2015年7月27日月曜日

カミナリム公演、無事終了

おかげさまで、SCSミュージカル研究所新作ミュージカル、そして25周年記念作品「カミナリム」を無事に終了することが出来ました。
本当にたくさんの方々に支えて頂いての上演でありました。
応援頂いた皆さまにこの場をお借りして、心より御礼申し上げます。

さて、公演初日の模様を撮影した写真を、SCS公認カメラマンのK.Kashiwaya氏にロビー展示していただきました。そのなかから、いくつかご紹介いたしますので、お楽しみ頂ければ幸いです。(尚、オリジナルデータから解像度を変更しておりますのでご了承ください)







photo: (C)2015 K.kashiwaya

2015年7月26日日曜日

「カミナリム」ゲネプロ写真(1)

昨日開幕したSCSミュージカル研究所25周年記念ミュージカル「カミナリム」。
お陰さまで、大勢のお客さまに恵まれて初日を迎えることができました。

ゲネプロ(最終舞台稽古)時に私が撮影した稚拙な写真ではありますが、各方面よりご要望頂いておりますので、少しご紹介いたしますね。












本日は、このあと14時からの開演です!
天気予報によれば、本日仙台の最高気温は34℃の予想です。
会場を涼しくして、皆さまのお越しをお待ち申し上げておりま~す。



(C)2015 Jun Hirose All rights reserved

2015年7月25日土曜日

MUSICAL「カミナリム」制作レポート(9)【キャスト劇場入り!】の巻

「カミナリム」スタッフ、キャスト、ミュージシャンたちがいよいよ劇場入りいたしました。
緊張感の漂う舞台稽古。
その様子をちょっと覗いてみましょう。
ノーメイクでの場当たり写真ですが、ちょいと拝借して、パンフレットには載っていないSCSの人物紹介も兼ねて…


まず最初に上記写真左は、今回のタイトルローラー、「カミナリム」役の藤田和正(ふじたかずまさ)さん。
SCSミュージカル研究所の創設メンバーであり、初の海外公演であった「TAROH」トロント公演でも主役を演じたベテラン。現在SCSの主任指導員としても活躍中です。長年変わらないチャーミングな演技とダンスが持ち味です。

そしてそのお隣は、阿部友昭(あべ・ともあき)さん。
SCS「おとなクラス」のメンバー。元宮城県南三陸町歌津中学校の校長先生です。ご承知の通り南三陸町は東日本大震災の津波で、壊滅的ともいえる大きな被害を受けたところです。と同時に、かつてSCSメンバーが11年間歌津の小学校高に通って、ミュージカルづくりを行った場所。現在、阿部さんは震災時の体験を全国各地で語り部としてお話しする活動も積極的に行っています。

次は下の写真中央左側の女性。柏谷巴絵(かしわや・ともえ)さん。
小学校3年生からSCSミュージカル研究所で修行を重ね、高校卒業と同時に劇団四季オーディションに挑戦し合格。その後ライオンキングやマンマミア、ユタと不思議な仲間たちと不思議な仲間たち(ダンジャ役)など、これまでに1,000ステージ以上の劇団四季ミュージカルの舞台を経験している女優さんです。2013年からは、師匠の梶賀千鶴子のもとで、指導員として後進の指導にあたってきました。この夏ふたたび劇団四季へ活動の場を移すことが決まっており、益々の活躍が期待されます。
 

そして、最後は廣瀬 奏(ひろせ・かな)さん。(下の写真左)
3歳からSCSミュージカル研究所に所属し、いくつかのSCS作品にて主演。2012年ミュージカル「アニー」オーディションに合格し、ペパー役で全国公演に出演した経験を持っています。現在は師匠梶賀千鶴子のもとへ戻り、中学校に通いながら様々な舞台活動への挑戦中。今回は初めてテノール歌手(佐藤直幸氏)とのデュエットに挑戦です。


このほかにも、ご紹介したSCSミュージカル研究所はたぁーくさんおります。それは、いずれあらためて。

さあ、今日はいよいよゲネプロ(最終舞台稽古)、そして本番です!
チケットを手に入れられたラッキーな皆さま、キャスト、スタッフ、心よりご来場を申し上げております。

2015年7月23日木曜日

MUSICAL「カミナリム」制作レポート(8)【地元俳優とミュージカル】の巻

先日はオペラ界から「カミナリム」出演予定のお二人をご紹介いたしました。
今日は、東北を中心に活躍している俳優お三方を紹介いたしましょう。
それぞれ、宮城、岩手、山形を代表しての出演と言っても過言ではないでしょう。

まずは、茅根利安(ちのね・としやす)さん。


「GAS(ガス)」という重要な役どころを客演していただきます。彼は仙台で1970年代の後半から活躍しているベテラン俳優。現在TVCMやナレーターとしてのご活躍のほか、「ココロのキンセンアワー」を主宰して、国内外外から高い評価を得ている方です。SCSミュージカルには、震災後の比較的大型の作品を中心に度々出演していただいております。

そして、お次は、岩手からは平泉ミュージカル「夕焼けの向こうに」(岩手、東京、フランクフルトで上演)で藤原清衡役として主演していた、亀井貢(かめい・みつぎ)さん。(写真男性列左から3番目) 「エライヒト」という注目の役柄での出演。藤原清衡とは全く違う役作りに、稽古場での人気沸騰。


最後に、山形から、よねざわ市民ミュージカル「伝国座(でんこくざ)」代表の、松田純一(まつだ・じゅんいち)さん。「陰陽師」という役を演じて頂きます。こちらの役作りも見事。歌がうまい税理士!(写真左)


この才能あふれるお三方は、仙台市、奥州市、米沢市で、それぞれ、地元の舞台芸術文化に大きな貢献をしている方々でもあります。
今回のSCS25周年記念ミュージカルは、震災後の東北から、新しい舞台作品作りスタイルとメッセージを提案していこうという想いも込めています。
そうした意味においても、仙台のみならず宮城県各地、岩手県、山形県からの出演者が集結するこの舞台、どんな東北的表現が生まれてくるのか、楽しみでもあり、それが実現さえていくことが制作者としての願いでもあるのです。

そして、梶賀千鶴子の表現するメッセージ、上田亨の音楽とあいまって、SCSメンバーによるダンス・歌・芝居の表現に、さらに彩りを添えてくださることでしょう。

さあ、明日からはいよいよ、劇場入り。

ワクワクしてまいりました!

遠い空

1年前の7月22日、不肖ヒロセ純、恥ずかしながら声をあげて泣きました。

昨日はSCSミュージカル研究所創設メンバー、松澤幸男君(まっちゃん)の1周忌。
午前中に、松澤君と時を同じくして出会ったメンバーである弊社役員3名と社員1名が集って、お墓にお参りをしてきました。

まっちゃんはSCS創立以来、舞台監督として、そして梶賀千鶴子の作品と私の歌のファンとして、ずっと公演の成功に寄与してくださいました。大切な仲間でありました。いまでもあの爽やかな笑顔が浮かびます。

まっちゃん、今週はいよいよ君と一緒につくったSCSの25周年記念公演であります。
どうか、どうか、
高い高いお空の上におわしましても、
いつものように、
舞台にいる子どもたちの安全と、公演を見守ってくださいね。


まだ新しいお墓の裏手に目をやると、大きく、広く、そして遠い空が広がっていました。


…そうですよ、
いつもまでも君のともだち



2015年7月21日火曜日

MUSICAL「カミナリム」制作レポート(7)【演奏バンドリハーサル】の巻

昨夜(というか本日)午前2時過ぎまでかかってのバンドリハーサル。

今回の演奏家は5名体制でありますが、昨夜はボーカリストとしてキャストが3名加わり、さらに音響スタッフ2名、制作スタッフ2名の計12名が、スタジオに集結しました。
一歩足を踏み入れれば、繊細でリリカルな、そして時には分厚く激しいサウンドが、スタジオ中に響きわたっています。


昨夜は、東京から編曲とキーボード演奏を担当する日高哲英氏も加わり、バンドマスターのサイトウミノル氏と、細かなやり取りを重ねつつ舞台上で最も効果的な演奏表現を探っているようでした。

日高氏は、NHKのラジオドラマ音楽の作曲や、名曲アルバムの編曲などでも活躍中の作曲家。幼少の一時期、仙台に住んでいたというご経験をお持ちのことから、東北に対する想いも格別なものをお持ちでいらっしゃいます。今回は、作曲の上田亨氏と共同での音楽制作。公演当日キーボーディストとしてもバンドに加わってくださいます。

素晴らしいミュージシャンやスタッフに支えて頂きながら、台本も音楽も全てゼロから作り上げていくことを改めて実感した昨夜。

当日のお客さまには、劇場での生演奏も存分にお楽しみ頂ければ幸いです。

【演奏メンバー】

ギター:サイトウミノル
ベース:青木太志
ピアノ:田中緑
ドラムス&パーカッション:黒瀬理知
シンセサイザー:日高哲英


2015年7月20日月曜日

MUSICAL「カミナリム」制作レポート(6)【オペラ歌手とミュージカル】の巻

関東地方では梅雨が明けたとのニュースを聞きました。東北地方の梅雨明けもカウントダウンが始まっているのでしょうか。
さて、「カミナリム」公演まで残り5日となり、こちらもカウントダウン。あらゆる作業が追い込みに入っています。と同時に楽しい緊張感が続いています。我々スタッフはもちろんですが、今回客演の皆さまも稽古に熱が入っております。

オリジナルミュージカルの醍醐味の一つに、今まで誰も聴いたことが無い言葉や音楽の表現を三次元化していけるということがあると思います。
オペラは基本的に台詞は殆ど無く「歌」で物語を進行することが多いのですが、ミュージカルの場合は、お芝居やダンスといった身体表現や、映像表現など、ほぼ無制限に芸術分野の要素を取り込んでいくことが可能です。
アーティスト側から見れば、それぞれ歌、器楽演奏、お芝居、ダンス、どれをとっても専門家やプロが存在し、独立して公演を行うことが出来る分野ですから、それらを統合、融合していくこと、しかも一人のアーティストがやるとなれば、かなりハードルの高いものになります。

しかし、今回の作品では、東北にゆかりのあるオペラ歌手二人が、その高いハードルに向かって、私たちと共に明るくエネルギッシュに挑戦してくださいっています。

そんな昨日の稽古場…。
青いマントで稽古場を跳んでいる(!)のは、テノールの佐藤直幸(さとうなおゆき)氏。


非常に美しき声を持つ彼は「利仁(としひと)」という役名での出演です。
宮城県の出身でこの春に、東京藝術大学音楽学部声楽科、同大学院を卒業した若手のホープ。そして柔軟な思考と優れた行動力の持ち主でもあります。アカデミズムの枠内に留まらず、 声楽的表現と身体表現を両立させる実践に挑んでいます。

一方「大嶽丸(おおたけまる)」という役名で出演するのは、バリトンの佐藤一成(さとうかずなり)氏。


彼には「ブリリアントな声」という表現がぴったり。武蔵野音楽大学、福島大学大学院を卒業され、福島オペラ協会理事長を務められている東北オペラ界の重鎮であるとともに、ご自身のバンドではエレキベースも弾きこなすボーダーレスな表現者。

このお二人をオペラ界からお迎えしてのSCSミュージカルは、創立25年目にして生まれ変わったのではというような印象を、各場面稽古の空気から感じています。
私たちは、オペラの歴史とその表現方法に深い敬意を抱きつつ、一流の音楽家たちと百戦錬磨のクリエイティブスタッフの知恵と力をお借りし乍ら、オペラと日本のオリジナルミュージカルの関係に新たな息吹を吹き込む挑戦を始めます。 

今週末開幕の「カミナリム」公演、そしてSCSミュージカル研究所メンバーに、どうか皆さまのあたたかきお力添えを、そして引き続きのご声援をお願い申し上げます。


2015年7月18日土曜日

MUSICAL「カミナリム」制作レポート(5)【師匠の振付】の巻

音楽が出来てきて、芝居の稽古も進んでくると、梶賀センセはいろいろとさらに発想してしまうらしいのです。おっと、突然、振付が始まりました。
 
けっこう激しい振付ですが、センセが踊って見せるのは基本的に1度限り。
したがって、振付がはじまると周囲にいるマスターコースの研究生、指導員たちはものすごい集中力でセンセの一挙手一投足に見入ります。

 
ビデオに残したりはしません。そんな余裕もなく突然振付けられますから、その瞬間瞬間を記憶していくしかありまません。集中力が試されます。

緊張感あふれるひとときです。

一方、通常のレッスンも予定通り行われています。


振付を記憶、記録していた指導員たちは、後輩たちの指導にも大活躍です。
これは、プライマリーコースのストレッチ(準備運動)での一コマ。
この子たちも、初めはみんな初心者でした。しかし、数か月でご覧のようにしなやかな身体をつくっていくことができます。

ただし…私には、このような恰好は出来ません。
人間にはそれぞれ役割ってものがあってね…むにゃむにゃ(←言い訳)
おっと、そんなエクスキューズも通用しないのがお稽古とも言えますね(笑)

■ミュージカル「カミナリム」いよいよ来週25日開幕です。




2015年7月17日金曜日

自主性

昨夜の七ヶ浜のお稽古場、パーカッショングループのGroove7(グルーブ・セブン)は、星律子先生と布田恭子先生による、それぞれマリンバとストンプの練習。



一方のミュージカルグループNaNa5931(ななごーきゅーさんいち)は、梶賀先生が仙台での作品稽古でお休みのため、音楽の鈴木由美先生を中心として、リーダーたちが、梶賀先生に指示を受けていた課題を消化しておりました。


Groove7もNaNa5931も、それぞれ、この夏のコンサート、名古屋公演に向けてのお稽古です。楽器練習もミュージカルの練習も「自主性」が問われます。七ヶ浜国際村で行っているこれらの事業は、町の未来を担う人材の育成事業という目的も帯びておりますから、各自の取り組み姿勢が益々重要になってきます。

5年前の今頃、ここはようやく避難所としての利用が解除され「さて、ここからどう立ち上がって行けばよいのか」と考えていた時期でもありました。一方でミュージカルでは「ゴーへ~Go Ahead」のプロジェクトが立ち上がった頃でもあります。今や、当時の小学校6年生は高校生となり、高校生たちは大学生になっています。 
彼らが「自主性」を持って取り組める環境やプログラムをどれだけ用意できるか、プロデューサーを仰せつかっている私の重責を感ぜずにはいられません。

津波の跡には堤防が、高台には復興住宅が、着々と出来上がってきているけれど、私たちがこの七ヶ浜の子たちと一緒に出来ることはまだまだたくさん残されているような気がしてなりません。

毎週、七ヶ浜国際村のお稽古場に来ると、現場に居なければ湧いてこないさまざまな想いが、我が胸を去来しているのでありました。


2015年7月16日木曜日

MUSICAL「カミナリム」制作レポート(4)【ちょいと工夫】の巻

「カミナリム」プロデューサー捕、草薙潤一氏はマルチタレントです。音楽制作から会計、総務、時には俳優までやってのけます。一方で、スタッフや出演者からは「なぎちゃん」と親しみを込めて呼ばれる人気者でもあります。
そんななぎちゃんが、隣の部屋の物陰で何やらトンテンカンと作業しているな、と思っていたら、なんと、創作楽器をつくっていました!


100円ショップなどで集めた素材を使って作ったという、ちょっとした打楽器です。純クリエイションには、通称「特殊工作員」(!)と呼ばれている小道具づくりの名人、F氏が居りますが、彼に対抗したのでしょうか(笑)F氏に勝るとも劣らぬアイディアマン。叩くとポンポンと小気味の良い音がします。
何でもSE(効果音)で使えるかな、ということで創ったそうです。ひょっとして、舞台にも登場したりして。すばらしい。

人気者といえば、稽古場でもちょっとした工夫を発見しました。バリトン歌手、佐藤一成氏の首にぶら下がっている自作台本のようなもの。なるほど、こうしてセンセからのダメ出しを素早く書き取ったり、不安なところを、確認するのですね。ふむふむ。…一説にはぶら下げているのではなく、お腹に乗っけているとの声もありますが(笑)


舞台を作り上げていく過程では、各人の様々な工夫をあちらこちらで発見、クリエイティビティ百花繚乱。感心することしきりの私です。