2011年11月4日金曜日

被災地から生み出すミュージカル。

被災地とか被災者という言葉は、あまり好きではありません。
自分が使うとなんだか憐憫を招き入れるような印象があるからです。
半分冗談交じりで言っちゃったりします。
瓦礫という言葉もあまり好きではありません。
3月11日の2時46分まで、それらは瓦礫ではなかったからです。
震災後、このことばたちは僕にそんなことを語りかけるようになりました。

しかし。
被災地にいる被災者の僕たちが、あえてこの言葉を使います。
「被災地の瓦礫の中から立ち上がる」ためのミュージカルをつくっています。
出演者もスタッフも「被災者」です。
建物のすぐ下まで津波が押し寄せたホールが会場です。

僕たちが自らこうした言葉を使い、
ここで体験したこと見たことをテーマにし、
ここから立ち上がっていく姿をお見せすること。
それはひょっとして無意識でやっている
自分たちへの癒しの行動なのかもしれません。
そして、一方で、
被災地でない土地に住む友人たちからの
「何かやらなくちゃと思うけど何も出来なくて」
というやさしい言葉や気持ちに応えることだと感じています。

そんな気持ちの入った舞台スタッフ会議が
七ヶ浜国際村ホールの楽屋で行われています。
本番は11月19日~20日 七ヶ浜国際村にて。



外は秋の夕日。
確実に毎日が過ぎてゆきます。


限られた時間で作品作りに全力を尽くします。


おく山に紅葉ふみわけ鳴しかの
聲きくときそ秋はかなしき
[猿丸太夫]

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