2011年6月21日火曜日

かなしみのかたまり

昨日、南三陸町歌津の帰り、志津川の防災庁舎まえで車を降りました。
20年近く前に「歌津竜の舞」をいっしょにつくった三浦毅さんは、ここで最後まで防災放送のマイクを握っていました。

南三陸町にくると、僕は必ずここに来て毅さん(僕らは、親しみを込めて、タケちゃん、とかタケちゃんマンとかって呼んでいた)の面影を探します。


まだ、どこかで生きていると信じてやみません。タケちゃんと会えないなんて認めたくない自分が居ます。先ほどお会いしてきた牧野駿前町長のご長男もこの庁舎での情報が最後です。どうにもやりきれない気持ちがこみ上げてきます。

暮れかかる志津川の町のど真ん中で、一台の車がそばに停車しました。
中から20代後半ぐらいでしょうか、女性が降り立ち、あっという間に庁舎の非常階段を昇り始めました。次の瞬間
「おとうさーん、おとーさーん!」
という、ふるえた声が聞こえてきました。
辺りには誰も居ません。車も殆ど通らず、静かな夕暮れです。

僕は、立ち尽くしたまま、しばらく動けなくなりました。
涙が止まらなくなりました。

これは、かなしみのかたまりです。

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