2015年9月11日金曜日

新しい電車

初体験の特別警報のおかげで
昨日からほとんど外に出ていないことに気が付き
カメラを手に、ぽや~んと夕方散歩

一番町から青葉通りに抜け
大橋にさしかかったところ
仲ノ瀬橋の手前あたり
乗客のいない電車が走るのを見た


ほう
今年の暮れに開業する地下鉄東西線だ
車窓に人影はなく
試運転かな

地味な夕焼けを背景に
この車両
空に向かって飛ぶのでは
などと、一瞬妄想

眼下には
昨夜の豪雨の力を残した広瀬川
まだ恐ろし気な表情を見せている
夕焼けがほんのりと
それを薄める

そういえば
地下鉄工事が始まった頃
ここにくる手前の交番わきにサクラの木があった
けっこう好きな形の立派な木だった

けれども
そこに駅が出来るから切り倒されるのだときいて
ちょっぴり哀しい気分で
咲かせた最後の花を観に来たことを思い出した

そのサクラも
一緒に観てくれた人も
もう居ない

あれから
ずいぶんと時が経つ
そして
あの日から
今日で4年半経つのだから
そんな風に
ノスタルジーの世界に引き込んで
思い出してもいいのかな
と、想う

新しい電車は
あっという間に視界から消えた

「きらり」としたものは
突然現れて
無常に消える



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