2015年7月13日月曜日

蜩(ひぐらし)

きのう、日曜日の陽が落ちたころ
まだ、稽古場では子どもたちの声が響いていて
一方の私は、事務所で学生たちのレポート集計作業を続けていた

すると、窓の外から蜩(ひぐらし)の声が聞こえた気がした

二度ほど
ソロで鳴いているのを聴いた気がした

私: ひょっとして蜩じゃない?
社員F君: え?何か聴こえました?

…うーむ、やはり私の気のせいか
たしかに、まさか、こんな街の中で、と、
半信半疑、窓を開けて身を乗り出してみた

しばらくすると
少し遠慮しがちな鳴き声を
もう一度だけ
確かに聴いた

間違いなく蜩だ
今年初めて聴く蜩の声

気が付くと、通りはクルマの往来が途絶えて
しんとしている
一瞬タイムスリップしてしまいそうな空気が流れた


空にはまだ
ほんのり茜色が残っている

蜩は、私を
少年時代の夏に連れ去る使者なのかもしれない


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