2012年2月24日金曜日

最期のSAKURA

昨年の4月24日に書いたブログ記事「最後の桜~生命力」。
これが発端でした。

津波で倒され、流されてたその場所で、倒れたまま、最後の花を咲かせた桜の木。
避難所となっていた七ヶ浜国際村へ向かう途中、菖蒲田海岸近くで見た桜の花です。

実は、その木をモチーフにしたミュージカルを創ろうと、昨年の夏から構想を練ってきました。
昨年の暮れに、台本を梶賀千鶴子氏、音楽を上田亨氏に依頼しました。

仮のタイトルはミュージカル「SAKURA」。
今年の7月28日(土)~29日(日)に仙台の電力ホールで初演予定です。
当日はJUN_harvestメンバーを核として生演奏を予定しています。
大手商業演劇のように「制作発表」のようなことは出来ませんが、このブログで作品を創っていく過程を少しでもご紹介出来ればと思っています。

そのとき、僕が撮った写真です。
震災から1ヶ月を過ぎて、けなげにも最期の花を咲かせるSAKURA。



半年後、同じ場所を訪れると、こんな風になっていました。


…枯れていました。
あまりに暑かった夏。
潮をかぶって、根っこがむき出しになったSAKURAが生きられるわけがありません。
再び僕の目から涙が溢れてきました。

秋が来て、この桜の木は、チェーンソーで短く切られていました。現在は、この倒れた桜の木も、左にチラッと見える流されてきたトラックの荷台も、跡形も無く片付けられています。

しかし、僕の胸には、あの時に見たSAKURAのメッセージがしっかりと刻まれています
なぜか震災直後より、現在のほうが時々悲しい気持ちになります。
きっとこれは今やるしかないのだと思います。

このSAKURAを舞台化すること。震災の記憶を舞台作品を通じて風化させないこと。それが、被災地となったこの地で創作ミュージカル制作に携わってきた者としての使命のように感じるのです。

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