稽古場ピアノと言えば、オペラやバレエ、そしてミュージカルのお稽古においても重要な位役割。たいていの場合、この単語は「お稽古場で、レッスンやリハーサルを行うためにピアノを弾く人」を指します。
そんな稽古場におけるピアニストは、優れた技術と作品や振付に対する読解力が求められます。また、指揮者や演出家などとのコミュニケーション能力も問われる仕事です。オーケストラでの上演を前提にしたお稽古などでは、稽古場ピアノが無ければ成立しないと言っても過言ではないでしょう。皆さまも、オペラやミュージカル、バレエ作品などのパンフレット、そのスタッフのところで「稽古場ピアノ」というクレジットを見たことがある方もいらっしゃるのでは?
さて、その稽古場ピアノ。今日はピアニストではなく、ピアノ本体のお話。
SCSミュージカル研究所のお稽古場にも、以前土樋のお稽古場時代からピアノがありました。50年くらい前に作られたヤマハ製のアップライトピアノです。ペダルは2つ。(現在のアップライトピアノはほとんどがペダル3つあります。)このピアノ、稽古場に常設してあります。けれどもここはエアコンを常に使ってはいるものの、梅雨時や大勢での稽古の場合、湿度が上がって、楽器にとっては良い環境とは言えません。
しかし、優れた調律師の手にかかると、悪条件下にある古いピアノも、美しい響きを取り戻すことができます。 今日は午後から、以前からお付き合いのある小田島智さんにおいで頂き、稽古場での重要アイテム、ピアノの調律をお願いいたしました。
彼は、ご自身もミュージシャンであると同時に(一社)日本ピアノ調律士協会東北支部長やスタインウェイ会の評議委員も務められているこの業界の重鎮です。私のバンドで生ピアノが入るときはいつも小田島さんに調律をお願いし、 私の知るピアニストたちからも大変な信頼を得られている方です。
稽古場やライブステージというのは、ピアノにとってコンディションが悪いのですが、だからこそ小田島さんにお願いしてしまうというのも正直なところ。(小田島さん、いつも悪条件にもかかわらず、プロフェッショナルの流儀、ありがとうございます!)
さて、今日はそんな彼にじっくりしっかり調律していただき、心なしかピアノも嬉しそうに見えました。
SCSの稽古場ピアノ。
調律後はじまったテノール歌手を交えてのレッスン。
稽古場から漏れ聞こえてくるピアノの音そのものが、歌っているように聞こえています。
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