喫しました。

あの日から50回目にあたる「11日」に、
ある意味で新たなスターともいえる
有意義な時間を過ごすことができました。

2015年5月10日日曜日

キックオフパーティー

昨夜は、東北学院大学の「俳優修行ゼミ」(下館ゼミ)キックオフパーティーにお招き頂きました。
仙台市内のパリンカというレストランを借りきっての開催でした。

このゼミでは、2年がかりで、シェイクスピアの作品を、演じるということは勿論、翻訳から脚本、演出、衣装や道具、照明、音響など、自分達自らの手で「上演」に至るまで行います。
個人的には、学生の皆さんが、シェイクスピア作品を軸に、文学や演劇の世界に向き合い、この時期にしかできない人間形成の為のヒントを得る場なっているのでは、と感じています。
私が学生時代はこんなゼミはなかった。羨ましい環境です。

そして、素人である学生たちが、シェイクスピアの作品と舞台作りに挑戦するわけで、かなりハードルは高い。それ故に下館教授はゼミの名称に「修行」という名を加えられたのでしょうが、人気の高いゼミです。


ゼミの中での私の役割は、毎年違う演目に取り組む学生の皆さんに対し、舞台の仕事に携わっている立場の者として(つまりプロの立場から)節目ごとにアドバイスをすること。
しかし、実は、いつも私の方が勉強になるような場面や発見も多くあって、楽しい時間を頂いています。

一方、大学のゼミとしては珍しいと思うのですが、卒業したゼミの先輩たちとの「縦の繋がり」もあり、昨夜も多くの先輩たちが、後輩の応援に駆けつけてきてくれておりました。
今年度は第8期生。
演目は「じゃじゃ馬ならし」に決まったそうで、来年2月の公演が、今から楽しみです。


2015年5月9日土曜日

32年

32年ぶりに学生時代の友人と再会した昨夜。

「また当時のバンドメンバー5人で、仙台から北海道までの道を、バイクやクルマで巡りたいね~」

などと、 夢のような話をしながら、
30年以上の空白が、
一気に埋まった一献。

尽きぬ話題に一区切りと、
すけぞう名物、あさりラーメン(ハーフ)で〆たつもりが、


お互いに楽しい雰囲気を抑えられず、
店を出た後、

「もう一軒行きましょか!」
「おぉ、いいね!」

すっかり学生気分で、
再会の夜は更けていったのでありました。
あはは。

2015年5月8日金曜日

喫茶店

外に出ていくつか用事を済ませて事務所に戻る途中に、私には珍しく喫茶店なるところでちょっと休憩しました。


気になってはいたのですが、はじめて入るお店です。ゆったりとソファーに腰かけて、コーヒーを啜っていたら、遠い昔の学生時代に(現在FM仙台等が入っているビルの裏手にあった)「西班牙(スペイン)館」という喫茶店でアルバイトとして働かせてもらっていたことなんか思い出しました。もうだいぶ前にそのお店は無くなってしまいましたが…。
しかし、あの頃に比べると、近頃は街中で安いコーヒーにありつけます。一方で、日本国内どこの街でも、いわゆるこういうタイプの「喫茶店」はずいぶんと少なくなってしまった気がします。

たまにはこんな時間もいいものです。
店内では「レコード」の音が流れています。
事務所や稽古場とはまた違った思い付きが生まれたりしますね。

実は、このテーブルのわきの窓が開けてあって、
そこから5月の風が入り込んで、頬にあたりました。
そのとき
「ああ、もうすぐあの日からちょうど50か月だ」
と、しみじみ思いました。


贅沢なオフィス

お天気にも恵まれた連休も明けて、皆さまも通常の生活に戻られたのではないでしょうか。

私はといえば、連休中、贅沢なオフィスで仕事をしておりました。
贅沢と言っても、広いとか調度品が高級とかいうことではありません。

窓の外です。


この時期は、窓全体がキラキラしたみどりいろで覆われます。

勢いのあるうつくしいみどりいろで、仕事中もいい気分なのです。