2014年2月6日木曜日

量子もつれ

辻井伸行さんのコンサートに行ってきた。

辻井さんのコンサートは2度目である。

今回は、指揮者を置かないオルフェウス室内管弦楽団との共演

 

 

美しい演奏に聴き惚れ身を委ねながらも、ふと、あることを思い出した。

量子もつれ」。

昨年夏ごろだったか、新聞の記事で読んだその単語がずっと気になっていた。

量子もつれというのは、光子などの2つの粒子が一体として振る舞う物理現象のことだそうだが、門外漢の私にはちんぷんかんぷん。しかし、それがテレパシーの解明に繋がったり、量子コンピューターなどが実現したら、現在のスーパーコンピューターなどは、玩具のようなものになるなどと言われると、非常に興味深いコトバとして記憶していた。

で、昨夜のコンサート。

指揮者が居ないにも関わらず、一糸乱れぬ演奏表現。

これは「量子もつれ」の現象では!

特に辻井さんは、目がご不自由なわけでピアノには楽譜もない状態。にも関わらず、二部で演奏されたベートーベンのピアノ協奏曲第5番皇帝は、見事なバランスで管弦楽団と調和していた。

耳だけを頼りにしている演奏とは思えない。

きっとこれは演奏家たちの脳内で、量子もつれの現象が起こっているに違いない!

もしも自分が演奏家で同じ舞台に乗ったとしたら…妄想は膨らむ…きっと私は最初の音を出すタイミングへの不安で押しつぶされそうになるに違いない。

しかし、舞台では一流アーティストたちだからこそできる圧倒的なコミュニケーション能力が実現されていた。いや、能力というより脳力?

客席で目をつぶると、あたかも誰かが素晴らしい指揮をしているような演奏。

こんな雑念を抱くのは、純粋な音楽の鑑賞態度ではないかもしれないが、コンサートから何を感じ取るかは百人百様自由であるからして、関係各位、何卒お許しを(^_-)

 

皆さんの経験でも、ある人のことを考えていたらその人から電話が来たとか、妙なシンクロニシティを感じるとか、いわゆる虫の知らせ、なんて経験をお持ちの方いらっしゃるのでは?

それは、脳内で量子もつれが起こって、瞬時に情報が共有されていたのかも。

量子もつれの現象は時間も超えるという研究もあるそうだ。今、あなたが誰かのことを考え、何かを強く念じたとして、その瞬間、相手の脳内にもその同じ情報が再現されているとしたら…

何だかロマンティックでもあり、恐ろしくもあり…

コンサートをきっかけにそんな妄想を膨らませていた一夜であった。

 

 

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