七ヶ浜に来ています。来月、小さな発表会をここ国際村ホールにて行うために、地元で活動するミュージカルグループNaNa5931が、2班に分かれてそれぞれのお稽古をしていました。
今回テキストで用いているのは、宮沢賢治先生の『双子の星』からのエチュードです。
2つのグループそれぞれ、自分たちで振付・演出に挑戦しています。したがって我々指導陣は「ある程度出来上がるまで見ないでね」などと、鶴の恩返しのようなことを言われています。
そんなことを言われると、余計に見たくなるのがヨヒョウヒロセ。
一つのグループをこっそりのぞきにいきました。
すると、子どもたちのダンスの後ろで、聞き覚えのある音楽が流れていました。
「あ、けんちゃんのつくった曲だ」
震災前年の夏、40歳の生涯を駆け抜けていった、仙台の名ドラマー、一ノ瀬建治(いちのせけんじ)君。
7年ほど前、彼が生涯最後に作ったメロディーを、同じバンドのメンバー、サイトウミノルと只野展也がギターとシンセサイザーで彩のアレンジを施し、そして不肖ヒロセ純は、その楽曲を舞台に送り出す役割をそれぞれに担いました。
彼の曲は、福島市音楽堂で、ミュージカル『ふたごの星』(梶賀千鶴子脚本) の挿入曲として起用されました。タイトルは、海の情景。子どもたちの幻想的なダンスがけんちゃんのメロディーとの調和を見せていました。…。
けんちゃん、そうだったね。『ふたごの星』を福島の客席で一緒に観たっけね。
さっき、ホールの客席で子供たちを見ていたら、一気にけんちゃんの笑顔や、声、ドラムのビートが蘇ってきたよ。
けんちゃん、そういうことを忘れてたわけじゃないけど、子どもたちとの思い出の場所で、こんな風に悪戯な笑顔で、音楽とともに居てくれるのって、なんだか、嬉しいよ。
またね。
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