きのう、日曜日の陽が落ちたころ
まだ、稽古場では子どもたちの声が響いていて
一方の私は、事務所で学生たちのレポート集計作業を続けていた
すると、窓の外から蜩(ひぐらし)の声が聞こえた気がした
二度ほど
ソロで鳴いているのを聴いた気がした
私: ひょっとして蜩じゃない?
社員F君: え?何か聴こえました?
…うーむ、やはり私の気のせいか
たしかに、まさか、こんな街の中で、と、
半信半疑、窓を開けて身を乗り出してみた
しばらくすると
少し遠慮しがちな鳴き声を
もう一度だけ
確かに聴いた
間違いなく蜩だ
今年初めて聴く蜩の声だ
気が付くと、通りはクルマの往来が途絶えて
しんとしている
一瞬タイムスリップしてしまいそうな空気が流れた
空にはまだ
ほんのり茜色が残っている
蜩は、私を
少年時代の夏に連れ去る使者なのかもしれない
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